否決の流れ変わらず 首相は即日解散の構え (共同通信) - goo ニュース
チキン・レースは、最後の最後まで結果がわからない。弱音を吐いて競争を諦めた方が、負けとなる。
郵政民営化関連法案が8日、参議院本会議で採決されるが、ギリギリのところで、賛成派、反対派がせめぎあっている。
だが、対立の構図は、いたって単純である。何も難しく考える必要はない。
いまや、反対票(青票)を投ずることが決まっている民主党や社民党、共産党は、このチキン・レースの当事者ではなく、事実上、蚊帳の外である。
対立は、自民党参議院議員の大多数が賛成派であり、反対派は少数である。1つの党が賛否で分裂しているとは言っても、反対派はせいぜい20人から30人程度である。それが、小泉政権の命運を決める状況にあるのは、一にも二にも、平成元年7月の参議院議員選挙で「マドンナ旋風」が災いして自民党が過半数を割り、この状態が17年も続けているのが最大の原因である。
現在、参議院(定数242)の勢力は、自民党が114議席、民主党84議席、公明党24、共産党9、社会民主党6、各派に属さない5、欠員ゼロ。
過半数は、121議席で自民党は、9議席足りない。これを公明党との連立で辛うじて過半数を確保して、17人を超えているにすぎない。扇千景議長の票を足しすと、18人を超える。だから、18人が反対票を投ずれば、「否決」となるという計算である。
郵政民営化法案の反対派、この問題に関する限り、自民党内の「野党」ということになっている。
小泉首相の誤算は、参議院で自民党が17年間も過半数を割り続けてきたという事実を軽く考えてきたことである。小泉首相は在任4年4か月を超え、この間に2回も参議院議員選挙を戦いながら、「現状維持」の結果を深刻に考えてこなかった。つまり、この2回の参議院議員選挙は、いずれも「敗北」だったのである。公明党の議席と合わせて、過半数を超えたからといって、「勝利」などと言っている余裕はなかったのである。つまり、公明党に頼らなくてもよいだけの議席を確保できるようもっと努力すべきであった。
第2の誤算は、小泉改革の最大の抵抗勢力を「旧橋本派」と考えすぎて、他の派閥を侮ったのが、今回、裏目に出ている。反対に回ると見ていた「旧橋本派」の参議院議員の大半は、「賛成派」に属しているのである。
第3の誤算は、亀井派という「冷や飯組」を「冷遇」しすぎ、「傘張り浪人」から、「ひがみ浪人」に貶めたことであった。そのなかで、とくに中曽根康弘元首相を「うば捨て山」に捨ててしまったことである。本来なら「味方」になっていてもおかしくはないこれらの「浪人」たちを「過激派」に追い込んでしまった。
これらの複合的原因により、自民党の大多数が、賛成派に回っているにもかかわらず、わずかな「党内野党派」にキャスティング・ボートを握られたばかりか、小泉首相が法案否決の公算大というギリギリの断崖絶壁に立たされるハメに陥ったのである。
これは、詰まるところ、郵政民営化法案をめぐる「賛否」というよりは、「小泉憎し」の「私怨・怨念」が吹き出した結果とも言える。もはや小泉首相VS抵抗勢力という対立構図ではなく、小泉首相VS「冷や飯組」という構図である。
こうなると小泉首相が、いくら「官より民へ」と絶叫しても、反対派を賛成派に転向させることは難しい。
残る手は、「カネ」か「ポスト」であるが、厳密に言えば、「贈収賄罪」になる可能性が高い。投票行動を「カネ」か「ポスト」で売買することは、許されない。
となれば、小泉首相は、韓国ドラマの「オール・イン」ではないけれど、最後の勝負に出るしかない。小泉首相が打つ「大博打」が勝つか負けるかはわからないけれど、衆議院の解散・総選挙もやむを得ない。国民・有権者が参加して、「小泉改革」に対して「最後の審判を下す」のが、憲政の常道とも言えるからである。
大半が賛成派であるから、正確に言えば、小泉首相は、決して「孤立」をしているわけでもなく、ましてや「孤独な戦い」を行っているわけではない。むしろ、逆に亀井静香元建設相ら「反対派」の方が、よほど「孤独な集団」であるとも言える。自民党が正常に機能していれば、反対派を懐柔するのは難しくはないだろう。だが、感情がここまでこじれれば、反対派は、自民党総裁に叛旗を翻した「大罪人」として首を洗って、斬首されるのを待つか、自民党を脱走して、新党を結成して戦うしか道はない。
幸い、投票日が9月11日であれば、お盆休暇のときでもあり、この「クソ暑さ」のなかで、国民の大半が、海水浴に出かけたり、涼しい外国に旅行したり、あるいは、昼寝を楽しんだりしている時期でもあり、この時期の選挙戦によって、国政に空白が生ずることはない。この点では、絶好の時期である。衆議院議員や候補者には御苦労なことではあるけれど、宮沢賢治の詩の言葉通りに「夏の暑さ」にも負けずに頑張ってもらいたい。
一国民の立場からは、宣伝カーから発せられる絶叫には、ホトホト参ってしまうとはいえ、蝉の鳴き声を聞きながら、これからの日本のあり方を改めてじっくりと考えてみるのも悪くはない。
このままでは、蚊帳の外の「民主党」が、予想に反して、大敗するかも知れない。鵺(ヌエ)とも言われてきた化け物政党・自民党がむかしから得意としてきた「高等戦術」の一つである。
「赤勝て」「白勝て」
NHKの大河ドラマ「義経」も面白いが、真夏の「源平合戦」が見られる!
