ウォーホール左派

今日も作詩、明日もまた、本格詩人のブログ。

渓谷に乾いた音がひびく

2007-05-22 19:45:47 | Weblog
春の水を取り
渓流に足を浸すと

新緑の夏は 
そっと 足元を潤す
木漏れ日の交響を 響かせて

汗 拭く 額は生きつづけた

未だ来ぬ 時を
遡行する 魚にたとえ
君は詩を 夢見て

森の木々のざわめきに
大空の母の指先を見て

渓流を静かに 登る

ささやき続ける 山 谷

輝いている 緑

  それは私とあなたの
  大腿骨を摺り合わせたような音
  カーン カーンと
  静寂にそそり立つ
  鳥たちのさえずり
  カーン カーンと
  私とあなたは息を合わす
  これが 人間の音

風に森は ざわめき
渓谷は さざめき
骨を摺り合わす

流れる 
白い音響は続く

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片鱗

2007-05-22 09:56:44 | Weblog
境界のあやふやな 一日は
爪の間から 鱗が生えてしまう

空をつかむ その指には
退行の刻印のニキビ跡

 夕暮を透かして 茜色
 山の稜線が
 青く 遠のく
 空に雲は置かれ 

その手先から
歪んだ片鱗の光が
焦点を狂わす
結ばれぬ 像
デフォルメされた
体 心

半端な 一日は
鱗が生えて

じめじめした所が恋しくなる
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