6月21日、梅雨の晴れ間は貴重だ。この日も家人をクリニックに送り届け、診療時間を見計らって稲荷山公園北斜面付近をブラ散歩。
先日、訪れた折には、重機を入れ盛んに大きな木を伐採していた。多分、ナラ枯れ対策なのだろうと思ったが、林縁にはコアジサイやオトコヨウゾメなどの灌木が見られたのだが。
う~んっ、伐採木を切り出した跡なのか、相当な範囲で林縁の土がさらけ出されてた状態のままになっている。その辺りにあったはずのコアジサイやオトコヨウゾメなどが跡形もなく消えていた。当然のように、造園業者が伐採したのだろうし、周辺の木を見ればどんな種類かなんてわかりそうなものなのになぁ。発注した側にも問題があるのかな。何が、どこに植わっているなんてことチェックしてないのかしら。
そんなことなど知ってか知らずか、すぐ近くのオカトラノオ(サクラソウ科オカトラノオ属の多年草)は、いまを盛りと咲いていた。
ねぇ、オカトラノオよ、君はもうあのコアジサイやオトコヨウゾメたちと相見えることはないのだよ。今年見た花、そしてあの樹形、見納めとなってしまったね。
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📷2022年6月21日:このオカトラノオを見ると、いつも思い出す景色が・・・。
「トラノオの名前の付くものには、ハルトラノオ、エチゴトラノオ、イブキトラノオ、ムカゴトラノオ、 ルリトラノオ、 ヤナギトラノオ、 ハナトラノオ、ヒメルリトラノオ、ヒメトラノオ、ヤマルリトラノオ、ノジトラノオ、トラノオノキ、トラノオスズカケ、ヒマラヤトラノオなど種類が多い」
「四季の山野草」さんのページには、上記のように記されている。 名前の由来は、ご存じの通り、その総状花序、すなわち穂状の花が横にたなびく様を虎の尾に見立てたのだという。
僕はちょっと違う。この花を見ると、2006年トリノオリンピックの金メダリスト・荒川静香のイナバウアーを思い出す。彼女の見事な反り返り具合、オカトラノオもかくやあらむ 笑
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📷2022年6月21日:昔、ホタルブクロの同定は萼裂片を見よとご教示頂いた。どう、どっちかわかる?
カタクリの自生地として有名な、所謂北斜面を左に見て、住宅街へと続く階段を登る。この右手に、先ほど来話してきた林が広がっている。ブルーの紫陽花がいく株か続くその根元、そこにホタルブクロが一株だけ咲いていた。じっくりと萼裂片を見る。これはヤマホタルブクロかな。山勘だけど。。。
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📷2022年6月21日:なんて美味そうな実なんだろう! コウゾの実は美味いと聞く。ただ、いまだかつて口へと運ぶ機会がない。
赤いドットが頭上で明滅した。おっ、キイチゴのような丸い実が、若草色の葉と一緒に踊っている。
これは、クワ科コウゾ属(カジノキ属)の落葉広葉低木で、ヒメコウゾとカジノキの雑種とされるコウゾ(楮)ではなかろうか。いい色で、とても美味そうだ。
あっ、摘まみ食いはしてないよ。手が届かなかったから 笑
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📷2022年6月21日:アカメガシワとの共演! 赤と黄色の鬩ぎ合い。
数段登ると、頭上はアカメガシワの花で満たされていた。その狭間から、例のコウゾの実が、人恋しそうに視線を飛ばしてくる。
その視線に射られそうで、早々とその場を後にした。そう、もう、そろそろ診療も終わった頃だろう。クリニックへと急ぐ。