ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

七月尽

2018年07月31日 | 俳句

 とうとう7月が終ります。この一ヶ月はナント悲惨な日々が続いたのでしょう。

 西日本各地では予想外の雨量による梅雨出水のため200人を超える人が犠牲になって亡くなり、住宅や道路なども広範囲に及ぶ大被害が出ました。広島では未だにJR呉線が復旧せず、呉有料道路も不通、さらに一部断水の所がまだ残っているとか…本当に呉市は話を聞くだけでも辛くなります。岡山や愛媛でもきっと復旧はまだまだ遠い先のことでしょうね。

 また、気温は日本中の至る所で連日35度を超えるという、挙げ句の果ては史上初の41.1度という最高気温を記録するなど、また、そのために熱中症が続出して、死亡者も…これはただ単に異常気象などという言葉で片付けられるものではないように思います。先日の台風12号にしたって、ああいう進路を取ったのは51年ぶりだとか…メチャクチャですよね!

 ああ、そういえば、オウム真理教の死刑囚13人全員がこの一ヶ月足らずの間に死刑執行されるというのも前代未聞ではありませんか?仕方がないこととは言え、あまりいい気はしませんでした。

 しかし、いいこともありましたよ。サッカーのワールドカップやウインブルドンの錦織選手の活躍には日夜ワクワク楽しませて貰いましたもの。あの時は嫌なことなどすっかり忘れて見ていましたね~。ああ、そうやってアッという間に7月が終り、今度はどんな8月がやって来るのでしょうか。恐ろしいです!

 ところで、「七月尽」は、夏の季語「みなづき尽」の傍題としてあります。陰暦では6月が尽きること、すなわち暦の上で夏が終ること。ということは一年の半分が経過する節目で、この日に身の穢れを祓う習慣が「水無月祓」あるいは「夏越の祓」といわれるものだったのですが、現在は新暦とゴッチャになってしまって、このブログでも六月末に「夏越の祓」で「茅の輪」を取り上げましたものね。

 でも、今でもこの習慣を守っている神社もありますよ。宇部の西宮八幡宮ではこの28日の土曜日に、夏越神事で「茅の輪」潜りが行われました。私たちも「藍の生葉染め」に行った帰りにちょうどいいからと、寄ってお詣りをしようと行ったんです。すると、16時から神事で茅の輪潜りは16時30分からだと言われ、誰も潜らないようにと縄が張ってありました。せっかく行ったのにザンネンです。このように7月に行うところは地域の夏祭と合体して、月末の人がたくさん集まるような土曜日や日曜日に行っているようですね。風習を昔のままに存続させるということは大変なことです。やはり全て日進月歩ということでしょうか。

  水無月の限りを風の吹く夜かな   高桑蘭更

 作者蘭更は、江戸中期の俳人で、金沢の人。芭蕉の高雅を慕い、平明達意の句を求め、晩年は京都芭蕉堂に住んだ人だそうです。

 写真は、先日の〝形見のカンナ〟です。この暑さで初めの花は枯れてしまい、次の花が咲くのを待って撮りました。

 

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カープのコップ

2018年07月30日 | 俳句

 昨日は台風12号のため、一日を棒に振ってしまいました。悔しい!

 本当は広島のマツダスタジアムにカープの試合を見に行く予定だったんです。広島の球場が新しくなってから私たちは行ったことがなく、そのうちにと言っている間にカープがリーグ優勝するほど強くなって、チケットが手に入らなくなってしまったんです。それをよく観に行っている娘夫婦が私たちの分もチケットをとってくれて、初めて観戦ができるとワクワクしていたんです。

 ところがあいにくの台風でしょ。15時開場18時試合開始ですが、球場に行くのに宇部からだと新幹線で行っても2時間以上の余裕を持っていないとダメ。ところがなかなか中止が決まらないので、それまでは気象情報の見っぱなしで、何も手につきませんでした。やっと午前中に中止が決まって、落ち着きましたけど、せっかくのチャンスでしたので、やっぱりザンネン!ついていません。

 しかし、台風が直撃しそうなんだから…そんなこと言ってられませんよね~。今岡山県倉敷市方面を通過…などという情報をみると、先日の被災地の方は大丈夫かしらと心配、すると今度は広島が…そのうち山口県では一番被害の出た岩国や周南市などに避難指示・勧告が出されました。

 山口県の上空をいつ通過していくのだろうと…ハラハラしながら俳句の添削などをしていると、外がいやに静かになりました。雨はもっともっと降っていいのに、遠慮しているのか、お湿り程度。どうなってるの?と、テレビの台風情報をみてみると、ナント今宇部の上空を通過中でした。だから静かだったのです。しばらくすると、今度は暴風が吹き出しました。そうなんです。通り過ぎた後の風向きは変わりましたが。まあどこにも大した被害が出なかったということで、ホッとしました。

 昨日は最高気温30度、最低気温も25度と下がって、今日の朝は結構凌ぎやすかったですね。昼間はまた高くなりましたが、33度…それでも随分違います。風も台風の余波でかなり強く吹いて少しは過ごしやすかったですよ。あの台風一過の爽やかさは到底望めませんが、それでも少しはマシかな~。

 写真は、主人が父の日に娘夫婦から貰った「カープのコップ」です。黒に赤という色彩はどうですか。ビールが美味しく飲めるのかしら?まだ使っていないので、何とも言えないんだと。袋もカープのユニホームなんですよ。フアンにはもってこいのプレゼントですね!

