新井新監督が就任して臨んだシーズンは、まずチーム改革として選手の意識改革に取り組み、投打とも個々の選手の力を引き出すことに成功して、島内や羽月らが能力を発揮して貴重な戦力となる一方で、田中や中崎らの中堅からベテランも復活して、チームの戦力アップに成功するとともに、選手を信じた大胆な采配で戦力を最大限に活かしました。
開幕直後こそ躓いたものの、その後はエース大瀬良の故障離脱、守護神栗林の不調・故障離脱などがありながらも、代わりの選手がカバーしてチーム一丸で戦って白星を重ね、7月末には一時首位に浮上するなど、8月中旬まで阪神との首位争いを繰り広げました。
8月中旬以降は秋山、西川、菊池らの主力に故障離脱が相次ぎ、さらに矢崎や床田らの開幕から奮闘した投手陣にも疲労の影響が出てチームは失速して首位争いから脱落してしまいましたが、74勝65敗4分で2位を死守して5年ぶりのAクラスに入りを果たしました。
投手陣では、大瀬良がコンディション不良で本来の投球ができず苦しみ、一時離脱もありましたが、床田が開幕から安定した投球を続けて先発陣を牽引すると、リリーフでは栗林も不調に故障も重なってしまう大ピンチでしたが、代わりに矢崎が守護神としての役割を十分に果たすとともに、島内がセットアッパーに定着し、さらにターリー、大道、中崎らも好投を続けたことで試合終盤の継投が安定して、チームは白星を重ねることができました。
来季に向けてはドラフトで大学No.1の常廣をはじめ、4人の即戦力投手を欠くとしているので、さらに投手陣が充実することは間違いないと思います。
野手では坂倉が捕手に専念したことの成否が、チーム成績に直結すると思っていたので、新井監督の一番大きな改革と言えます。シーズン序盤こそ捕手としてリードや捕球で苦心して、その影響が打撃にも出てしまい、投打で苦労しましたが、予想以上に成長が早く、シーズン中盤以降は攻守で貢献してチームの躍進を支えました。しかし、シーズン終盤はスタメンマスクを會澤に譲ることが増えるなど、まだ課題は残っていますが、今季の経験は必ず来季に活きるはずなので、来季は強打の捕手として正捕手の座を確固たるものとし、新井カープを支える選手になると思います。
また、今季は小園もシーズン序盤の不振による2軍降格を乗り越えて、精神的に一回り成長したことから、来季は坂倉と小園がチームを牽引する存在になると思います。
来季に向けては、西川がFA移籍したことによる戦力低下が懸念されますが、今季終盤に末包や田村が成長の証を見せて来季への期待を持たせてくれたので、新井監督の手腕でレギュラーとしてブレイクする可能性は十分にあると思います。
昨年の今頃は、新井監督が就任して来季への期待ばかりでしたが、今季は低い下馬評を覆して2位に躍進した実績に、若手の成長や即戦力投手の獲得とさらなる戦力アップもあり、今年は期待だけではなく、リーグ制覇できるという確信もあります。
来季は6年ぶりのリーグ制覇、そして念願の日本一を成し遂げてくれるはずですね。
本年も1年間お付き合いいただきましてありがとうございました。皆様も良いお年をお迎えください。