小泉首相の選挙戦術、最後のサプライズカードがあるとすければ…

2005年08月30日 21時59分02秒 | 政治
総選挙、1132人が立候補 小選挙区制で過去最少 (朝日新聞) - goo ニュース

 小泉自民党が公明党と合わせて過半数を取れば、民主党の岡田克也代表が、その座を降りる。岡田代表の民主党が過半数を確保すれば、小泉首相は潔く退陣する。文字通りの一騎打ちである。
 第44回総選挙が、30日公示された。自民・公明党VS民主党の2大政党激突の凄まじい選挙戦となりそうである。
 まずは、博徒・小泉首相の奇手機略が、どこまで奏効するかが見物である。小泉内閣に対する支持率が60%台に上昇し、必ず選挙に行くという人と行くという人とを併せると90%前後になるとの報道機関の世論調査結果もあり、「7掛」としても63%前後の高投票率になる可能性がある。
 だが、投票率が高いというのは、無党派層のなかで選挙に行く人が増えるということであり、これが、どの党にプラスに働き、どの党にとってマイナスになるかを考慮しなくては、投票の結果を予想することはできない。
 これまで一般に無党派層が動けば、「民主党に有利に働く」と見られてきた。自民党や公明党といった「組織政党には不利」ということである。森喜朗前首相が、在任中、「無党派層が寝ていてくれればよいのに」と失言して顰蹙を買ったのが、思い出される。余りにも、正直な感想であった。
 確かに、組織政党にとっては、低投票率の方が、都合がよい。政治が投票した少数の有権者によって左右されるのは、好ましくないけれども、投票に行かない方が悪い。憲法で保障された権利を行使しなければ、政治に口を挟む権利はないのである。
 だが、今回の総選挙は、「小泉人気」と「小泉劇場の面白さ」によって、国民の耳目を集めており、心理的には、「小泉支持者」を増やしているというのが、大体の見方であろう。
 候補者は、無党派層を取り込めれば勝ち、取り込めなければ負ける。そうは言っても、「郵政民営化に賛成か反対か」の二者択一を迫られた国民・有権者が、「賛成派の自民・公明党候補者」に無条件で票を投ずるかと言えば、必ずしも、単純ではない。投票所の各「ボックス」に張り出された「候補者名簿」を見て、政党で選ぶ人がかなりいるだろうが、政党で選ぶ前に、候補者にどれだけ「親近感」を抱いているかも、大事な要素になる。だから、いわゆる「ポット出」のような候補者に何のためらいもなく投票するには、相当の抵抗を感ずる有権者も、少なくないのではないか。
 となれば、小泉首相の期待は外れてしまう。郵政民営化に賛成か反対かのどちらにも意志を示すことができない有権者は、一体どうすればよいのか。今回の総選挙では、公認候補発表から公示まで期間が短かったことから、だれを選んでよいかに迷い、困ってしまうだろう。「どこの馬の骨がわからない」ような候補者が、自民党公認候補者として名前を連ねているからである。まさか、タマやミケといったネコの名前を書くわけにはいかない。
 棄権せず投票所まで足を運んで、白紙で投票するか、どう見ても当選しそうにない泡沫候補に入れるか・・・。
 2大政党政治に慣れていない国民・有権者の多くは、実に悩ましき12日間を送ることになる。
 (ちなみに、もし、小泉首相が、総選挙中に3度目の北朝鮮訪問を敢行して拉致被害者の1人でも2人でも連れて帰れば、小泉自民党は、これだけで、圧勝する。拉致問題解決に小泉首相ほど熱心さを感じられない岡田民主党は、決定的なダメージを受けるだろう。夢想に近いが、小泉首相の最後の「サプライズ」に期待したい)
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