 

 

 

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藍の生葉染め

2018年07月28日 | 俳句

 今日も山口地方は最高で38度、宇部も35度ぐらいまであがりました。もう何を言ってもと思いきや、今度は台風12号があらぬ方向から来るじゃあありませんか!

 もう日本が…いや地球が狂ったんでしょうか。昔からのことわざにありますよ。〝泣きっ面に蜂〟〝踏んだり蹴ったり〟〝弱り目に祟り目〟と…。復興にはまだほど遠い西日本にわざわざ進路を曲げなくても、それも西日本全部を横断する形で進路を取らなくってもいいものを!被災された方がまた災害を受けたとしたら、きっと何かに祟られているのではと思いますよ。

 私たちもいつどんな災害に遭うかと思うと、とても怖くなります。でもニュースで見ると関東の方は雨で…ある意味羨ましいかな???しかし、台風の被害が出たりしたらそんなことは言えないけど。

 今日は、この暑い中を物好きにも山口市阿知須の「いぐらの館」へ出掛けました。10時から〝藍染ワークショップ〟があったんです。すぐに申し込んだんですが、もうすでに定員一杯と断られ、しかし、見るだけならどうぞと言われたのでやってきたんです。私は以前に体験したことがありましたが、初めてという人たちを連れて5人で来ました。

 季語に「藍刈る」というがありますが、藍はタデ科の一年生草木で、8月頃に花柄を出し、紅色の小花を穂状に群生します。葉にはアイ物質(インジゴ)を含み、上位葉ほど高く、7月上・中旬、花柄抽出前にアイ物質が最高になるのでこの時期に収穫する。収穫したものを乾燥させ葉だけにして、数日おきに水をかけ二ヶ月ほど発酵させ、これをひき砕いて玉にする。これが藍玉で、藍染の原料です。

  一番の藍より出づる夕べの木  松澤雅世

  藍刈るや三番藍も育ち初め   大森扶起子

 今回のはそのアイ物質の高い時期に生葉を摘んで直接染めるという方法です。この藍の「生葉染め」は、タデアイが育つ夏にしかできない染め方で、葉を摘み取ったその日に短時間ですぐに染めることができます。約2時間ほどで仕上がり。だから参加者は夏休みの親子連れが殆どでした。それでは一緒に見てみましょう。

 1,藍の葉を摘み取る。(50グラム)

 2,葉とぬるま湯をミキサーにかけて、ジュース状にする。(ぬるま湯500㎖)

 3,ボールにネットをセットし、ジュース状の藍の液を入れて絞る。

 4,絞り汁に消石灰をスプーン4杯入れてよくかき混ぜ、次にハイドロサルファイト(還元剤)をスプーン2杯入れてまた良くかき混ぜる。

 5,泡だって黄緑色になってきたら、藍染液の出来上がり。

 

 6,布を藍染液に5分ほどつける。模様をつけるために絞ったところは手でもんだりしてつける。

 7,5分経ったら布を取り出し、盥の水ですすいだり、空気に触れさせる。これを繰り返すと、次第に青く色づいてくる。

 8,再び3分ほど藍染液につける。後また水ですすいだり、空気に触れさせる。

 9,最後に3分ほど藍染液につけて、水ですすぎ、日陰に干して終り。

 今回の模様は、ここ阿知須の町のシンボルの「居蔵造」(いぐらづくり)の「なまこ壁」を染めました。乾くと色が薄いブルーになります。

 ところで、ここ阿知須は、室町時代は阿知須浦という小さな漁村でしたが、江戸時代中頃から廻船業によって栄え、海岸埋め立てにより町並みを拡大していったところです。廻船業は、商品の購入から輸送、販売まで行う「買積み」と年貢輸送で運賃を得る「賃積み」があります。阿知須は、最初は「賃積み」が行われていましたが、季節や天候で利益が安定しないので、江戸後期には「買積み」へ移行していきました。そこで、廻船業を営んで富を築いた人々が火災などから財を守るために「瓦葺屋根、大壁造漆喰塗り込みの防火機能を有した住居」を建てるようになりました。それを「居蔵造」といい、阿知須の町の特徴になっています。その中でも阿知須浦廻船業の中心となった〝中川家〟は、当時最大級の居蔵造の建物でした。それが山口市に寄贈され、山口市教育委員会の施設として利用されるようになり、今回の会場ともなったのです。

