久し振りに連続しての雨…でも、大降りではなく、降ったり止んだりですので、緊急事態宣言下のゴールデンウイークの始まりにはちょうどいいかも…
今日は4月29日(木)、祝日です。以前は、昭和天皇の〝天皇誕生日〟として、次は昭和天皇の崩御にともなって〝みどりの日〟と改称されました。それが更に、平成19年、ゴールデンウイークを充実させるため、祝日に挟まれた5月4日を〝みどりの日〟へと移動。そのため、〝昭和の日〟と改称されたものです。
国民の祝日に関する法律では、その趣旨を、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」としています。
さて、私の使っている『角川俳句大歳時記』(平成25年刊・角川学芸出版)では、〝天皇誕生日〟は、先の平成天皇の12月23日。その例句に〈天皇誕生日その恋もまた語らるる〉という、皇太子時代の美智子様との微笑ましい恋を彷彿させる林翔先生の句が載っていました。しかし、この季語ももう令和時代となって、2月23日に変わりましたので、季語としてはまだ…だから当然例句もありません。
ネットで昭和天皇の誕生日を詠んだ俳句を探してみたのですが、殆ど見当たらず…?こうやって季語もどんどん変化して消えていくのがありますからね。
でも、…ありましたよ!私が何かという時には最大の信頼を寄せて調べる歳時記に。それは『カラー図説 日本大歳時記 座右版』(昭和63年5月18日 第八刷発行・講談社。ちなみに第一刷は昭和56年)です。厚さ7センチ余り、重さ4キロの手応えばっちりの歳時記です。
これを購入したのは、まだ俳句を始めたばかりの時でしたし、当時の定価で12,000円は安月給に響きますもの。でも…欲しくって、欲しくって…エイ、ヤッと…思い切って買いました。まさかこれが私の後半生を決めるものになる(?)とは、つゆ知らず…
しかし、昔の広辞苑にしても大辞泉にしてもみんな辞典類は厚くて重かったですね。今では取り出すだけでもしんどいので、つい電子辞書という軽くて便利なものに頼って、殆どお蔵入り状態…。でも、何かの時はこれが役に立ちます。やはりナントいっても、この監修が水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉という俳句の大御所なんですもの。そりゃあ頼りがいがあるというものでしょう。
さて、その本の〝天皇誕生日〟の季語のところに、次のような楠本謙吉の句が載っていました。〈陽も翼延べるか天皇誕生日〉…、これは、まさに世界へ羽ばたいて延びていこうとする戦後の日本を、更に天皇を称えた句です。
いつも季語などで不安になるとこの歳時記で確認して安心していました。その後いろいろな歳時記も買いましたが、結局最後に行き着くところはこの本でしたね。使いすぎて多少ぼろぼろになりましたが、これからも私の座右本として一生大切にしたいと思っています。
もちろん〝みどりの日〟や〝昭和の日〟などはありません。しかし、その時その時で消えていくものや変化していくものがあったとしても、季語としての本意は変わるはずはありませんから。それをよく考えて、吟味して使っていきたいものです。例えば良く聞く話に、歳時記にあるからとか、今巷で言われていて通用しているのだからというようなことで、安易に季語として使うのは問題ありと思います。特に本だけに頼って学んだ初心者には間違った季語の使い方が結構目につくことがありますもの。皆さんも気をつけましょうね。
今日の写真は、昭和の名著といっていい『カラー図説 日本大歳時記 座右版』です。
ついでに、この本が古本としてAmazonで販売されていて、そのレビュー評価の五つ星が19件のうち71%だったと。その中の一つ、Doctorastroboyさんのレビューをご紹介します。勝手に掲載してスミマセン!
5つ星のうち5.0正しく「座右版」と云える歳時記だ!