「気」の自然観・瞑想法・占術
歴代の書物の中には「方技伝」「方術伝」と呼ばれる伝記があり、
医術をはじめ、占い師や音楽家、大砲づくりの名人、天文学者、
建築家は、すべて術数家の伝記に記載されています。非常に大
ざっぱにいえば、術数家のうち、身体の気を操作して身体を治す
人が「医者」であり、天の気を操作して未来を予知する人が
「天文家」です。音声をうまく整えることができる人は「音楽家」
というわけです。
いってみれば、こういう人たちはみな「マジシャン」=呪術者です。
ですから、国家としては、こういうマジシャンたちを民間において
おくと何をしでかすかわからないので、体制に組み込もうとしました。
民間で暦をもつことを禁じられたのはもちろんですが、中でも天文家は
特に厳しく監視され、易占に長じた者は朝廷で仕事をするように命じられ
ました。『響きあう身体』坂出祥伸著