「すき家」の過重労働問題 について、第三者委員会が7月31日付で
「調査報告書」を発表したと言う。
これに関して産経新聞Web版が結構長い論評記事を掲載していたので
ご紹介する。
また、その引用の後ろに、「調査報告書」へのリンクを示す。
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「すき家」報告書が波紋、ブラック批判で片付かない社会のゆがみ
(産経新聞) - 2014年8月9日(土)21:07
牛丼チェーン「すき家」の過重労働問題をめぐり、第三者委員会が発表した調査報告書が波紋を広げている。月500時間労働といった衝撃的な実態に批判の声が目立つ一方で、日本社会の病弊として考察したり、ライバル「吉野家」との比較など冷静な分析も。表層的なブラック企業批判を超えた議論が、この問題を通じて行われているようだ。
Q「恒常的に長時間労働が生じていた」
A「自分も、月500時間働いてきた。クルーも同じくらい働いていた」
Q「(店員が)どれくらいまで耐えられると思っているのか。正直、全員が耐えられるとは思えない」
A「自分たちの方がしんどかったという自負はある」
これは、複数の経営幹部が第三者委の聞き取り調査に対して答えた内容だ。「月500時間労働」「店舗勤務歴のある社員の大半が24時間連続勤務を経験」…。7月31日、調査報告書が「すき家」を展開するゼンショーホールディングスの公式サイトに掲載されると、その衝撃はネットを駆け巡った。
◆現代の「蟹工船」?
調査書について、ネットの大多数は「現代の『蟹工船(かにこうせん)』か『女工哀史(じょこうあいし)』」(ツイッター)と批判した。
特に多かったのが、「月500時間労働」を経験した経営幹部らが、部下の働きぶりを「レベルが低い」「自分たちの方がしんどかった」と話していることへの批判だ。「自分が過去に経験したからといって、従業員に同じ働き方を強要するな」「体罰を受けてきた人が大人になって体罰を与えるのと同じ」(同)
中には「自社の恥部をここまで公表したということは自浄能力が残っているということ」(同)などと評価する声もあったものの、「この史料は『ブラック企業史』の研究に欠かせないものになる」(匿名掲示板)と厳しい声が相次いだ。
◆美徳を悪用するな
ただ、今回はブラック企業というレッテル貼りだけでなく、外食産業や日本の社会構造といった俯瞰(ふかん)した視点からの意見も目立っている。
「今の日本の飲食店は、構造的に法を犯さないとやっていけない」「昔、月400時間働いていて年2回しか休みがなかった。ブラック企業のさらに上の企業なんて他にいっぱいある」と“氷山の一角”にすぎないとする指摘や、「高校野球での連投」や「『島耕作』(弘兼憲史さんの漫画)のような働き方」が称賛される日本社会の根底にある「猛烈な働き方を美徳とする土壌を、一部の人間に悪用されない仕組み作りが必要だ」という主張も。
このほか、あるツイッターユーザーは吉野家の「牛すき鍋膳」が成功した一方で、すき家が今春「牛すき鍋定食」を始めた結果、アルバイトの離職や店舗閉店が相次いだと分析。「社内で議論を重ね、什器(じゅうき)の専門化やキッチンの対応強化など万全の体制で挑んだ」吉野家と、「やればできる」という上層部の成功体験から「できないことに挑んでしまった」すき家とを、経営姿勢の観点から比較、分析している。
ゼンショーは深夜の1人勤務の解消など、問題の改善に動いている。「牛丼がこんなに安く食べられるのは、裏で店員さんの犠牲があるからだ」。あるネットユーザーの書き込みは真理を突いているが、その常態化は許されないだろう。(本)
【用語解説】「牛丼戦争」
吉野家、松屋、すき家の「御三家」を中心として繰り広げられてきた牛丼業界の値下げ競争。平成12年に初めて本格化し、BSE問題や原材料費の高騰を受けて一時値上がりしたが、21年から再び激化した。並盛りの価格は、消費増税で20円値上げした吉野家が300円、松屋は290円、すき家は一時10円値下げしたものの、今月27日から21円値上げして291円になる。
「すき家」職場環境改善に向けた取り組み
ゼンショー ZENSHO ‐ 2014年7月31日(木)
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