蜜蜜しい 月の光に
浮かび上がってくる
接木された果樹
いまだ 若々しく 細い幹
その端端がしなり
たわわに実る 赤
林檎の熟れた香りが
そっと 夢に漂い
若木ばかりの果樹園
夢幻のほのめき立っている 場所に
密かに 佇み
夢 そして 淡いうつつ
林檎の実が実っている
まるで この文明の所産のよう
人生に四季がある
芽生え 花 果実 落ち葉
林檎は実る
結果が結ばれて
文明の爛熟 若々しい
熟れた果実 接木の果樹園
若木ばかりの 初々しい勢い
人は影響されて
爛熟の果実の原因
若々しい接木の果樹
木々は民衆
果実は所産
蜜蜜しい香りの熟れた果実は
若々しい民衆の若木が宿した
文明の華々しい 風景は
この黒く透明な
初々しい若木の結果