かみなり

心臓に人工弁を、耳に補聴器をしている昭和23年生まれの団塊世代です。趣味は短歌です。日々のよしなしごとを綴っていきます。

作家、山本一力さんが回答する人生相談

2018-11-05 14:48:31 | ブログ記事
作家、山本一力さんのファンである。

一力さんに関心を持つきっかけになったのは、
一力さが私と誕生日が一日違いであるということからである。

生年月日が同じ人は似た運命をたどるとか書かれたものを読んだのがきっかけで、
ネットで同年生まれ、誕生日の近い人を探すと山本一力さんがヒットした。

山本一力さん→ウィキペディア山本一力

山本一力さんの名前は前から知っていた。

同郷の高知市出身で、直木賞作家であられるということは、それとなく知っていたが、
関心を持つまでには至らなかった。

が、一力さんと私が生まれ日がたった一日違いということを知り、俄然関心をもった。

で、一力さんの作品も何冊か読ませてもらった。

同じ世代のせいか、それとも感性に通じるものがあるのか、どれもこれもおもしろかった。

が、最近は、昔ほど本を読まなくなったことと、ブログを始めてからはブログを読むことに忙しく、

これは一力さんの作品だけでなく、その他の小説も、ほとんど読まなくなった。

が、産経新聞月曜日の紙面の人生相談「あすへのヒント」の一力さんの回答は大体読ませてもらっている。

一力さんは、いつも見事な回答をされる。

今日の相談は「昔、介護で仲違い 今も苦しい」というものだった。

その内容は、

むかし相談者さんとその義妹(ご主人の弟さんの奥さん)さんが、義母さん(ご主人のお母さん)の介護をしていたときのお話ですが、

そのころ、相談者さんは義母さんの介護に通われていたけれど、

相談者さんお住まいは義母さんの家に行くのに片道2時間半、往復5時間かかったので、
週に3回しか行けなかった。

そうすると、比較的近くに住んでいて毎日通ってくれていた義妹さんが、
「長男なのに、面倒見るのが嫌で遠くに住んでいるのだろう」と言ったそう。

それで義母さんの目の前で大ゲンカになって、いまだに絶縁状態であると。

この相談を読ませてもらって、我が家と少し似ているかなと思った。

ということは、我が家以外でも似たご家庭は多いのかもしれない。

それで一力さんが、どんな回答をされるか興味深く読ませていただいた。

一力さんの回答の最後のほうを抜粋させていただく。

「恨みや怒りは、生きていくうえで強力な杖になる。あいつだけは許せないと黒い怒りを募らせれば、杖は堅牢さを増して、生きる助けともなる。

しかし杖が太った分、自分のこころの正常な部分は痩せてしまう。

相手を赦すなど、考えるは無用。

おのれのこころのしこりを自分でいたわり、ほぐしてやればいい。

自分が自分を赦せば、いやな相手への怒りは消え失せる。」


であった。

なるほど名回答である。

私も過去のことで、いつまでも恨み続けている案件があるが、

一力さんの回答によれば、必ずしも相手を赦す必要はないのだ。

自分の心のしこりを解く。それが大事なことだと教えてもらった。

一力さん、ありがとう。

私とたった一日違いの生まれとは思えないくらい英知に富んだ回答だ。

一力さんは、私とは、もともとの人間の出来が違うということと、

一力さんは苦学されて、あそこまでになられた人だから、

その回答の重みが、私などとは段違いということなのだろう。

これからも一力さんの人生相談の回答を楽しみにさせていただきたい。