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和泉の日記。

気が向いたときに、ちょっとだけ。

「アマガミ」のリアリティ。

2009-09-18 13:33:04 | いつもの日記。
アマガミ、取り敢えずメインヒロイン全6名のスキ・BESTエンドを見ました。
ここでちょっと、忘れないうちに全体の感想を。

本作は、非常に今風な、最先端にあるギャルゲーだと思います。
それは「システム面が非常に凝った作りになっている」というだけではなくて、
主人公を含むキャラクター達が実に現代の感覚にマッチしているという意味です。
実際の現役女子高生がこういうキャラなのか?という点については良く分かりませんが、
メーカーが目指しているであろうメインターゲット層にはウケるでしょう。
つまりそういうことです。

特に顕著なのが、主人公=プレイヤーの性格設定。
これが受け入れられ、共感を得られないことにはとても評価は得られません。

アマガミの主人公、橘純一は、ノリがよくお人好しである一方、恋愛に関して
奥手・鈍感という一面があります。
このことから、女の子に対して具体的・積極的なアプローチはなかなかできず
(そのくせ変態的なアプローチは果敢にやるんだけど)受身な態度が多くなっています。
従来のギャルゲーは、プレイヤー側が積極的にヒロインの人生に関わることで
相手を助け、時に助けられ、徐々に口説き落としていくという形が大多数でした。
しかし、アマガミでは主人公は相手の行動にそこまで関与しないことが多々あります。
ヒロインが悩んでいて、何とか助けたいけども、実際には何もできずに最終的には
ヒロインがひとりで自分の問題を解決していく――結果、
「貴方が側にいてくれたから頑張れたのよ」
的なことを言われ、告白される、というパターンが多かったように思います。

そう、主人公は告白「される」側なんですよね。ここ大事。

類似のギャルゲーとして、DSの「ラブプラス」なんかも告白「される」側です。
近年、男性の女性化というか「草食系男子」なんて言葉が流行ってますが、つまり
橘純一はその代表と言えるんじゃないかということです。
この草食系って言葉、僕は大嫌いなんですけどね。
しかし、この「男性側だけが頑張るもんじゃないよね」という感覚自体はまぁ、
分からなくないかなと思います。

従来のギャルゲーは、ヒロインの思考をいかにプレイヤーへの想いで埋めるか?
ということがテーマになっていました。
あらゆる苦難を、全てプレイヤーと共に乗り越え、プレイヤーにベタ惚れしていく、
というパターンです。
しかし、実際にそんな極端な例はあまりないのではないでしょうか?
それこそ、昭和以前の完全なる男性上位主義だったらないことはないでしょうけど。
そんな感覚は、現代を生きる若い男性には理解を得られ難くなくなってきている
のだと思います。

自分は自分。相手は相手。
できる限り相手を理解するし、優しく楽しく接したいけれども、自分自身や
相手自身にしか解決できない問題もあるし、その線引きははっきりすべき。

そんな思想が当たり前のベースとして存在し、その上に物語が成り立っています。
アマガミは、特にリアリティを強く押し出した作品です。
個人主義が叫ばれる昨今、このような思想をベースにした本作がウケるというのは
ある程度納得なのではないでしょうか。
コメント (2)
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