奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

宇宙億分の一の私

2015-03-21 | 心詩~こころうた・己
ちっぽけな
ちっぽけな
自分

宇宙の
地球の
何億分の一の

小さく
脆弱な
薄い皮膚と
身に纏う服だけに
守られた

ちっぽけな
ちっぽけな
その体の
何分の一の
小さな心よ


小さな事に執着し
小さな事に傷ついて
小さな事をくよくよ悩み
小さな事を手抜きして

そんな小さな自分が
嫌いで
嫌いで

そんな不甲斐ない自分に
涙が出て
涙が出て

どうすれば自分を
愛せるだろう
どうすれば他人(ひと)を
愛せるだろう
どうすればこの世界を
愛せるだろう

小さな事に喜んで
小さな事に感動し
小さな事を大事に思い
小さな事を感謝する

そんな自分もいるのに
そんな自分が愛おしいのに
そんな自分に自信がなくて
小さな殻から出られない


ちっぽけな
ちっぽけな
この心は
見えない未来を
待ち受ける試練を
日毎夜毎に想像して
怖くて怖くてしかたない

ふと我に返ると
生きることが
怖くて怖くてしかたない

臆病なのは
勇気がないのは
この ごつごつとした地球の上に
丸裸のままで立っているからだろうか

覚醒

2015-02-11 | 心詩~こころうた・己
ここから何処へ向かう
のたれ死にはしない
くち果てた未来でも
にどと戻れない過去より
はだかの自分を受け入れる

だまって前を見つめる
レールの先には未知の世界
もがき続けた心を解き放ち

ただ 何も信じず 何も疑わず
すくいのないこの世界に
けがされた正義も自尊心も
なにも必要のない世界へ
いざ 扉開かん

五里霧中

2014-12-26 | 心詩~こころうた・己
嘆いて過ぎても一日
楽しんで過ぎても一日

しかし その
楽しむということが
今の私には
ひどく難しい

「から元気」というやつにも
限界はある
「なんとかなる」という呪文にも
効力のない現実がある


物質的失望と
精神的失望と

現在(いま)に足場を固められぬまま
未来の居場所をいかに築けよう


何故 何ひとつ
我が身を守る
武器とならないのか

防具も持たず
ただ玉砕のために
生きた歳月であったのか

生きることに不器用とは
かくも無様な姿であるものか──


成功者を妬み
誹謗する者に
なる事は望まず

己が人生を
さめざめと悲観する者に
なる事も望まず

ただ与えられた運命を
粛々と受け入れ
どんなに不自然な世の中も
そういうものであるのだと
淡々と日々を全うする

そのような不動の者に
なれるものならば────

何度目の失望

2014-12-17 | 心詩~こころうた・己
結局は
人生を変えるなんて
不可能なのかもしれない

生まれ落ちる場所を
自分で選べないように
どんなに違う未来を望んでも
それは自分とは無縁の世界

不条理に出来上がってしまった
この人間社会で
鬱病に苛まれるような
不運な人間が
希望に満ちた未来を手に入れる
そんな約束など
どこに転がっている?


昨日の夢は
今日の足枷

今日の希望は
明日の失望


頑張ることも
信じることも
無意味
無意味
無意味──?

生きるために必要な
たった一通の朗報さえ
私のメールボックスには
届かない


つらいよ
逃げたいよ
名医はどこに?

苦しいよ
もう嫌だよ
特効薬はないの?

鬱病患者に
未来なんてない?
鬱病患者は
暗闇に潜んで生きるしかない?


