どうして吉野の山に来てしまったんだろう?
最初の予定は確か名阪国道を西へ天理を抜け、橿原市をかすめて169号を南下し、吉野川を渡ったらあの309号に入って吉野路黒滝の道の駅で仮眠、そして早朝天川村を越えたら恐怖の山岳ルートを攻め、既に冬季通行止めになっている所へ車を止め、そこから行者還(ぎょうじゃがえり)トンネル近くの登山口まで歩き、弥山(みせん)、八経ヶ岳へ登る予定だったはず。
しかし午前6時、車の中では寒さで一睡も出来ず、そのまま走り出したのは良いけれど何か走りがおかしい、滑ってる・・・天川村を越え川沿いの細い道に入るとシャーベットからアイスバーンになり、フォークリフトのようにお尻を振って進む。標高は1,000メートル近いけれどここからは傾斜の少ない道なので前に進まないってことはない、ただ真っ直ぐ走らないだけ。危険を顧みず進むのもね、川に落ちたら冷たいし、少し戻って車を置いて歩こうか考える。でも地図上ではまだ6キロ以上あるんだ!凍った道を歩けば2時間、それから登山口に取り付き、雪かきしながら登ると・・・かなり厳しい事は事実。
こんな時はすぐに撤退! そうだ暖かい吉野に行こう! ここから僅か30キロ! いま桜は咲いてないけど、美味しい物はいっぱい食える! 温泉もある!軟弱な心はピッケルやヘルメットやアイゼンをフル装備でパッキングしたザックを車に置き、小さなサブ・ザックにお茶とお菓子を入れて歩くことを選択! イサギヨイ決断!
ってことで・・・世界遺産「吉野」
あの凍てつく寒さは何処へ? 直線距離だったら20キロ程しか離れていない山なのに。吉野下千本の駐車場は陽も登り天国のよう。ここから奥千本にある金峯(きんぷ)神社までの6.5キロ、往復13キロをゆっくり歩く観光登山?いやハイキング。
蔵王堂へは一番乗り!最初のお線香!これって良いこと、それとも?
標高差はどれ位あるのか・・・でもこの際、考えず歩こう!
もちろん此処だって雪は少し残ってる、でも歩いていれば寒くない。
金峯(きんぷ)神社に到着、さすがに少し冷えるかな・・・
快適な山歩きでした。今度は桜の咲く頃に・・・って、たぶん来ない! 人でいっぱいですもの!