今日は東大和市立「狭山緑地」に行って来ました。
狭山丘陵には大小幾つかの公園や湿地がありますが、この公園は昭和60年に
開園した、広さ約10ヘクタールの公園です。公園の土地は個人所有ですが、
東大和市が借り受けて維持されています。
東口広場の入り口から入ると、管理棟(室)があり、そこから森に入ります。
この管理棟の前には、野鳥の為に餌場と水場が用意されていてヤマガラなどが
集まってきます。
餌場にはヒマワリの種が入っていますが、ヤマガラが素早くくわえて近くの
地面でパリパリと割って食べています。
数年前に来た時は、人に慣れているヤマガラがいて、手のひらにヒマワリの種を
置いて立つと、一瞬手に乗ってヒマワリの種を取っていきましたが、今日の鳥は
まだ人に慣れていないのか、近づいてきてはくれませんでした。
「手乗りヤマガラ」は諦めて森に入ります。
良く整備された雑木林を南側に進むと、竹林が見えてきます。
どちらかというと東西に長い公園ですが、東側の南は綺麗な竹林です。
この辺りでは、ツグミやシロハラを良く見かけました。時間の関係かもしれません。
案内板に沿って、西口広場のほうへ進みます。
途中、樹液が流れているクヌギと間引きされて立ち枯れたクヌギを見かけました。
立ち枯れの木を見ると削った後があります。
この様な広葉樹の立ち枯れの木は、クワガタムシの幼虫や昆虫の住処となって
いることが多いです。
そうなると、削った犯人は二人に絞られます。
1:幼虫や昆虫を餌とするキツツキの仲間の仕業
2:クワガタ採集を趣味とするマニアの”材割り採集”
材割り採集はナタなどで朽木を削って、中にいるクワガタムシの幼虫を採る採集方法
ですが、まだ生きている木を削ってしまう人も居るようです…。
材割り採集は主にオオクワガタ目当ての人が多いので、これはおそらくキツツキの
仲間が突いたものだと思います。
そこから少し進むと、木のデッキで出来た散策路が現れます。
とても歩きやすく、天気に左右されない散策も可能です。
そして、シジュウカラ用でしょうか?。木に掛けた巣箱を良く見かけます。
写真の巣箱は14番となっていますが、22番までは確認しました。
この写真はキツツキによって作られた巣で、中は空洞になっていました。
※この辺りにはアカゲラなど大型のキツツキ類も生息しているそうです。
木の散策路を更に進むと休憩広場に出ます。広場で珍しい実を見ました。
左は、「ウバユリ」の実で、中にたくさんの種が入っています。夏に
綺麗な花を咲かせます。
右は、マンリョウの実です。
詳しい場所は内緒ですが、この森では樹液を餌とする昆虫たちにとって、
理想的なクヌギもありました。
これほど見事なメクレを見たことはありません。おそらく去年の夏は
毎晩昆虫たちの樹液パーティーが繰り広げられていたことでしょう。
※樹液は毎年出るとは限りませんので、今年の夏は分かりません‥。
早速、根元の枯葉を掻き分けてみました。
少し掻き分けただけで、カブトムシ、ノコギリクワガタ等が見つかりました。
もちろん生きてはいませんが、カブトムシもノコギリクワガタも運良く鳥などに
襲われなかった様で全体が残っていました。
カブトムシは、赤みが強い人気のアカカブで結構大きな固体です。
ノコギリクワガタは推定50ミリ弱と特別大きくはありませんが、上顎が湾曲した
立派な大歯型です。
※ノコギリクワガタは顎の形で、大歯、中歯、小歯に分かれます。
ノコギリクワガタの右に二匹のコクワガタの頭がありますが、どちらも
小さく、左の方にいたっては、おそらく20ミリに満たない固体です。
ところで、問題なのはノコギリクワガタの左側にあるものです。
これは、クワガタの頭部と羽(上翅)の間にある”前胸背板”といわれる部分ですが、
形からいってオオクワガタの仲間であるドルクス属のものだと思われます。
※一番右のコクワガタの頭部の下を見ると良く分かります。
国内種であれば、オオクワガタ、ヒラタクワガタ、コクワガタあたりですが、
大きさからいってコクワガタではありませんし、ヒラタクワガタの大きなものなら
可能性はありますが、右のコクワガタの大きさを見ると同じ環境で同じ立ち枯れの
朽木を餌にするヒラタクワガタがここまで大きくなれるとは考えづらい気がします。
ではオオクワガタかとなりますが、オオクワガタが滅多にお目にかかれないクワガタで
あることは広く知られていますし、生息環境もコクワガタやヒラタクワガタと同様です。
オオクワガタが狭山丘陵に生息している可能性自体はあると思いますが、幼虫時代に
多くの餌(朽木)を必要とすることを考えると、この様に整備された公園にいる事は、
あまり考えられません。
可能性があるとすれば、余り人が立ち入らない丘陵の奥深い場所だと思います。
私が最も懸念するのは、外国産のヒラタクワガタ等では無いかということです。
外国産のオオヒラタと名がつく種であれば、これくらいの大きさは十分ありますし、
数年前から、夏に大型スーパー等でよく売られるようになっています。
飼えなくなって、可哀想だからと森に放したのでは?(いわゆる”放虫”です。)
南方に多い外国産クワガタは日本の冬を越せませんが、同系種の国内種との交雑などで、
寒さに弱い新種が生まれたりすると種そのものの絶滅の危機さえ生まれます。
又、そうならなくとも大きくて強い外国種が餌場を独占し、固有種が閉め出されるなど、
生態系への影響は図りしれません。(絶対止めるべき行為です。)
放虫で無いことを祈りながら西口広場から森を出て隣接する多摩湖通りの歩道を鳥の
鳴き声に耳を傾けながら東口広場に戻ります。
コーヒーを飲みながら一休みして、狭山緑地と道を挟んだ駐車場の脇にある緑地の
「フィールドアスレチックコース」に行ってみます。
ここは約3ヘクタールの広さで14のアスレチック遊具が設置されています。
アスレチックコースですが、遊んでいるのは人間だけでなく、鳥たちも遊んで?います。
今日はコゲラが群れて飛び回っていました。
シジュウカラやセキレイなどもいましたが、今日は”コゲラの森”と名付けて良いほど
コゲラで賑やかでした。
狭山緑地は、気軽に雑木林を散策できる、管理の行き届いた公園でした。
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