佐々岡監督の就任2年目のシーズンは、前半戦に戦力が整わず大きく躓き、後半戦に驚異的な巻き替えしを見せて3位に2ゲーム差まで詰め寄るも、63勝68敗12分けの4位に終わってしまいました。
チームとしては、開幕から新人の栗林が守護神として完璧な投球を続け、森浦と大道も好投してリリーフ不足の課題が解消しましたが、打線は期待の新外国人クロンの状態が上がらないなど得点力不足に苦しみ、苦戦を強いられていたところに、エース大瀬良の故障や正捕手會澤のコンディション不良による離脱、更には新型コロナの集団感染が起こり、投打の主力を欠いた状態で臨んだ交流戦は3勝12敗3分と失速してしまい、代わりに出場機会を得た林や玉村、さらに小園らの若手がレギュラーやローテに定着して奮闘するも、前半戦を借金12の5位で終えました。
五輪期間を挟んだ後半戦は9月に鈴木誠が13本塁打を放つなど覚醒し、さらに1番に野間や宇草、2番小園、5番坂倉が定着して機能したことで得点力が向上して、投手陣も大瀬良、九里、森下の3本柱に床田と玉村の左腕2人が定着し、島内、森浦、ケムナがセットアッパーとして機能したことで不安定だったリリーフ陣が安定して、投打の歯車ががっちりとかみ合い3位巨人を猛追しましたが、最後はもう一歩及びませんでしたが、後半戦の戦いは、投打とも若手が台頭して、勝利を重ねていたことから、来季に向けて大きな期待を抱かせてくれました。
今季は外国人選手で活躍したのはコルニエルだけという状態で、ほとんど機能しておらず、補強に失敗したことが、第一の大きな誤算となりました。さらに新型コロナの集団感染の影響を受けてまともに戦力が整わない状況に陥り、この間の失速を挽回することができませんでした。
しかし、栗林を始め森浦と大道の3人の新人投手は来季に向けて十分戦力になることが分かり、復調した床田、主力が離脱した間にチャンスを得た玉村と高橋昂が後半戦は来季に繋げる投球をしました。
一方で野手では小園と林が急成長し、坂倉も打撃が開花して鈴木誠と首位打者を争うまで成長しました。さらに終盤には宇草が1番への適性を感じさせる働きをしており、投打とも来季に大きな期待を抱かせる若手が出てきました。
もちろん、期待ばかりではなく、不安要素もあり、来季は鈴木誠がメジャー移籍する可能性が高く、打線の軸を欠くことになり、この穴を埋めるのは簡単ではありません。もちろん新外国人のマクブルームが相応の活躍をしてくれれば、一番良いのですが、鈴木誠と同じような活躍を期待するのは厳しいと思うので、誰か一人に期待するのではなく、野手全員で補っていくしかありません。
鈴木誠の穴を如何に埋めることができるかが、来季の唯一の課題であり、若手の活躍はもちろん、長野や松山らのベテラン、堂林や野間らの中堅が奮起して活躍しないといけないと思います。さらには佐々岡監督の采配も重要になってくると思われますので、攻撃面でサポートする東出野手総合コーチの力も重要になってきそうです。
来季は佐々岡監督も勝負の3年目となります。監督の掲げるチーム一丸となって戦うことができれば、リーグ制覇も無理ではないと思います。佐々岡野球の集大成を見せてほしいですね。
本年も1年間お付き合いいただきましてありがとうございました。皆様も良いお年をお迎えください。