◆塩川正十郎元財務相が、福田内閣が編成した「平成20年度政府予算案」に対して「改革の意欲感じられず」と苦言を呈している。埼玉新聞12月25日付け朝刊「第3総合面」(3面)に掲載の記事である。曰く、
「財政が厳しくなったことの意識をもって、歳出をもう少し引き締めた方がよかったのではないか。財政が厳しいからこそ財政改革も進む。甘い財政規律のもとでは改革は進まない。辛抱することも必要だ。二0一一年度の基礎的財政収支の黒字達成に無関心な政治家がおり、大変な認識不足と言わざるを得ない」と。
◆それでも、塩川氏は、この記事の最後で、
「福田政権が発足してから約三カ月たった。今までは慣らし運転だったが、年明けの予算委員会から潮目が変わり、自主性が出てくることに期待している」
と結んでいる。塩川氏は、「昭和の黄門」を自称した福田赳夫元首相の脇を固めた「助さん・格さん」の助さん(格さんは、森喜朗元首相)を務めていただけに、身内意識から元首相の長男である福田康夫首相の「国の舵取り」を案じている。その分、塩川氏には、福田首相に対する「甘さ」は拭えないけれど、敢えて苦言を呈しているのは、気骨ある塩川氏らしい。
◆しかし、塩川氏が「年明けの予算委員会から潮目が変わり、自主性が出てくることに期待している」と述べているのは、いかにも虚しい響きがある。「年明けの予算委員会から潮目が変わる」とはいえ、「改革姿勢」を取り戻すには、予算案を根本的に組換えることが必要となるからである。グズな福田首相にそんな芸当を期待するのは、ほとんど不可能に思えるからである。
◆それどころか、小泉元首相、安倍前首相の2代にわたる「構造改革路線」を復元して、これを政府予算に反映させるには、来年暮れの予算編成の時期を待たなくてはならない。それまで福田政権が存続していることが不可欠である。読売新聞12月25日付け朝刊「政治面」(4面)に「首相『くたびれた』―初の公邸宿泊で」という記事が掲載されている。いまの「捻じれ国会」に福田首相がどこまで堪えうるか。亡父・福田赳夫元首相により心理的に追い詰められた大平正芳元首相が極度の狭心症から心臓麻痺を起こして急死したのが想起される。老体にムチ打って政権運営するのもよいが、あまりムキにならず、この際、思い切って衆議院の解散・総選挙に踏み切り、福田政権を民主党に渡した方が、身体のためにはよいのではないか。

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「財政が厳しくなったことの意識をもって、歳出をもう少し引き締めた方がよかったのではないか。財政が厳しいからこそ財政改革も進む。甘い財政規律のもとでは改革は進まない。辛抱することも必要だ。二0一一年度の基礎的財政収支の黒字達成に無関心な政治家がおり、大変な認識不足と言わざるを得ない」と。
◆それでも、塩川氏は、この記事の最後で、
「福田政権が発足してから約三カ月たった。今までは慣らし運転だったが、年明けの予算委員会から潮目が変わり、自主性が出てくることに期待している」
と結んでいる。塩川氏は、「昭和の黄門」を自称した福田赳夫元首相の脇を固めた「助さん・格さん」の助さん(格さんは、森喜朗元首相)を務めていただけに、身内意識から元首相の長男である福田康夫首相の「国の舵取り」を案じている。その分、塩川氏には、福田首相に対する「甘さ」は拭えないけれど、敢えて苦言を呈しているのは、気骨ある塩川氏らしい。
◆しかし、塩川氏が「年明けの予算委員会から潮目が変わり、自主性が出てくることに期待している」と述べているのは、いかにも虚しい響きがある。「年明けの予算委員会から潮目が変わる」とはいえ、「改革姿勢」を取り戻すには、予算案を根本的に組換えることが必要となるからである。グズな福田首相にそんな芸当を期待するのは、ほとんど不可能に思えるからである。
◆それどころか、小泉元首相、安倍前首相の2代にわたる「構造改革路線」を復元して、これを政府予算に反映させるには、来年暮れの予算編成の時期を待たなくてはならない。それまで福田政権が存続していることが不可欠である。読売新聞12月25日付け朝刊「政治面」(4面)に「首相『くたびれた』―初の公邸宿泊で」という記事が掲載されている。いまの「捻じれ国会」に福田首相がどこまで堪えうるか。亡父・福田赳夫元首相により心理的に追い詰められた大平正芳元首相が極度の狭心症から心臓麻痺を起こして急死したのが想起される。老体にムチ打って政権運営するのもよいが、あまりムキにならず、この際、思い切って衆議院の解散・総選挙に踏み切り、福田政権を民主党に渡した方が、身体のためにはよいのではないか。

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