シンガーの10年前のコンピューターミシンの修理を承りました。
上糸がどこかに引っかかる感じで糸調子が出ないと言う事でした。
このミシンの糸掛けは少し変わっています。
パッと見た感じだと↓の線に沿って糸掛けをすると思うのですが・・・
このミシンは正面カバーの蓋を開けて上糸が寄り道する感じに成っちゃいます。
糸掛けが複雑だからと言う訳でも無いでしょうが、正しく糸掛けがされない状態で使用していたため、糸道ガイドの何か所かに、上糸を擦りつづけてしまったことによる切込みが入ってしまっていました。
(あ、爪が延びてる(笑))
ここに糸が引っかかって綺麗に糸が流れない為に糸調子が出ません。
上糸がつった状態で縫わされてしまいます。
修理自体は傷ついたパーツを交換すれば簡単なのですが、このシンガーを作っていたメーカーが今は有りませんのでパーツが手に入りません。
傷をやすりで削って補修して対応します。
パーツを外す為に本体正面カバーも外します。
ついでに内部の埃を取り除いて、各可動部にも注油します。
傷を研磨して糸が当たっても滑らかに流れるようにします。
深く切り込み傷が入ってしまったところにはアルミテープを張って補強します。
パテなどで補修するよりアルミテープの方が再び傷が付くことも少なくしっかり補修できたと思います。
糸道の複雑なミシンは、糸掛けの後に正しく糸が掛かっているか確認することも大事ですな。