要旨
要旨
どの時代に於いても、本は人々の娯楽の1つであり、本は多くの人の心をひきつける力を持っている。そしてどの本に於いても、タイトルというものが存在している。そのタイトルを対象に、1961(昭和36)年~2010(平成22)年の過去50年間のそれぞれベストセラートップ10、計500冊の文字数、文字種、文字構成を調査した。
その結果、80年代を境に文字数・文字構成のパターンが大幅に増加し、片仮名の使用数が増加傾向にあることがわかった。反対に平仮名の使用数が減少し、文字構成では漢字のみ、平仮名+漢字という構成が減っていることがわかる。しかし、割合としてみてみると、50年間を通して平仮名と片仮名の使用率はあまり変化しておらず、平仮名+漢字という基本形の文字構成に片仮名や数字の文字種が加わり、新たな文字構成が生まれていることがわかった。
どの時代に於いても、本は人々の娯楽の1つであり、本は多くの人の心をひきつける力を持っている。そしてどの本に於いても、タイトルというものが存在している。そのタイトルを対象に、1961(昭和36)年~2010(平成22)年の過去50年間のそれぞれベストセラートップ10、計500冊の文字数、文字種、文字構成を調査した。
その結果、80年代を境に文字数・文字構成のパターンが大幅に増加し、片仮名の使用数が増加傾向にあることがわかった。反対に平仮名の使用数が減少し、文字構成では漢字のみ、平仮名+漢字という構成が減っていることがわかる。しかし、割合としてみてみると、50年間を通して平仮名と片仮名の使用率はあまり変化しておらず、平仮名+漢字という基本形の文字構成に片仮名や数字の文字種が加わり、新たな文字構成が生まれていることがわかった。
要旨
本稿では、自称詞の使い分けについて、芥川賞と直木賞の比較を通して調査した。予想では、芥川賞が硬い表現(丁寧度の高い自称詞)を好み、直木賞がくだけ
た親しみのある表現(丁寧度の低い自称)を好むのではないかと考えたが、このような結果は得られなかった。これを踏まえると、文学作品においては、登場人物をどのように設定するのかが自由なように、どのような自称詞を使用するかは作家の自由であり、自称詞によって純文学と大衆文学の区別をすることは不可能であると言うことができ、また、小説のなかにおいても、普段私たちが使い分けている場合と同様に自称詞を使い分けていると言える。
本稿では、自称詞の使い分けについて、芥川賞と直木賞の比較を通して調査した。予想では、芥川賞が硬い表現(丁寧度の高い自称詞)を好み、直木賞がくだけ
た親しみのある表現(丁寧度の低い自称)を好むのではないかと考えたが、このような結果は得られなかった。これを踏まえると、文学作品においては、登場人物をどのように設定するのかが自由なように、どのような自称詞を使用するかは作家の自由であり、自称詞によって純文学と大衆文学の区別をすることは不可能であると言うことができ、また、小説のなかにおいても、普段私たちが使い分けている場合と同様に自称詞を使い分けていると言える。
要旨
人々の購買意欲を高める帯の見出し語に着目し、その見出し語を構成する文字種の割合について調査した。
先行研究である中野(1997)の研究から、読者が表紙により購買意欲が左右されることが分かり、帯との違いはあれど、同じ購買意欲を高めるものとして、帯にもなんらかの工夫がなされているかということも考慮しながら調査を行った。
調査対象は近刊の書籍(文庫、新書の2つのジャンル)の中から無作為に200冊(4社ずつ各25冊)の帯を調査対象とした。
結果としては、文庫と新書の比較、出版社別の比較の両方で、多少の割合の差は出たものの、大きな差異は見られなかった。これは帯の平均字数がほとんど変わらないということと関係があるのかもしれないという見解に至った。 また、見方を変えると、いずれの調査でも字数や割合がほぼ一定なので、各出版社は、購買意欲を高める効果的な割合を意識しているのかもしれないと思われた。
人々の購買意欲を高める帯の見出し語に着目し、その見出し語を構成する文字種の割合について調査した。
先行研究である中野(1997)の研究から、読者が表紙により購買意欲が左右されることが分かり、帯との違いはあれど、同じ購買意欲を高めるものとして、帯にもなんらかの工夫がなされているかということも考慮しながら調査を行った。
調査対象は近刊の書籍(文庫、新書の2つのジャンル)の中から無作為に200冊(4社ずつ各25冊)の帯を調査対象とした。
結果としては、文庫と新書の比較、出版社別の比較の両方で、多少の割合の差は出たものの、大きな差異は見られなかった。これは帯の平均字数がほとんど変わらないということと関係があるのかもしれないという見解に至った。 また、見方を変えると、いずれの調査でも字数や割合がほぼ一定なので、各出版社は、購買意欲を高める効果的な割合を意識しているのかもしれないと思われた。
要旨
テレビ、ラジオ、ネット、新聞……様々な媒体の中でも、外来語は今や目にしない日はない。そもそも前述した媒体の名称自体が外来語である。それではその外来語の変遷が一目でわかる題材とは何か。そこで、流行歌を挙げ、国民番組とも言える紅白歌合戦に出場を果たした曲2879曲(10年分)から外来語の変遷を調べた。結果、日本語のみのタイトルは1950年代から安定しており、外来語のみのタイトルは時が経つにつれ減少の傾向、外国語のみのタイトルは時が経つにつれ飛躍的に増加をみせた。外国語の定義としてアルファベットが使用されている語としたため、やはり国際化社会の波を受けた顕著な例と思われる。
