町から本屋さんが消えつつある中で、呉服屋さんも少なくなった。
着物人口が中々増えません。鎌倉でも日常に着物で過ごしている人をほとんど見かけません。
生まれ育った浅草になじみの呉服屋さんがありました。母や祖母が懇意にしていたお店で、私も時々買い物をしていました。物心ついたころからのお付き合いで女将さんは、いつまでも私を「お嬢さん」と呼んでいました。
何より私が大きくなって、着物が好きになった事を喜んでくれて、30代は一生懸命働いて自分で着物を作りました。
40代は結婚と子育てで少し着物から遠ざかり、50代のある日、閉店の案内が届きました。ご無沙汰をお詫びしたいと思いながら電話も入れないでいた私。
その頃、母の通いの介護で、私はへとへとでした。電話をしたら母のことも話さなければならない。それに、閉店のことをどう私が挨拶したらいいのか・・・。迷っている内に日にちだけがたってしまいました。
私はその後、そのおかみさんに会うことはなく、しばらくして亡くなられたことを知りました。がんでした。
早い時期に寡婦になられ、二人の男の子さんはともに会社員になり、お店は継がれませんでした。
後継者不足も大きな問題なのでしょうが、町の呉服屋さんの存続は、やはり着物を着る人が増えないことでが一番の問題と。
今思うことは、そのおかみさんが薦めてくれた着物や帯は、間違いがなかったことです。着物は二度三度仕立て直し、50年近く着ているものもあります。
フォ-マルのお席は絶対着物です。流行に左右されませんし、経済的なんです。着物、若い方がどんどん来てくれると嬉しいのですが。