今日はもう9月13日ですが、今年の「二百二十日」は10日でした。早稲(わせ)の花が咲く頃の「二百十日」と同じように、中稲(なかて)の開花時期に当るからなんです。晩稲(おくて)の花の頃は「二百三十日」と。どれも大風が吹きやすい日なので、どの日であっても農家の人たちは「厄日(やくび)」として恐れ警戒したのです。
八方に二百二十日の湖(うみ)荒るる 稲荷島人
降り出して厄日の雨の荒れやうに 稲畑汀子
そういえば、毎朝行くラジオ体操でのこと。主人はまだ肋骨の痛みがとれないので、いつも私一人で行ってます。それがこの10日に狭い裏道を歩いていて…あっ、ああっ…と、自分でもビックリするぐらい大げさに転んでしまいました。転ぶ瞬間、これはヤバイ!と必死で踏ん張ったのですが、体を支えきれず地面へどどどどっとスライディング(笑)…ちょっと坂になっていましたので。でも、胸を打ったら私も肋骨が…と思って手足でがむしゃらに止めました。それで今日が三日目ですのでとても痛いんですが、骨には異常がなさそう…安心しました。いくら〝気を付ける〟と頭では思っていても、一瞬の油断に体は言うことを聞いてはくれませんから、危ない、危ない…。 まあ、これも一種の厄日だったからと考えて、我家の厄災がこれで逃げてくれると有り難いんですけどね。
さて、今日は9月6日の金曜日のことを書きましょう。先月コロナのため中止していた月例吟行会を実施したんです。もう9月だから先月よりは少しマシだろうと思ったら、何のことはありません。相変わらずの猛暑で、最高気温は35度。でもそんなことは言っておられませんから、いざ決行です。
今回の吟行地は、山陽小野田市の洞玄寺と松嶽山(まつたけさん)の正法寺。
洞玄寺は、毛利元就の五男元秋を祖とする厚狭毛利家の墓所があり、山陽小野田市の文化財に指定されています。厚狭毛利家の菩提寺として二代元康以降のお墓があり、三代元宣が元康の法号から洞玄寺と命名しました。明治2年、洞玄寺の住職が奇兵隊の脱退に加担したことで廃寺となりましたが、正福寺と一度名前を変えた後、昭和44年に洞玄寺に戻りました。昭和46年に納骨堂を建設する際、地中から西暦600年前後の須恵器が数多く出土したそうです。
境内に入って山門のすぐ傍に、歌人・今川了俊(貞世)の詠んだ〈雨にきる 我身の代に かへななむ ころもをるてふ あさの里人〉という歌碑がありました。室町幕府から九州探題として太宰府に派遣される道中の旅行記の「道ゆきぶり」に、〈建徳2年(1371)10月8日、当寺に一泊して〉詠んだと記載されていて、厚狭の地名を詠込んだ最古の歌ということです。
やはり厚狭毛利家の菩提寺らしく至るところに、その家紋の「一文字に三つ星」や「立ち沢瀉(おもだか)」が残されていました。
毛利家墓所には、二代元康以降十三代四一に至る歴代当主及び一門43基の墓碑が建立されています。この暑さのなかでもここは、やはり森閑として山からの気がひんやりと感じられましたね。あら、二枚目の写真がボケいます。ゴメンナサイ!
次は、洞玄寺からくねくねとした狭い山道へ入って、それを奥へ奥へと…エエッ、こんな所に寺なんかがあるの?というような何もない道を約5㎞ほど走る。するとやっとそれらしき入口と看板があり、ホッとしました。
そこからもう少し上に駐車場があるというので、そこへ着いて今度は歩いて行くと…大きな犬の声が…ナント吠えること、吠えること。そりゃ見たこともない怪しげな男女が7人もゾロゾロとやって来るんですものね。境内に上がっても吠えるの止めなかったんですが、見れば吠えながら尻尾を振ってました。ということは歓迎してくれてたんですね。分からないものだからみんな怖れて避けていたんですけど、そろそろと近づいて撫でてあげると喜んで…。
余りにも声が大きいし威勢がいいので、てっきり雄と思ったら…名前は〝花ちゃん〟ですって!では記念写真を…はい、ポーズ!あら、どうしたの?あまりにも吠えたから照れてるのかしら。(笑)
この正法寺は、山頂からは九州の山々、眼下には関門橋が望見できて、ハイキングやキャンプに好適といわれる松嶽山(標高324m)の8合目にあります。藤原氏全盛期の建立で、灯籠、丁塚、お大師様を配した狭い道を進んだ先にあるお寺です。今から約1000年前に花山法皇により開創されたと。その花山法皇が自ら彫ったとされる十一面観音が本殿に祀られているそうです。境内には願掛け不動明王や交通安全の菩薩、水子地蔵の石像があり、ほかに南北朝時代、厚東氏17代の武貞が九州の菊池氏を討つために戦勝祈願をした際に寄進したと伝えられる鐘楼があって、山口県の重要文化財に指定されています。
写真は、願掛け不動明王。下のは〝ボタンヅル〟の花…だと思うのですが?
とにかく暑いながらも今月の吟行会を無事に終えて、昼食後いつもの会場へ戻り17時までみっちり勉強しました。では、これでオシマイ!皆さまお疲れ様でした。私も久し振りでとても疲れましたが、楽しかったです。やっぱり俳句は吟行しなくっちゃね…部屋の中ばかりでは類想句の山ですもの。