「小泉首相勝て」「亀井新党勝て」
チキン・レースは、最後の最後まで結果がわからない。弱音を吐いて競争を諦めた方が、負けとなる。
郵政民営化関連法案が8日、参議院本会議で採決されるが、ギリギリのところで、賛成派、反対派がせめぎあっている。
だが、対立の構図は、いたって単純である。何も難しく考える必要はない。
いまや、反対票(青票)を投ずることが決まっている民主党や社民党、共産党は、このチキン・レースの当事者ではなく、事実上、蚊帳の外である。
対立は、自民党参議院議員の大多数が賛成派であり、反対派は少数である。1つの党が賛否で分裂しているとは言っても、反対派はせいぜい20人から30人程度である。それが、小泉政権の命運を決める状況にあるのは、一にも二にも、平成元年7月の参議院議員選挙で「マドンナ旋風」が災いして自民党が過半数を割り、この状態が17年も続けているのが最大の原因である。
現在、参議院(定数242)の勢力は、自民党が114議席、民主党84議席、公明党24、共産党9、社会民主党6、各派に属さない5、欠員ゼロ。
過半数は、121議席で自民党は、9議席足りない。これを公明党との連立で辛うじて過半数を確保して、17人を超えているにすぎない。扇千景議長の票を足しすと、18人を超える。だから、18人が反対票を投ずれば、「否決」となるという計算である。
郵政民営化法案の反対派、この問題に関する限り、自民党内の「野党」ということになっている。
小泉首相の誤算は、参議院で自民党が17年間も過半数を割り続けてきたという事実を軽く考えてきたことである。小泉首相は在任4年4か月を超え、この間に2回も参議院議員選挙を戦いながら、「現状維持」の結果を深刻に考えてこなかった。つまり、この2回の参議院議員選挙は、いずれも「敗北」だったのである。公明党の議席と合わせて、過半数を超えたからといって、「勝利」などと言っている余裕はなかったのである。つまり、公明党に頼らなくてもよいだけの議席を確保できるようもっと努力すべきであった。
第2の誤算は、小泉改革の最大の抵抗勢力を「旧橋本派」と考えすぎて、他の派閥を侮ったのが、今回、裏目に出ている。反対に回ると見ていた「旧橋本派」の参議院議員の大半は、「賛成派」に属しているのである。
第3の誤算は、亀井派という「冷や飯組」を「冷遇」しすぎ、「傘張り浪人」から、「ひがみ浪人」に貶めたことであった。そのなかで、とくに中曽根康弘元首相を「うば捨て山」に捨ててしまったことである。本来なら「味方」になっていてもおかしくはないこれらの「浪人」たちを「過激派」に追い込んでしまった。
これらの複合的原因により、自民党の大多数が、賛成派に回っているにもかかわらず、わずかな「党内野党派」にキャスティング・ボートを握られたばかりか、小泉首相が法案否決の公算大というギリギリの断崖絶壁に立たされるハメに陥ったのである。
これは、詰まるところ、郵政民営化法案をめぐる「賛否」というよりは、「小泉憎し」の「私怨・怨念」が吹き出した結果とも言える。もはや小泉首相VS抵抗勢力という対立構図ではなく、小泉首相VS「冷や飯組」という構図である。
こうなると小泉首相が、いくら「官より民へ」と絶叫しても、反対派を賛成派に転向させることは難しい。
残る手は、「カネ」か「ポスト」であるが、厳密に言えば、「贈収賄罪」になる可能性が高い。投票行動を「カネ」か「ポスト」で売買することは、許されない。
となれば、小泉首相は、韓国ドラマの「オール・イン」ではないけれど、最後の勝負に出るしかない。小泉首相が打つ「大博打」が勝つか負けるかはわからないけれど、衆議院の解散・総選挙もやむを得ない。国民・有権者が参加して、「小泉改革」に対して「最後の審判を下す」のが、憲政の常道とも言えるからである。
大半が賛成派であるから、正確に言えば、小泉首相は、決して「孤立」をしているわけでもなく、ましてや「孤独な戦い」を行っているわけではない。むしろ、逆に亀井静香元建設相ら「反対派」の方が、よほど「孤独な集団」であるとも言える。自民党が正常に機能していれば、反対派を懐柔するのは難しくはないだろう。だが、感情がここまでこじれれば、反対派は、自民党総裁に叛旗を翻した「大罪人」として首を洗って、斬首されるのを待つか、自民党を脱走して、新党を結成して戦うしか道はない。
幸い、投票日が9月11日であれば、お盆休暇のときでもあり、この「クソ暑さ」のなかで、国民の大半が、海水浴に出かけたり、涼しい外国に旅行したり、あるいは、昼寝を楽しんだりしている時期でもあり、この時期の選挙戦によって、国政に空白が生ずることはない。この点では、絶好の時期である。衆議院議員や候補者には御苦労なことではあるけれど、宮沢賢治の詩の言葉通りに「夏の暑さ」にも負けずに頑張ってもらいたい。
一国民の立場からは、宣伝カーから発せられる絶叫には、ホトホト参ってしまうとはいえ、蝉の鳴き声を聞きながら、これからの日本のあり方を改めてじっくりと考えてみるのも悪くはない。
このままでは、蚊帳の外の「民主党」が、予想に反して、大敗するかも知れない。鵺(ヌエ)とも言われてきた化け物政党・自民党がむかしから得意としてきた「高等戦術」の一つである。
「赤勝て」「白勝て」
NHKの大河ドラマ「義経」も面白いが、真夏の「源平合戦」が見られる!
「小泉首相勝て」「亀井新党勝て」