 だから見所がいろいろとあるのですが、今日は「藍の生葉染め」の写真だけにしました。他のものはまたぼちぼちとお見せしますね。

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俳画・グラジオラス

2018年07月27日 | 俳句

 このところ忙しくて、一日遅れのブログになってしまいました。昨日はその前日の「厚狭の花火大会」のことを書きましたので、今日は昨日の俳画教室のことです。

 画題は「グラジオラス」、6月29日のブログに写真を載せています。夏の季語で、アヤメ科グラジオラス属の多年草。南アフリカ原産の数種の交雑により作り出された園芸草花で、球根で増えます。

 以前私も球根を貰ったり、買ったりして植えていましたが、毎年手入れして、植え替えたりしませんでしたので、いつの間にか消滅してしまいました。この花はとても華やかで美しいのですが、丈が長いのが困りもの。咲き始めはいいのですが、雨風などにやられて途中から折れたりするととても見苦しくなります。それが嫌でとうとう植えなくなりましたけどね~。

 グラジオラス妻は愛憎鮮烈に      日野草城

 まあいいか少しうるさいグラジオラス  川崎展宏

 グラジオラスまつすぐ咲いて疎まれる  田邊香代子

 どの句もグラジオラスの持っている特性をうまく描き出しています。ほんとにきれいで豪華な花なんですけどね~。俳句と同じで出すぎはよくない…控え目なのがいいよということでしょうか。

 私の今回の俳画は、先生から〝少し控えめでしたね〟と言われてしまいましたが、そう見えますか?自分ではしっかり書いたつもりですが…。賛は「しずかなる雨音のみの夏木立  季穂」。この句の作者「季穂」さん、先生も知らないんですって!私も知りませんので、ネットで調べてみましたが、分かりませんでした。今までは殆ど「藪本積穂」でしたから、それの間違いかもと…どうなんでしょうね。

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厚狭の花火大会

2018年07月26日 | 俳句

 昨日は原稿の締切が迫っていて…それなのに、先日宇部の花火大会に行かなかったということで、娘と浴衣を着て厚狭の花火大会へ出掛けました。運転手に主人も誘って…。だから、その報告をと思ったのですが、原稿の仕上げの方を優先しましたので、ゴメンナサイ!当然のことですけどね。

 宇部から厚狭まで30分ちょっと…7時に出れば8時からの花火大会には余裕と思っていましたが、途中から車がちっとも動かなくなってしまったんです。やはり花火大会のせい。どうにかこうにか目的地に着いたのは8時。本当は厚狭川河畔で3000発の花火を見たかったのですが、駐車場がなくて、打揚げ場所になっている厚狭小学校の近くで見ました。久し振りに真上に上がる花火を堪能して、首が痛くなりましたよ。

 やっぱりスッキリしますね。あの腹に響いてくる〝ドーン、ドーン〟という音と一瞬に消えていく美しさは心に沁みます。嫌なこともしばし忘れて…何といったらいいんでしょう、あの気持ちは…。次の句は私の大好きな〝花火〟の句です。

  ねむりても旅の花火の胸にひらく   大野林火

 厚狭の花火大会は毎年、7月25日の〝天神祭〟の一環として開催されています。今まで見に来たことがありませんでしたが、宇部の花火大会よりも大らかでましなようです。当日は、子ども相撲・子どもみこしを始め、千町商店街には数多くの出店が並び、浴衣姿の家族連れが、どっと繰り出し、夜遅くまで賑わう、毎年なくてはならない、夏祭ということです。が、なんせ暑いもんで夜だけ…でも暑かったあ~!

 写真は、行く途中の7時過ぎの空、とても美しい色でした。花火は今一つキレイに撮れませんでしたが…、どうぞ。終った後のお月様、28日が満月ですから十二夜月ですね。でも満月みたいでしょ!

 

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もう〝雨乞〟するしかない!

2018年07月24日 | 俳句

 今日の山口は36度…宇部は少し低いですがあまり違いはありません。とにかくちょっとでもいいから雨が降ってほしい!

