知的財産研究室

弁護士高橋淳のブロクです。最高裁HPに掲載される最新判例等の知財に関する話題を取り上げます。

パチスロ機審取

2011-12-14 18:50:09 | 最新知財裁判例

パチスロ機審取

平成23年(行ケ)第10161号 審決取消請求事件

請求棄却

裁判所の判断は24ページ以下。

本件は拒絶査定不服審判不成立審決に対して取消を求めるものです。

争点は容易想到性です。

本判決は、まず、「引用発明の遊技機は遊技店に設置されるスロットマシン等である遊技装置(甲1の段落【0001】,【0007】)であり,スピーカからBB効果音を発生するのであるから,甲11記載の技術と同様に,入賞態様に応じて発せられる音による場内の騒音が増大しないようにすることが求められるものである。してみると,引用発明において甲11記載の技術を適用して,遊技状態が特定の入賞態様にある場合に,遊技者が手を離したタイミングで発せられる信号を受信した非遊技状態監視用タイマが非遊技状態を所定時間計時したときに出音制御手段が効果音の音量を下げ又は消音するように構成することは,当業者が容易になし得たことというべきであると判断しました。

本判決は、さらに、原告の主張に対する説明として、「甲11記載の技術は,遊技操作終了後の遊戯板面を転球する打球が残っていないことを検出してデモンストレーションや消音等を行うものではなく,場内の騒音が増大しないことが求められるにもかかわらず遊技者が手を離してから所定時間計時するまでの一定の期間内は遊技中と同様にデモンストレーションや消音等を行わないものであるから,パチンコ機特有の課題に基づく構成であるということはできず,パチスロ機にも適用可能なものである」と判断しました。

引用発明の課題について、引用例の記載ではなく、引用発明の遊戯装置が「スピーカからBB効果音を発生するのである」ことから認定している点が参考になります。


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