ピアッジョP.180はデザインこそイタリアでスタートしましたが、製造にはシコルスキー社が関わっていましたし、アメリカでの販売を成功させるためにリアジェット社とは共同開発と販売の契約も数年間ではありますが結ばれていましたから、エンジンを含めもはやイタリア一国で完成に至ったメイド・イン・イタリーではなくグローバルな機体と言えます。そこへもってきて同時期に同じ様なコンセプトでビーチクラフト社が開発を進めていたわけです。特異な形態のビジネス機がそれほど売れるとは思われませんし、ここはスターシップの一人勝ち?を想像するのですが現実はその逆で、P-180は2006年までに100機が販売されましたが、スターシップは53機が製造されましたが、販売されたのは数機という結果に終わってしまいました。莫大な開発費と引き替えに機体コストは上昇し、販売価格は390万ドル(1889年当時)にもなってしまい、ジェットエンジンのセスナ・サイテーションやリアジェット31と同価格になってしまいました。性能においてもサイテーションより165キロも遅く、リアジェットより230キロも劣っていました。同じクラスのターボプロップ機であるパイパー・シャイアンが290万ドルですから営業的にはどう見たって勝ち目はありませんよね。「スタイルが美しいから買おう!」というにはちょっと高い買い物ですし・・・ちなみにP.180の737kmに対してスターシップの620kmでここでも惨敗、P.180の高翼面荷重?にはかないません。
ピアッジョ社と言えばスクーターの「ベスパ」が有名ですが、スーパーカブ全盛の頃一番欲しかったスクーターです。「ラビット」じゃなくて「ベスパ」なんです、でも高かった・・・
もう一つ、ピアジョとくれば水上スキーを履いたピアッジョ・ペグナPC7(1929)。ノーズが異常に長くてプロペラとスクリューを持つレーサーですが、モデルビルダー誌にピーナッツ図面が出た頃、これにピーナッツで挑戦した羽村市在住のHさんがいました。凝りすぎて?ちょっと重めでしたが「出来」は素晴らしかった。彼の名言に「この胴体さー、曲面出したかったからストリンガー入れすぎてさー、ストリンガーとストリンガーの間にストリンガーが入らねェーんだよ・・・。」
プランクしろよ・・・
Olympus E-300 40-150mm F3.5-4.5