釣りにとって、風は難敵。
仕掛けは流されるし、船は安定しないし、寒いし、やる気を削がれる。
「良い事は殆ど無い」と、言って良いくらいだ。
そんな難敵と、色々な工夫を凝らして、頑張って頂きました。
かめや釣具宮崎店(神宮)の岡本さん、真田さん、狭間さんの御三方。
北東の風が強くなり始めるまでの、僅かなチャンスを物にする。
岡本さんは鯛ラバ、狭間さんは一つテンヤ、真田さんはライトジギングと、三人三様の仕掛け。
最初のアタリは、狭間さんに来た。
軽い仕掛けで、我慢の底取り。
「カサゴでした」と、笑顔でポーズ。
2度目の流しで、大物を当てたのが真田さん。
魚探に、良い感じのベイトボールが出てきた。
「ここを流すようにしますね」
思いがヒットに繋がると、嬉しさで気持ちが高鳴る。
「来ました。結構引きますね」
ドラグ音が鳴り、楽しいやり取りが始まる。
慎重にやり取りしながら、獲物を浮かす。
「見えました。ブリです」
無事にタモ入れして、祝福の握手。
嬉しさの余り、計測を飛び越して、血抜きの処理をしてしまった。
目測90センチ超のブリ。
体側に魚体の重さで、タモの編み目が付いていた。
北東の風が一段と強くなって、白波が立ち始めた。
予測では、10時過ぎくらいまでは、風速は3メートルの筈なのだが…。
岡本さんも、何らかのアタリを捕らえた。
しかし、獲物は歯のある物のようだった。
針が見事に、切られていた。
真田さんも、リーダーが切られた。
「タチウオか、サゴシかだろうな」
こんな時の仕掛けの作り直しは、大きなロスタイムになってしまう。
仕掛けのホール中に、真田さんにアタリが来た。
ヨコワがヒットしてきた。
「逃がしますね」
本来ならそうするのだが、エラから血が出ていた。
益々、強くなる風に、苦悩する。
昼前に、風浦になる内場に入る。
狭間さんに、大きなアタリが来た。
竿先が、海面に突き刺さるアタリ。
しかし、針がすっぽ抜けた。
「針に充分掛かったと、思ったけどな…」
北東の強風に内場に、避難している船も多かった。
「口惜しいけれど、出直しましょう」
次回に期待して、納竿とした。