 夕立の黒雲でも現れてくれるとホントうれしいのですが、それも全くなくて、本当に〝雨乞い〟をしたい気分ですよ。

 それで、角川俳句大歳時記の「雨乞」の例句を見ていますと、懐かしい人の句と名前を見つけました。

  雨乞ひの双手を天へかざし舞ふ   伊藤よしと

 作者の伊藤よしとさんは、俳人協会山口県支部の初代事務局長をされていた方。私が県支部の役員になったのもよしとさんに勧められたからで、事務局長を引退されるまではいろいろな面で可愛がっていただき、とても有り難かったです。もう亡くなられてから何年になるのでしょう、3,4年かしら?奥さんの伊藤仙女さんは今もお元気ですが、お二人とも立派な俳人で、俳人協会山口県支部を立ち上げるのに尽力され方なんですよ。

  筒鳥や昼湯の屋根を雨流れ

   (平成23年俳句カレンダー掲載句)

  あたたかき方へ掌を当て母の墓

  いわし雲神も氏子も酒が好き

  クレパスの緑減らして夏終る

   (第39回防府市民俳句大会2位市議会議長賞)

 調べてみると上掲のような句が見つかりました。また、句集を探してみますと、『童子仏』(菜殻火叢書)がありましたが、野見山朱鳥主宰の「菜殻火」の同人だったから当然でしょうね。その句集名は〈なづな咲く野に出て遊べ童子仏〉の句から採られたものと思います。

 どれもよしとさんらしく優しい人柄が感じられる句でしょう?ご病気で役員を辞められてからはお会いする機会がありませんでしたので、欠礼の葉書が来てはじめて亡くなられたことを知りました。ああ~もう一度お会いしたかったですね。合掌

 写真は、中津瀬神社の「狛犬」です。まさにこれは犬ではなく獅子(ライオン)ですよね。どうか神様、もうそろそろ雨を降らせて下さいませ!お願いしま~す。 

 

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今日の兼題は〝鰻〟

2018年07月23日 | 俳句

 今日は二十四節気の一つ、「大暑」です。と言うわけではないでしょうが、日本列島は大変なことになっています。とうとう国内の観測史上最高気温を更新して、埼玉県熊谷市で41.1度を記録したとか…おそろしい!

 昨年のブログでは、この日の「全国最高気温ランキング」を見みたら、ナント山口県の萩市が1位で、35.6度と、書いています。それと比べると35度なんて、このところ日本のどこでもがずうっ~とそうですもの。今年の異常な暑さが推して分かりますよね。

 今日も句会でした。兼題は「鰻」、もちろん夏の季語です。特に土用の丑の日に食べるのは「土用鰻」といいます。

  鰻笯を揚ぐる加減のありにけり   大木葉末

  魚籠のまま土用鰻の到来す     亀井糸游

 句会でも鰻を捕る様子を詠んだものがたくさんありました。〈夜明け待つ男二人や鰻筒〉〈香草に惹かれて鰻筒の中〉〈鰻かと思へば釣れし鯰かな〉〈浅瀬来て親子しかくる鰻籠〉〈金盥の鰻がつちり握らるる〉〈鰻釣いつしか夫は少年に〉など…

 Fさんはお父さんが鰻捕りの名人だったとか、鰻を捕る長い筒の中に蓬を入れて…その蓬が「香草」なんですって。Yさんは兄弟が鰻捕りによく行っていたと…それが「男二人」。Nさんは夫が鰻釣りに行って…。今日の句会は川のほとりの人ばかりですので、みな昔ここで鰻を捕っていた思い出があるんですよ。ナントうらやましいこと!これぞまさしく〝ふるさと〟ですね。

 今日はウレシイおみやげもありました。家でできた見事なトマトと胡瓜をNさん夫婦が持ってきておられ…他の皆さんはみな自分ちにできてるからいらないと…ヤッター!それで全部私と主人がもらって帰ったんです。ほら、美味しそうでしょ!

 

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形見の〝カンナ〟

2018年07月22日 | 俳句

 昨夜の花火大会は、結局音を聞くのみで終りました。土曜日の句会が終り、家に戻る途中若いカップルや家族連れの浴衣姿にたくさん出会いましたが、そこまでの情熱が私にはもうなくなってしまいました。

 先日、浴衣も買ったし、娘が行くならと思いましたが、この暑さで娘も止めると…。息子だけが誰かと出かけました。とにかくこの暑さの中でのあの人込みを考えると、年寄りは涼しい部屋でじっとしているに限りますね。もちろん俳句は詠みたいのですが…

 今日の日曜日も相変わらずの暑さ。部屋に籠って溜まっていることを一つ一つこなさないと大変なことになりそうです。「新樹賞」もそろそろ締切が近づいて来ていますし…。これからしばらくは俳句づけです。

 写真は「カンナ」です。秋の季語で、カンナ科の多年草。中南米原産ですから色も鮮やかで、濃紅、赤、橙赤、黄色などと情熱的な花ですね。だから、歳時記では秋ですが、花期が長いから早くに咲き始めて、真夏の太陽にも負けていない花です。

  あかくあかくカンナが微熱誘ひけり  高柳重信

  炎ゆるべく炎えて知覧のカンナかな  川崎慶子

 二句ともよくカンナの特性が出ていて惹かれます。この花は弱気で詠むとダメかも…イヤ、却っておもしろいかしらね~。私はあまり詠んでいませんし、成功した記憶がないです。ザンネンながら!

