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「すぶくれ饅頭が美味しかったこと前編」、故郷大村で、幼児の頃の思い出

2022-01-15 09:00:00 | エッセー

今回は詩吟から離れて。

亡くなった母の一連の法要の為、故郷大村で約2ヶ月過ごした。

久しぶりの墓参りで、幼児の頃、祖母が作ってくれたすぶくれ饅頭を思い出した。

「すぶくれ饅頭が美味しかったこと」として纏めてみました。先ずは前編。

 レシピ見ながら女房手製のすぶくれ饅頭

 

 「はよこんね、すぶくれふけたけん、おいしかよ、食べんしゃい」

(早くおいで、すぶくれ蒸れたから、美味しいよ、食べて)、

約70年前の懐かしい長崎県大村市祖母の声である。

小学生低学年の夏休みを母の実家で過ごした。

祖母の家では少し年上の叔父、叔母に終日遊んでもらった。

更に近所の同い年の幼馴染も遊びに来た。

近所といっても隣家は数百メートル離れている山あいである。

5,6人で釣りや泳ぎ等川・堤で遊んでいたが、何かのきっかけで

幼馴染と取っ組み合いの喧嘩になった。

たんこぶやひっかき傷があちこち出来た様だ。

そんな時祖母の呼ぶ声、当時「おやつ」の習慣があったかどうか?

外で食べるものは川で捕まえたハゼやエビを焼き、

アケビ、野イチゴ等体中にあざ作りながらのご馳走だった。

子供仲間の内には、火やモリの使い方、食べれる・食べれないものの違いを

教えてくれる上級生が必ず居て、叔父がその役割だった。

そんな中での祖母の饅頭。

「ばあちゃん、うまかあ!!」あんこも何も入ってないのに、とてもおいしい。

祖母はお菓子作りの神様と思った。

喧嘩していた幼馴染とはいつの間にか縁側で笑いながら一緒に食べていた。

山あいの遊びは初めてづくし、きっと私が我を通していたと思う。

祖母はそれが分かっていたのだろう。

喧嘩やこぶ・傷は気にならず、

仲直りして「もっと食べたかあ」と声を張り上げていた。

前編はここまで、以下次週に続きます。

 

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