1 平成24年(行ケ)第10121号審決取消請求事件
2 本件は、拒絶査定不服審判不成立審決に対する取消を求めるものです。
3 本件の主たる争点は容易想到性の有無です。
4 本判決は、明細書等の記載を認定の上、「甲6発明における前記課題を解決するために,甲6発明におけるカップリングによる連結よりも強固な固着手段として,甲6発明に甲7及び甲8に記載される上記構成を採用することは,当業者が容易に想到し得たことである」と述べ、さらに、「その際,「一方の軸部材」及び「他方の軸部材」のどちら側に円筒状突起を設け,どちら側に該円筒状突起が嵌合する円筒状の穴を設けるかは,材料の特性,費用対効果,接合体の用途などを総合的に考慮しつつ,それぞれの軸に最適の材質と形状・構造等を選択することにより,当業者が適宜なし得る設計変更の範囲内の事項にすぎない」ことから、「甲6に開示される一軸アクチュエータの「モータ出力軸」と「ボールネジ」は,同一材料に限定されるものではないこと,両者には,それぞれ異なった課題が存在することからすれば,両者を異なる材料で構成する動機付けが存すると認められ,また,円筒状突起と穴を両者のいずれに設けるかは,適宜選択される事項と認められるから,甲6発明に甲7発明及び甲8発明を組み合わせることに障害はない」と判断しました。
5 本判決は、設計事項であることを理由として容易想到性を否定した例として参考になります。
以上
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