米澤穂信「黒牢城」読了。
難しかったけど、後半俄然面白くなってびっくりした。
いずみみたいな、時代劇に慣れ親しんでない人間にも分かるよう
しっかり説明もしてくれたし。
ラスト付近の謎解きは本当に見事だった。
いずみにも理解できた。
黒田官兵衛がカッコイイんだよ!
でも出番が少ないの!
出番が少ないからこそカッコイイんだけどね。
牢の中で主人公にチョロチョロっと謎解きのヒントだけ出すの。
で、不要なことは一切言わない。
それで各章の謎は解けるし、ラストのどんでん返しにも繋がる。
黒田官兵衛カッコイイ! ってなる。
荒木村重もいい主人公でしたね。
殿様として申し分なく、でも周りがそれに付いてこれてない。
中盤くらいから目に見えて城が傾いてきてるのを、
村重と黒田官兵衛だけが理解してる。
村重にはどうしようもなく、そして最後の事件に繋がる。
見事すぎる。
あと、直接は出てこないんだけど、織田信長まじ怖い。
あいつ魔王だわ。
今の世の中で、
「尊敬する人は織田信長です!」
とかいう人がいるけど、これ読むとまじ意味分からなくなるな。
あんな魔王を尊敬するかね?
おだしの方も困惑するわ。
ともあれ、面白い小説でした。
さすが直木賞。さすが米澤穂信。
参考文献も山ほどあって、プロは大変だなーと思いましたよ。
いずみなら史実ぶっちぎって全部妄想で書くね。
でもそうすると細かいリアリティが出ないんだろうなあ。
いずみの苦手な時代劇なのに面白い、凄い作品でした。
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