”ICUスタッフのための人工呼吸ケア”刊行されました。
http://www.medica.co.jp/catalog/book/4595?e_flg=0
4つの人工呼吸管理症例(肺炎・敗血症性ショック、ARDS、COPD、術後呼吸不全)に沿って、医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、薬剤師が、何を見るか、どう動くかを対話形式で解説しました。
ご評価いただければさいわいです。
以下、まえがきの抜粋
はじめに―強いチームとは
ICU,救急病棟,急性期病棟では,重症患者診療にナース,医師,臨床工学技士,薬剤師,理学療法士を含めて多くの職種が関わっています.人間関係が良好で治るべき患者さんが治り,患者さんに害が及ばなければ“良いチーム”と呼べるでしょう.しかし,もしチーム内の各職種が他職種の仕事に無関心でお互いの尊敬もなく,「○○は××の仕事だから関係ない」という気持ちでいたら,強いチームとは呼べないのではないでしょうか.強いチームとは,他職種を「自分ができないこんな素晴らしいことができるんだ」と素直に尊敬し,お互いのやることや考えていることに関心があって,足りないところがあればカバーすることができるチームだと思います.
本書では,呼吸療法を中心に,重症患者管理全般に関して毎日の診療の中で比較的よく出くわす場面を設定し,私が医師,ナース,臨床工学技士,薬剤師,理学療法士の各執筆者と対話する中で,それぞれの職種がどう考え,どう対応するかを語ってもらいました.読者の皆さんは,そのような対話を読み進んでいくうちに他職種の頭の中を覗くことができ,強いチームメンバーになるための基礎知識を得ることができるはずです.そして「自分は知らなかったけどこういうことを考えていたんだ」と気づき,自分のやっている看護や診療の意味がより深くわかるようになるはずです.自分もこの本を作りながら,ナースはチームの中で患者さんに接する時間が最も長く,その観察や看護から得られる情報を十分に活かすことが大切であることを再認識しました.
“強い重症患者診療チーム”のメンバーになりたいと思うナース,医師,臨床工学技士,薬剤師,理学療法士の皆さん,どうか手にとって読んでみてください.