【SS】夢の通り

月に一回程度のペースで、定期的に見る夢がある。
繰り返し繰り返し、何度も見てきた。
忘れることのない、夢。

そして今、目の前に、その夢で見た通りの女性がいる。
名前も知らない。
だけどよく見知った、女性。

当然向こうは、僕のことなど知らないだろう。
いきなり目の前に現れても、不審がられるだけだ。
だから僕は、こっそり後を付けることにした。

月の明るい夜。
閑静な住宅街の路地裏。
街灯もまばらな、少し寂しげな道を歩く。
コツコツと彼女のヒールの音だけが響いた。
ああ、彼女はこんな音を立てて歩くのか。
僕は妙なところに感じ入ってしまう。
それはまるで夢の続きのような。
とろける響だった。

もっと――
もっと、彼女を知りたい。

名前は何というのだろう。
どこに住んでいるのだろう。
趣味は？　仕事は？　休日は何をして過ごすのだろう？
知りたいことが次々と溢れ出して止まらない。

しかし、一方でどこか諦観に似た気持ちもある。
所詮夢は夢。
現実とは違うのだ。
夢の続きを、少し体験できただけでもいいじゃないか――。

そんなことを考えていると、ふと彼女のやや後方に男の影が。
僕は様子を窺う。

それは明らかに怪しげな、コートを羽織って帽子を被った男だった。
両手をポケットに突っ込んだまま、やや早足で歩く。
この速度では、すぐに彼女にぶつかるだろう。
そこで、男は右手をポケットから出した。

ナイフ。

薄暗い、微かな明かりに反射する光で、僕はその存在に気付いた。
男は、そのナイフを握りしめ、今にも彼女に襲い掛かろうとする――。

違う。
こんな結末は、僕の望む――僕の夢じゃない。

思うより先に、体が動いた。
必死で走り、男に追いつく。
そしてそのまま、男の背後から強く体当たりをした。
吹き飛ぶ拍子に、男の右手からナイフがこぼれ落ちる。
カラン、と金属質な音が響いた。

何が起こったか一瞬分からないような顔をする男。
しかし、すぐに状況を察したのか、慌ててその場から逃げていった。

残されたのは、僕と、驚いた顔の彼女だけ。
よかった、彼女は無事だったのだ。
「怪我はありませんか？」
僕の問いかけに、彼女はようやく事態を理解する。
「は――はい。危ないところを、ありがとうございました」
そう言って、彼女は優しく微笑んだ。

ああ、そうだ。
この美しい笑顔だ。
これで――

僕は満足して、素早く彼女の白く細い首に手を伸ばす。
がっしりと強くその首を掴み、締め付ける。

――これで、夢の通りだ。

僕の両手で力尽きる彼女。
その怯えた末期の表情も、全て――僕の夢の通り。

実写映画化。

「はがない」実写映画化だってよ。

『僕は友達が少ない』実写映画化について

いやー、確定だったかー・・・。
まぁ、微妙な心境ですよね。原作ファンとしてはね。
なにせ、アレはブリキ絵だから成立する作品だと思ってますから。

でもまぁ、別に、それはそれでいいんじゃねーかなーとも思います。
作者にお金が入って、それが次の展開の資金になるのなら、ファンとしても
やぶさかではないと言いますか。
歓迎とまでは言いませんが、許容はできるかなーと。

ただ、これを絶対に許容できない！　という人は、いると思います。
作者は、要するに「嫌なら見るな」と言っているわけですよね。
でも、それって可能なんですかね。

例えば、片思いの相手がいて、その人に恋人ができちゃった。
お前は関係ないよ。
嫌なら視界から消えれば？
と言われているような。

それは、片思いの相手＝作品が、本人の意志で選んだことです。
結果として幸せに繋がるのか不幸に繋がるのかは、まだ誰にもわかりません。
しかし、それを見ないふりして、聞かないふりして、
黙ってその場から立ち去れよ、と言うのは・・・さすがに酷じゃないですかね？

僕らは、現実世界でいつもそんな目に遭って来ました。

片思いの相手は振り向かない。
第一志望の学校へは受からない。
なりたい職業には就けない。

そんなことの繰り返しで、現実が嫌で嫌で仕方ない。
それが僕らだと思います。

そんなクズみたいな僕らが、それでも何とか現実と折り合いを付けるために、
ちょっとだけ逃避した先が、コッチの世界だと思うのです。
要するに、二次元は夢の世界。
理想であり桃源郷でありアルカディアでありディズニーランドです。

そこでは、すべての恋は成就するし、いくらだって世界を救えます。
現実でできなかったことが、全部、当たり前にできる。
それが、コッチの世界のメリットであり、約束事だと思うのです。
そんな夢を買うために、僕らはラノベや漫画やゲームを買うのです。

嫌なら見るな。
そりゃそうですよ。
でも、そうやって、嫌だからと目をそらした先の理想郷で、
やっぱりそれでも嫌なことが起こったら、僕たちはどうすればいいんでしょうね？
隣の部屋から、片思いの彼女とその彼氏の楽しそうな声が聞こえてきたら。
僕たちは、どうしたらいいんでしょうね？

耳を塞いでも声は聞こえてくるし、
その場から立ち去っても、この同じ空の下で彼女は仲良くやっているのです。

それを、嫌なら見るな、の一言で片付けるのは。
さすがにあんまりじゃないですか。

・・・ま、僕は別にどーだっていいんだけどね！
映画も、映画館には行かないまでも、DVDレンタルくらいでは見るかも！
だったらこの長文は何なんだよ、と思うけども。
まぁ、いち意見として。

魔女百。

魔女と百騎兵、追加情報きたあああ！

・・・とはいえ、それほど重要な更新はなかったような。
既存の情報に、SSが付いたくらいのものでしたね。

でも、俄然気になるぜ。
アイテムは百騎兵が胃の中に収める、とか。
そういう世界観がなかなかいい感じ。
インベントリの形が胃袋そのものだったしな！
芸が細かい。

しかし、依然「ドラゴンズクラウン」とどっちを買うかは迷っています。
オンラインがあるドラクラを先に買ってやるべきか。
もともと目をつけていた魔女百を先にこなすべきか。
迷うのぅ・・・。

どっちにしても、今不足しているコンシューマでのハクスラ成分を
補ってくれそうなので、楽しみにしているのです。
期待していいんだよね？　ハクスラ部分。
そこがダメだったら、どうしようもないぜ？
個人的に。

発売日はいずれも７月２５日。
動画だ、とにかく動画をよこせ。