 このカンナの花は、母が兄がくれたと言って形見のように大切に育てていました。それを分けてもらってきたものです。だから母と兄に繋がる思いをいつかは句にしたいと思っていますが…、きっと難しいでしょうね。

 写真を撮ったつもりでしたが…見当たりません。ゴメンナサイ!明日撮って載せますね。

 

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今日の兼題は〝花火〟

2018年07月20日 | 俳句

 今日は午後から定例の句会でしたが、何とも暑い!本当に気温は〝うなぎ上り〟になって、山口も38度とは…。そういえば、今日は土用の丑の日ですね。皆さん鰻を食べましたか?しっかり栄養をとってこの暑さに負けないように過ごしましょう。

 午前中私は、東京から里帰りしている友人と久しぶりに会い、他の友人も誘ってランチをしました。宇部全日空ホテルのバイキング…遠慮なく食べましたので、お腹がパンパン…でもさすがに〝うなぎ〟はありませんでしたね。ザンネン!

 とにかくしばらくは、ひたすら熱中症の予防に努めるしかなさそうです。

 嬉しいことに今日の教室では、冷したおしぼりと氷らせたドリンクを用意してくれて、感謝、感激です。みなさんがいろいろと気を遣って下さって…本当にアリガタイ!

 今日の兼題は「花火」でした。面白いことにこの季語は歳時記の夏と秋の両方に掲載されています。解説をみますと、初期俳諧では花火は盆の行事の一環と考えられ、秋の季語でしたが、納涼が中心となった現代では夏の季語に分類されています。だから、例句も夏の巻には近・現代の正岡子規以後を、秋の巻は近世俳句の江戸時代のものでした。

  暗く暑く大群集と花火待つ   西東三鬼

  花火見えて湊がましき家百戸  蕪村

 句会での最高点句は…ここでは発表できませんが、面白いことがありました。9人中の7人が採っていましたので、残る2人のうちのどちらかが作者よね~誰ですか? ところが、2人は顔を見合わせて首を振っているじゃあありませんか。じゃあ誰?アッ、欠席者がいました。そう、欠席のAさんでした。

 2日前のことです。Aさんから電話があり、主人が病気なので俳句をしばらく休ませて下さいと言う。いろいろと様子を聞いて、〝それぐらいなら大丈夫よ、心配しなくても…。欠席してもいいから俳句は出しなさいね〟と言うと、〝ひとつも作っていないし、こんな気持ちでは到底詠めません〟ときました。〝何言ってんのよ。できる、できる!二日もあれば5句ぐらい…〟と、私の経験談を話してあげました。

 すると、昨日の夜遅くにFAXが入りました。「昨日は身に沁むお電話ありがとうございました。仰せの通り逃げないで二日間必死になってやぶれかぶれで作りました。…」と。その句が最高点だったのです。本人が出席していたら大喜びをしたことでしょう。俳句って、ホントに不思議なんですよ。時間をかければいい句ができるっていうもんじゃあないし…まあ、要はやる気があるかないかでしょうから、これで彼女は少し自信がついて、今後も頑張れることでしょう。良かった、よかった!

 〈風ありて花火も少し傾きぬ〉という句がありました。情景がよく分かる句でいいのですが、〝花火もとあるけど、他に何が傾いたの?〟と聞くと、???

 そうなんです。初心者に結構多いのがこの助詞の「も」。これは気を付けて使わないといけませんよ。不用意に使うと〝あれもこれも〟と欲張って、焦点のない句になってしまいますからね。俳句は焦点を一つに絞りましょう。作者がいうには、最近の花火はキャラクターの顔などもあって、それが風で傾いたように見えたんですって。そうですね、私も見たことがありますが、ニコニコマークやハートなどもあって、それがうまく揚がると拍手が出たり…。そこで、この句因果的なところも気になるので、〈風あるか花火の少し歪みけり〉と直しました。

 写真は、この宇部全日空ホテル(正式にはANAクラウンプラザホテル宇部)の15階から見た宇部市の景色です。ここは三方が窓ですので宇部市の4分の3が見渡せます。実は宇部市の花火大会が明日なんです。このホテルから見るととてもよく見えるので、食事付きで売り出しているんですが、なんせ高いのでガマン、ガマンです。

 

 

 

 

 

 

 

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すっかり忘れていました!

2018年07月19日 | 俳句

 すっかり忘れていました。やっぱり暑さのせいで、頭がボーッとなっていたんでしょうか。何をって?秋櫻子先生の忌日ですよ。去年からはじめたブログにこの忌日のことを書いていませんでしたので、今年は絶対に…と思っていたので、悔しい!