最初から勝算のない戦い
それでも向かわずにいられない
そんな愚かな人間心理か

自分自身にしか
挑めない人生(たたかい)なのだから


本当はもう
なにもしたくないのに──

自己否定・他己嫌悪

2014-12-12 | 心詩~こころうた・己
「頑張らなくていいよ」
「ありのままで」
「弱い自分を許してあげよう」

どれだけ自分に甘い
風潮となったものか

嫌いな自分を
愛してどうなる

自分の人生さえ
守り通せぬ自分を
認めることに
どんな意味がある


この世は
そんなに甘い世界か

苦しむ者すべてに
手がさしのべられる
そんな優しい世界か


傷つけられるのも
踏みにじられるのも
自分で自分を守れないのが悪い

すべては自己責任
皆 自分を守るために
戦っているのだ

誰も助けてくれぬと嘆くのも
自分の不運は社会のせいと恨むのも
人間社会に適応できない者の
ただの言い訳
なにも成功できない人間の
ただの現実逃避

底辺から這い上がれぬ者たちを
そうして蔑み 冷たく分析し
自分は違う人間だと
世界を見下ろせる人間だけが
成功できる

それがこの 人間社会
人間が作り出した 不条理社会

蛇の生殺し

2014-12-08 | 心詩~こころうた・己
何度も 「これが最後」と思い
何度も 「もう一度」と思う

一度きりの人生だもの
簡単には諦められない

「今度こそは」
その未練に
どれだけのものを
費やしてきたのだろう

「今度こそ」
「次こそは」

人生は
博打のようなもの
当たりを引くまで
後には引けない

くじ運のない私は
人生も貧乏くじばかり
すっからかんになるまで
吸いつくされて終わり?


もっと
丁寧に生きたい
でも
もうクタクタなんだ
本当は
すべて投げ出して
何も追い求めずに
生きたいよ

心も体も
すべて解き放って──

必死に足掻いている今こそが
死んだように 生きている

空虚─からっぽ─

2014-11-16 | 心詩~こころうた・己
どうしてこうも
空虚な人生か

自分で意味を見い出せず
自分で自分を認められず

誰のための人生か
何のための人生か


誰かの許可を得れば安心か
誰にも否定されなければ正解か

答案用紙の空欄を埋めるのが人生か
隙間にきっちり収まる人生が望みか

本当は何がしたい?
本当は何になりたい?


答えなんかない
目的地も分からない
探しても見つからない
誰も教えてはくれない


自分で探せ
自分で歩め

自分のものさしを持て
自分の選択を信じろ

人生に正解などない
「自分らしく」生きればいい


分かっている
心では 分かっている

なぜ動けない?
なぜ動かない?

迷いの森で
どこにも進めずにいる

生と死について

2014-09-25 | 心詩~こころうた・己
命のいれものは
ある日
肉のかたまりに変わる

生きてしゃべり
夢を追いかけ
人生を営んでいたものが

ある日

この世からいなくなる


生とは何か
死とは何か


人は何のために
努力して生きるのか
努力して身につけたものを
なぜ すべて手放し
この世から去ってしまうのか

だから 人は
形あるものを作り
心のひだを言葉に綴り
生きた証しを残そうとするのか


やがて 百年が過ぎ
自分を知るものは
誰もいなくなる

それでもこの世界は
新しい命を受け入れ
消え去る命を天に還す

終わることなく
繰り返される
生と死

数字で語られるニュースの如く
そこには
何の哀歓も感慨もない

この地球(ほし)の命が
尽き果てるまで
ただ あたりまえのように
繰り返される


「私」のいない
遠い未来にも──





************************************************

自分の身近で不幸事が続き、「生きるとは、死ぬとは何だろう?」とふと考えてしまった。
自分の思う通りの人生を生きた人も、もがき苦しむ途中で命尽きる人も、人生はまさに人それぞれに違う。
今、自分に死が訪れたら、それは自分にとって「残酷」だろうか、「恩恵」だろうか…。

生きる意味

2014-08-25 | 心詩~こころうた・己
この魂は
いつ生まれ
いつ私になったのか

この肉体は
私が選んだのか
私を選んだのか

なぜ
ここにいるのか
なぜ
この運命を与えられたのか
なぜ
何も知らされず
生きよと放り出されたのか


無傷で生きる人はいない
体に 心に
無数の傷を受けながら
己の生きる意味を
問い続けるのが
人間の一生

夢を叶えることさえ
苦しみを避けた先にはない

苦しみの価値は
その先に待つ
実りの量に値する

生きる価値は
その先へと向かう
自分を生かす夢に値する


まっすぐな道はない
楽に登れる山はない
凪ぎの海ばかりではない
争いのない世界はない
行き先を示す道標(みちしるべ)などない

苦しみの先にしか
辿り着ける場所はない

信じられる力が
自分の存在を確かなものにする

生きる意味を確かなものにする

確かな一歩へ

2014-08-15 | 心詩~こころうた・己
鬱を忘れるくらい
夢中になれるものに
“いま”を費やしている

上手くいかずに
落ち込むときもあるけれど
もう 鬱には戻らない

自信なんてないけれど
今度こそ
鬱を蹴散らしてやる


将来の保障なんて
なんにもないけれど
現実はなにひとつ
変わっちゃいないけど

とりあえず

明日が来るのは
楽しみになった