今日は梅雨の中休み?午前中はで午後からは、でも夕方から夜、明日にかけては、それも大雨の予報が出ていました。しかし、洗濯物が溜まりますので、急いで洗濯して干しましたが、やっぱり15時過ぎにはパラパラと。まだすっきりとは乾いていませんでしたので、浴室の乾燥機へ…。
今朝のことですが、珍しい人から電話がありました。かつて勤めていた学校の先輩です。随分会っていませんが、声は昔と変わらずとても元気そう。突然の電話で何事かと…いや、いや、きっと俳句のことではないかと予想はしていましたが、見事的中でした。
そういえば、昔の同僚で俳句をしている人…結構いるんですよ。殆ど私をきっかけに、というか私が勧めて誘ったような人達なんですが、10人以上はいるかしら。そして、その人達が友人を誘ったりして増え…。また、俳句教室に入門してから始められた方なども合わせると100人は下らないような気がします。入門しても辞められたり亡くなった方などもいますので、それ以上の人々に、私は俳句の〝種蒔き〟をしてきたんですよ。それがやっと発芽して、花を咲かせようとしているのかと思うと、ウ~ン、これは感慨深い!
では、そろそろ話を元に戻しましょうか…先輩の先生からの電話でしたよね。
退職後は故郷へ戻って実家を守っておられたので、昔訪ねて行ったことがありました。山口の長門峡近くの篠目(しのめ)という田舎なんですが、そこで音訳のボランティア活動をされていると。
今回句集の音訳を頼まれて、どういうことに気をつけて読めばいいのかを聞きたいとの電話でした。
私も以前朗読の会で活動していましたので、多少は分ります。しかし、私が所属していた会は、市の広報を読んでテープに吹き込み、それを必要な方に配布するというもの。それらはみな伝達の文書ですので、一切感情は込めず、標準的に平常心で読むことでした。でも、小説や詩などの読み聞かせも練習はしていましたよ。
彼女も小説などの文章はいつもしていることなので悩まないのだけど、俳句になるとその読み方でいろいろ変わってくるのではないかという心配でした。どういうことに気をつけて読んだら上手く伝えられるかということです。
確かに詩や短歌などの韻文学の中でも俳句は最短。そのためその17音には多くの内容が凝縮されています。それを感受するにはある程度の俳句的素養が必要かも。だから、素人では先ず読めない句があるでしょうし、また、読めても意味の分らない句は多いことでしょう。それを目の見えない方へ音訳するということ自体もう大変なことだと思います。
結社にも目の見えない方が…というより病気で見えなくなった方がおられます。しかし、毎月欠かさず投句されていて頭が下がりますが、俳誌はどなたかに読んでもらっているとか。要するに、聞く方も読む方も俳句に通じていれば、かなりの理解は可能でしょう。
また、目の見える私にも意味の分らない句はたくさんありますが、でも文字が見えている分、理解の助けにはなっているはず。それを音声だけでどれだけ伝えられるのか。特に、熟語などは漢字である程度意味が分りますが、それを音声にすると意味の区別が付きにくい単語ってたくさんあるでしょう?
更に、傍に居て読んであげられるのなら、質問も説明も可能でしょうが、録音したものをどういう人が聞くかも分らないとなると、これは本当に難しいでしょうね。
私たち俳句を詠む側からは、自分の表現したいことを伝えるための表記にはかなり拘ります。17音しかないんですもの。ここは漢字にするか仮名にするかで悩みますし、助詞1音にも苦心するのです。そうやって苦心した句の発信情報をどれだけ受け取れるかも鑑賞者の力量なんです。
いい鑑賞者によっていい作品になるという話は芭蕉にもありましたものね。要するに〝伯楽〟がいてこそ〝名馬〟が生まれるの話なんですが、芸術にはそういう部分が多分にあるかと。鑑賞も創作でもあると…。
「音訳」の意味には〝視聴覚障害者などのために、文字情報を音声に変換すること〟とありますが、単純な変換では作者の心までは音訳できないでしょう。
そこで私が彼女に助言したことは、〝間〟の取り方を工夫して…ということでした。いうなら余白です。言外に込められた意味を目でなく音で伝えるには、間しかないでしょう。他には音の強弱、抑揚にも込められますから、自分なりに句を読んで作者の気持ちになって読んであげることも。もし分らない句があれば、それには無理な抑揚は付けずにさらりと読みながすことだって必要かな…。あとは自信を持ってね。自信の無い声は聞く人にすぐに分るでしょうから。さあ、ガンバって!……なあ~んちゃって、エラそうに。(笑)
俳句では〝吟行〟が一つの大きな要素ですが、〝吟〟とはそもそも〝詩歌などを作ったり声に出してうたったりすること〟なんです。だから音楽にも通じるところがあるんですよね。(カヌマ先生…わかるかしら…)
写真は…やっぱり我が家の〝紫陽花〟。もう見飽きたでしょうが、ガマンして見てやって下さい。