街中は、クリスマスのイルミネーションが美しい。
クリスマスにワクワクしたのは20代まで。あっ、こどもが生まれてから少し
盛り上がりましたっけ。
生まれ育った下町の町内に、小さな教会がありました。
クリスマスの催しは、毎年とても凝っていて、どこからか白人のサンタさんが現れ
子ども達の欲しいものが、ちゃんと手渡されました。サンタさんが本当は何者なのか
何故、子ども達の欲しいものを知っているのか子供心に疑問でした。
きっと、事前に親たちと連絡がとれていて、白人の牧師さんが、その日は大忙し
アチコチかりだされていたのでしょう。
もみの木は本物で、金銀、赤や緑のモールに星がちりばめられ、それはそれはきれいで
幸せの象徴のようでした。
でも、わたしは日曜礼拝に通う子どもではありませんでした。教会はいつもいつも
門が開いていて、友達に誘われ学校の帰り道よくお御堂で遊びました。賛美歌を歌いに
時々は日曜日に出かけ、口パクの「ニワカ信者」でしたが、教会の雰囲気は好きでした
商店の家の子ども達は、親が忙しく、なかなか構ってもらえません。
牧師さんたちはさりげなく子ども達に声をかけ、帰宅時間に注意をはらってくれました
ささやかな献金でなりたっていたと思われるのですが、豊かな愛情を注いでくれました
クリスチャンではありませんが、クリスマスになると、私はいつも古いオルガンと、表
紙のほつれた聖書、そしておごそかな賛美歌の調べをなつかしく思い出します。
「宗教とは?」」と問われたら、わたしは、迷わず「あの牧師さん」と答えます。