映画日記(ためし)

映画の印象を、悪い、ふつう、よい、の三段階で表現したいと思います。
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『輝ける女たち』

2008年07月07日 | Weblog
よい

ティエリー・クリファ 監督
ジェラール・ランヴァン、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、ミュウ=ミュウ、ジェラルディン・ペラス、ミヒャエル・コーエン、クロード・ブラッスール、ヴァレリー・ルメルシェ、ピエリック・リリュ、クレール・モーリエ、ジル・ルルーシュ 出演

南仏ニースのキャバレー“青いオウム”のオーナー、ガブリエルが急逝し、離れ離れに暮らす家族が久々に顔を合わせる。遺言により店は、かつて一世を風靡した人気マジシャンで息子同然に育てられたニッキーを飛び越え、その子どもであるニノとマリアンヌの異母兄妹に譲られることになる。子どもたちとも元妻たちともしっくりいかず、遺産相続からもはじかれたニッキーの寂しい心は美しい歌姫レアに向かうのだが…。

古いキャバレーの存続と、オーナー一家の話。コメディ要素もある。

さすがフランス、「血縁関係」が複雑すぎる(笑)。

個が確立している人々の「自分」の通し方と、それぞれの過去の秘密がじわじわと(ときにショッキングにときにコミカルに)あらわになるところが見もの。

ジェラルディン・ペラスが自分の家系の血を止めたいとして子どもをつくらないのだが、後半やっていることは「アバズレ」行為(笑)。

最後にニッキーが着ていた衣装が、ガブリエルが自殺した夜の衣装と同じなのが気になった。

『マラノーチェ』

2008年07月07日 | Weblog
ふつう

ガス・ヴァン・サント 監督
ティム・ストリーター、ダグ・クーヤティ、サム・ダウニー、ナイラ・マッカーシー、レイ・モンジュ、ロバート・リー・ピッチリン 出演

ポートランドの小さな食料品店で働くウォルトは、メキシコ系の不法移民ジョニーに出会い、たちまち野性的な美しさを持つ彼の虜となる。しかしジョニーはスペイン語しか話せず、うまくコミュニケーションできないうえ、ゲイであるウォルトを受け入れようとしない。それでもウォルトは、ジョニーの仲間の面倒までみたり、お金を渡したりして、なんとかジョニーを自分のものにしようとする。そんな中、ジョニーが姿を消してしまう…。

ガス・ヴァン・サントの最近の作品にしては……と思っていたが、これが1985年製作のデビュー作であった。

不理解もしくは相互理解の難しさがメインテーマであろうことはわかるのだが、それが作品のおもしろさとは結びついていない。

ホモであれ、ヘテロであれ、出会う、恋に落ちる、口説く、いちゃつく、やる、別れるといった恋愛の手順やそのときの心理状況は似ているのかもしれないと思った。
しかし、どうやら主人公が専門用語で「受け」、レズ用語で「ネコ」の立場なのでいまひとつわかりにくい。
その恋愛手順のなかで、口説くの部分と別れるの部分はいかにもアメリカ的というか、雑というか、ドライである(笑)。

マラノーチェとはスペイン語で「最悪な夜」という意味らしい。作品中に出てくる。

唯一のセックスシーン(ゲイの)のときの音が蒸気機関車というのは、どうも……。