 先日の句会では〝もうすぐ秋櫻子先生の忌日ですからね~〟なんて言っていたのにコロッと忘れていました。ゴメンナサイ!

 「秋櫻子忌」は、7月17日です。「喜雨亭忌」「群青忌」「紫陽花忌」とも言いますが、歳時記にある説明を見てみましょう。

 明治25年(1892)東京生れ。本名、豊。東大医学部卒。虚子に師事し、第一句集『葛飾』刊行後「ホトトギス」を離れ「馬醉木」に拠る。「『自然の真』と『文芸上の真』」を発表、抒情と調べを大切にする俳句観を示し、「ホトトギス」一辺倒の当時の俳壇に新風を吹き込む。昭和の代表的俳人の一人。喜雨亭の別号や作品から喜雨亭忌、紫陽花忌、群青忌ともいわれる。昭和56年(1981)没。88歳。

 今日まで「馬醉木」は、この秋櫻子の理念を長男の水原春郎が、続いて現在孫の德田千鶴子が引き継いで、「抒情と調べを大切に明澄な詩魂をめざす」をモットーに活動しています。とはいっても、昔と違って俳句界がこれだけ細分化されてしまうと、老舗というだけで継続するのは非常に難しいと思います、維持するための日々たゆまない努力がなければ…。私などは地方にいて呑気に構えていて申し訳なく思っていますが、東京ではきっと皆さんしのぎを削っておられるのではと心苦しく思っています。

 私は秋櫻子先生のことは全く分からないのですが、その息の掛かった方々がどんどんと亡くなられて…私が入会したときにはいらっしゃった、千代田葛彦、有働亨、林翔、三嶋隆英などの先生方も、また他の先輩の方々も亡くなられて…秋櫻子先生をご存じの方が殆どいなくなってしまいました。これからどう変わっていくのでしょうか…古い結社ほどその問題は大きいでしょうね。わが「馬醉木」も…。

 写真は「ハイビスカス」で、「仏桑花」「琉球木槿」とも。夏の季語です。渡辺翁記念会館の前に鉢が並べてありました。

 

 

 

 

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キャベツを齧る猫

2018年07月18日 | 俳句

 今日の山口は36度ですって。もう外に出ると頭がクラクラします。車のエアコンは当分熱風を出して…しばらくは涼しくなりません。

 午後は健康体操でしたが、部屋にエアコンが入っていても暑い!ここはとても広い場所ですから容易に冷えませんし、体を動かして運動するんですから当然暑くなるでしょう。でも、終って部屋の外に出てみると…エエッ、この暑さ!そうなんです、部屋の涼しさが当り前になって、分からなくなっていたんですよ。それから歯医者へ行って、家に戻りましたが、すぐにクーラーをつけてやっとほっかり…。

  冷房にゐて水母めくわが影よ   草間時彦

 ところで、この暑さにテンがしょっちゅうゲロを吐いて困ります。そして、水ばかり飲んでいます。もしかしたら猫も熱中症にかかるんでしょうか?昨日買って来たキャベツを早速齧って食べていました。外に出していた時は、勝手に草を食べているようでしたが、家にいるようになってからは野菜を食べるようになりました。野菜にも好き嫌いがあって、キャベツ、白菜、大根の葉が好きですね。他の菜っ葉ものは食べようとしません。レタスはまあまあ食べますが、チシャ葉は嫌がります。やはり苦みや匂いのあるものは好きではないんでしょう。葱や玉葱などは絶対食べさせてはいけないと聞いたことがありますが、もちろん食べようとはしませんがね。 

 前にいたスコテッシュのチャーミーは、本当に何でも食べていました。でも、テンは好き嫌いが激しく、自分の好きなものしか食べませんので、何かを置きっぱなしにしていても大丈夫…。ただ鰹節といりこだけはダメです。隠しておかないと見つけたらすぐに食べてしまいますから。袋に入っていてもその袋を食い破って食べていますもの。生魚なんかには見向きもしないんですよ…。おかしな猫でしょ、わが家のテンは!

 写真はキャベツを齧るテンです。キャベツも夏の季語ですよ。そこで一句、〈まるごとのキャベツに猫の齧りつく〉お粗末でした!

 

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やっとクーラーが付きました!

2018年07月16日 | 俳句

 今日の暑さ…言わずもがなです。一雨欲しいところですが、あれだけ降った雨がぴたりと止んで、夕立の気配さえ全くありません。

 この度被害に遭われたところは、多く瀬戸内海気候で、年間降水量も1000ミリ程度という。それがたったの三日間で半分にあたる500ミリ近くが降ったと…だから雨を司る天上の水瓶が底を突いたのかも。降りすぎも困りますが降らないのもホント困りますね。何ごとも程ほどが一番。でもそれがまた一番難しい!

