東京地裁平成16(ワ)7146
JOCから大和観光に対する仮払金返還請求事件です。
大和観光の主張は、本件臨界事故の後、一定期間、事故現場付近の住民が外出を控えたため、売上げが減少したから、原賠法に基づく損害賠償請求権があるというものです。
本判決は、本件臨界事故以前から、売上げが減少傾向にあること、本件臨界事故の直後に売上げが減少し、その後回復するというような本件臨界事故の影響をうかがわせる経緯がないこと、を理由に、条件関係(事実的因果関係)を否定しました。
この点、本件判決も示唆するように、屋内退避勧告地域と商圏の重なり合いを主張立証すれば、条件関係が肯定された可能性は否定できません。
本判決は、今回の原発事故に伴う避難勧告・屋内退避勧告による損害の立証方法に関して貴重な教訓を与えるものです。
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