有田の陶器市が3年ぶりに開かれ大変な人出とラジオで言っていた。
あれは何年前になるのだろう、夫の家の菩提寺が佐賀だった。
毎年、義父、義母はお墓参りを欠かさず、私たちは数年に1度という具合にお供した。まだハイハイがやっと、という娘を連れ、飛行機に乗った日・・・、
誰が言い出したか「有田の陶器市に寄りましょう」ということになり出かけました。
お天気にも恵まれ、目もくらむばかりの陶器の数に驚き、わくわくしながら歩き回った日。私は小鉢と花瓶を買い求めた。「家族」は一時バラバラで行動し、飛行場の待合室でお互いの戦利品を見せ合った。
義父が亡くなり、義母が亡くなり、夫も2年前にこの世を去った。みんないなくなってしまった。あの時買い求めた花瓶はどこに行ったのだろう?消えてしまった。
突然、蘇った佐賀の美しい田畑、青く澄んだ高い空、そぞろ歩いた有田の町、みんなどこも悪いところはなく、元気で笑い合っていたのに・・・。
縁があって「家族」になった。義母は料理上手で私はおせちを習った。きもの、帯を頂いた。働き者の義父は86歳まで経理の仕事をしていた。夫は・・・、
夫婦はいろいろある。夫婦は前世で敵同士だった、とよく言われる。他人同士が生活を共にすることの難しさと言ったら・・・、はい、修行です。
自分の至らなさを棚に上げて、亡き人だけを責めても何もならず、どうしてもっと言語化して、分かりあおうとしなかったのか、今、そう思えます。
いずれにしても、時は驚くほど速く過ぎ去り、人は確実に老いるのですね。
でも私、まだまだ幸せへの道を歩きますよ~!