 ついに来ましたよ~新しいエアコンが。午後2時過ぎ、一番暑いときに取り付け業者さんも大変。息子の部屋のエアコンも毀れていましたので、一緒に取り付けてもらったのですが、終ったのが5時過ぎでした。ホントにご苦労様です。取り付けの方は勿論のこと、見ている方も汗びっしょりでした。仕事とはいえありがとうございました。

 ナント涼しいこと!これで仕事もはかどりますよ。改めてクーラーの有り難みを痛感しています。温度設定は28度…これでこんなに快適とは…不思議な感じ。そう言えば昔は温度を26度ぐらいに設定していたような気がします。それが、地球温暖化で省エネが叫ばれるようになって、設定温度を上げるような取組みが始ったんです。だから公共機関ではみな28度に設定していますね。30度以上の暑さの中では、28度でも十分に涼しく感じますから。今日は岐阜の方では39度以上になったとか…こんなに体温を超えてしまうとどんな感じになるのでしょう。こちらではまだ経験がありませんので分かりませんが、あのインフルエンザで40度近くの熱が出た時の、あんな感じなのかしら?だったら何もできませんよ、絶対に。そろそろ土用の丑の日が近くなりますが、気温はもう〝うなぎ上り〟でない方がいいですね。

 昨日、余りの暑さに食欲もなく〝冷汁〟を作って食べました。夏の季語です。たっぷり作って冷蔵庫に冷していたので、味は昨日よりも美味しくなっていました。ところがですよ。今日クーラーの入った涼しいところで食べると、昨日のあの暑さの中で食べた方が美味しかったなあと思うのはいかがなもんでしょうか?

怖いもの知らずに生きて冷汁(ひやしじる) 鈴木真砂女

 写真は〝ヒメヒオウギズイセン〟、「射干(ひおうぎ)」は夏の季語ですが、これは季語になっていません。幼い頃母がこの花を〝金魚草〟と言っていたので、俳句をするまでは随分長い間そう思っていました。でも、Wikipediaでみると、そう呼ばれるとも書いてありましたので、母が嘘を教えたんではないと分かりホッとしました。

 

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兼題は〝雲の峰〟

2018年07月15日 | 俳句

 今日の暑さも相変わらず最高気温35度と…。明日はクーラーを取り付けに来ますので、部屋の片付けをと…、でもちょっと動いただけで汗が吹き出ます。午後からは先日の着方教室のある呉服屋さんに誘われて展示会へ。帯締めが一本100円という甘い言葉に釣られて娘と涼みがてらに出かけました。

 この前の着物に合う夏用のものがあるからと、…確かにオールシーズンの帯締めがあって定価は1800円。それが100円で一人二本までというので、色を変え娘と合せて4本…とこれで終るつもりが、そうは問屋が卸さない!ついつい、うまく載せられて買う羽目になってしまいました。夏用の長襦袢、草履、コート、挙げ句の果てに浴衣セット(浴衣・帯・下駄)まで半額というので…ああ、ダメですね~ホント誘惑に弱いんですよ、ワタシ。ついつられて、高い買物になってしまいました。

 土曜日のもう一つの兼題は「雲の峰」。夏の季語で、聳え立つ入道雲の威容を山並みにたとえたものです。

  雲の峰幾つ崩れて月の山   芭蕉

 この句については詳しく解説されたものがありますので、それをどうぞ。

【出典】 俳聖 松尾芭蕉・みちのくの足跡  第24集「芭蕉と出羽三山」  [文学館目録]より

[句解釈]   昼間の陽射しの中で、猛々しく起立していた雲の峰はいつしか崩れ、今は、薄明かりに照らされた月の山が嫋(たお)やかに横たえているばかりであるよ。

月山は、出羽山地の鳥海山に次ぐ大峰で、月の神・月読命を祭神として「月の山」とも呼ばれる。芭蕉が、出羽三山の里で見られた月は、月齢三から九の月で、曽良の随行日記をもとにすれば、月山登拝時の月は上弦の六日月だった。

六日月は、おおよそ、昼前に東の空に昇り、月山山頂に到着した申の上刻(午後3時半ごろ)には南寄りの天空にあるが、陽光の為にまだ判然としない。しかし、日没が進むにつれて南の空高くに鮮明となる。「おくのほそ道」の本文にある「日没て月顕る」は、六日月下のこうした情景を記したものと見られる。

そして本文に掲げた発句が「雲の峯幾つ崩て月の山」で、これの季語は、主として夏に、強い上昇気流で湧き上がる「雲の峰(入道雲)」である。「雲の峯幾つ崩て」とは、登拝の途に見た天地の営みで、月山を背景にして、天空を突く猛々しい雲の、湧いては消えてゆくありさまを言ったものだろう。