テレビ、ラジオ、ネット、新聞……様々な媒体の中でも、外来語は今や目にしない日はない。そもそも前述した媒体の名称自体が外来語である。それではその外来語の変遷が一目でわかる題材とは何か。そこで、流行歌を挙げ、国民番組とも言える紅白歌合戦に出場を果たした曲2879曲(10年分)から外来語の変遷を調べた。結果、日本語のみのタイトルは1950年代から安定しており、外来語のみのタイトルは時が経つにつれ減少の傾向、外国語のみのタイトルは時が経つにつれ飛躍的に増加をみせた。外国語の定義としてアルファベットが使用されている語としたため、やはり国際化社会の波を受けた顕著な例と思われる。
要旨
現代の娯楽として今や欠かすことのできないファッション雑誌であるが、その表紙にはどのような工夫が施されているのだろうか。レイアウト、フォント、モデルの選出など表紙には様々な工夫がされているであろうが、今回は文字調査ということで表紙上にある文字・文字のかたまり(記事)に焦点を絞った。男性・女性向けファッション雑誌各5冊ずつ計10冊の雑誌の表紙上の文字数、文字表記(漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字、記号)、記事数を調べた。調査結果を要約すると、文字表記ではカタカナが最も多くを占めた。文字数、文字表記は男性誌と女性誌で大きな差はないが、記事数は女性誌のほうが多かった。対象年齢別では、世代が上がるにつれて文字数、記事数ともに減った。また機会があればファッション以外のジャンルの雑誌にも調査を広げたい。
現代の娯楽として今や欠かすことのできないファッション雑誌であるが、その表紙にはどのような工夫が施されているのだろうか。レイアウト、フォント、モデルの選出など表紙には様々な工夫がされているであろうが、今回は文字調査ということで表紙上にある文字・文字のかたまり(記事)に焦点を絞った。男性・女性向けファッション雑誌各5冊ずつ計10冊の雑誌の表紙上の文字数、文字表記(漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字、記号)、記事数を調べた。調査結果を要約すると、文字表記ではカタカナが最も多くを占めた。文字数、文字表記は男性誌と女性誌で大きな差はないが、記事数は女性誌のほうが多かった。対象年齢別では、世代が上がるにつれて文字数、記事数ともに減った。また機会があればファッション以外のジャンルの雑誌にも調査を広げたい。
要旨
大学の購買部での菓子製品のパッケージに記載されている食感を表すオノマトペの表記について調査した。結果は、「サクサク」というオノマトペが最も多く、チョコレート菓子におけるオノマトペの使用が最も多かった。食感のオノマトペはカタカナがほとんどで、「サクふわ」など新たなオノマトペが造られている傾向もみられた。チョコレート菓子のオノマトペは、チョコレート自体よりもチョコレートに付いている別の食材の食感を強調することが多かった。
大学の購買部での菓子製品のパッケージに記載されている食感を表すオノマトペの表記について調査した。結果は、「サクサク」というオノマトペが最も多く、チョコレート菓子におけるオノマトペの使用が最も多かった。食感のオノマトペはカタカナがほとんどで、「サクふわ」など新たなオノマトペが造られている傾向もみられた。チョコレート菓子のオノマトペは、チョコレート自体よりもチョコレートに付いている別の食材の食感を強調することが多かった。
要旨
映画予告は約二時間の映画を約二分間での断片的な場面展開にまとめることで、なぜ観客におおよそ同じ解釈をさせることができるのだろうか。音声と画面表示の役割の違い、また、子供向け映画と大人向け映画の映画予告の違いについて調査した。各文の意味で分類するため、分類にはモダリティを用いた。結果としては、音声にはモダリティが格段に多く、画面表示にはモダリティが少ない代わりに体言で終わっているものが多かった。このことから言表態度は音声で表し、言表事態を画面表示で表していることが分かった。また、画面表示で場面設定を明確にした上で、音声を聴くため、誰が観てもおおよそ共通の解釈ができるように工夫されていた。子供向け映画に関しては、文の数が大人向け映画に比べて少なく、ナレーションの割合が台詞に比べて多かった。このことから、観客層の違いによっても映画予告に工夫がなされていることがわかった。
映画予告は約二時間の映画を約二分間での断片的な場面展開にまとめることで、なぜ観客におおよそ同じ解釈をさせることができるのだろうか。音声と画面表示の役割の違い、また、子供向け映画と大人向け映画の映画予告の違いについて調査した。各文の意味で分類するため、分類にはモダリティを用いた。結果としては、音声にはモダリティが格段に多く、画面表示にはモダリティが少ない代わりに体言で終わっているものが多かった。このことから言表態度は音声で表し、言表事態を画面表示で表していることが分かった。また、画面表示で場面設定を明確にした上で、音声を聴くため、誰が観てもおおよそ共通の解釈ができるように工夫されていた。子供向け映画に関しては、文の数が大人向け映画に比べて少なく、ナレーションの割合が台詞に比べて多かった。このことから、観客層の違いによっても映画予告に工夫がなされていることがわかった。