しかし、芭蕉と同じ道すがらに眺める月山は、これとは逆に、どこもかしこも円やかで柔和である。こうした視点に立って本句を鑑賞することにすれば、「雲の峯幾つ崩て」と「月の山」には、「剛」と「柔」を取り合わせた妙があって、昼に、大きく起立していた雲の峰はいつしか崩れ、夜に、嫋(たお)やかで神々しい月の山が六日月の光に照らされて横たえている、といった情景が見えてくる。

 以前〝あしかび会〟の吟行で、出羽三山のうち「羽黒山」「湯殿山」には行きましたので、機会があれば是非残る「月山」にも行ってみたいと思っていましたが、もう歳を取るばかりだし膝も悪くなってしまいましたので、どうも夢で終りそうです。残念!

 ところで、句会で次のような句が出ました。〈雲の峰スピネーカーは妊みたり

 雲の峰以外はさっぱり分かりません。もちろん誰も採る人はいませんでした。聞くところによると、ヨットの帆なんですって。じゃあ帆と言えばいいじゃないの…と言うと、作者曰く、それでは普通の三角帆になってしまう、これはヨットで、マストの前方に張る半球形の軽くて大きな帆で、追い風の際などに用いるものだと。それなら専門用語だから到底みんなに分かるのは無理ですよ!と言う。

 まあ、ダメだろうとは思ったけど、試しに出してみました、とは作者のわが夫。実は大学時代はヨット部でした。やはり俳句に専門的な用語は難しいので、その道の人にしか理解されません。ということは損なんですよ。ある程度の人々には理解されないと…句が勿体ないでしょう!

 昔、水原春郎先生がお元気なとき、〝予後〟という語が俳句によく使われているのをみて、これは医学用語で、罹病した場合、その病気のたどる経過についての医学上の見通しをいうので、〝病後〟とは意味が違います。気を付けて下さいと注意されたことがありました。なんでも生半可な知識で使うのはとても危険なことだということですね。みなさん気を付けましょう。

 今夜は、ウインブルドンの決勝とワールドカップの決勝戦が行われています。これで明日からは夜も少しは静かになりますね。写真は〝テンのお昼寝〟。テンも暑すぎてバテています。ここに貯めていた新聞を全部縛って廃品回収に出しましたので、その空いたところにテンがいつの間にかはまっていました。猫はこんなところがホント好きなんですよね。

 

 

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兼題は〝薔薇〟

2018年07月14日 | 俳句

 山口の最高気温は、昨日35度、今日は36度と全く下がる気配がありません。今居間のエアコンが毀れて使えませんし、だから家にいても暑すぎて仕事になりません。それで、昨日は午後からフラダンス、終ると今度はリハビリへ。その間はクーラーが効いていますので、涼し~い!

 今日はダブル句会の日です。先日に懲りて今回は早めに準備していましたが、最後のところが残っていましたので、クーラーのある他の部屋で仕上げました。いろんなものを取りに行ったり来たりして、…やっぱりいつもの部屋でないと不便ですよ。

 昼の句会の兼題は「薔薇」、夜のは「雲の峰」でした。昼の部は本当に初心者ばかりなので、思いがけないような句が飛び出して、面白いです。今回の最高点〈飛び立つ機見送る人の胸に薔薇〉についても、いろいろな問答が…

 「誰が誰を見送るの?」「作者じゃあないわね~」「胸に薔薇がミソね~。これは女性が男性を見送っているんでしょうね。」「どんな関係かしら?親子じゃおかしいし、結婚式なら胸に薔薇はお父さんかも…」ついに「これはただならぬ関係の二人かも…相手は東京の人で…」などなどと、賑やかなことでした。作者は「空港で見かけた景で…送迎デッキに身を乗りだすようにして見送っているのが何とも切ない…」「若い人でした?」「いいえ…」これで小説が書けますね。

 「俳句」6月号の付録の、宮部みゆきさんの「ぼんぼん彩句」で、俳句三句に短編小説が掲載されていましたが、読まれましたか?面白かったですよ。たった五・七・五の17文字で物語が展開していく…これが俳句の力だと思います。何も連想が働かない句はそれで終りですから、「ああ、そうですか」という句になって面白くないですからね。

 もう一句面白い句がありました。〈若ければ優美に妻へ薔薇の花〉もちろん男性の句です。

 この句には女性陣全員からの反論がありました。「若ければ」でなくても、いくつになっても女性は花をもらいたいわ~と。すると作者曰く「日本の男は女性に花を贈るなんて…恥ずかしくって。気持ちはあるんですけどね~格好悪くて!」女性みんな「そんなことな~い!白髪の紳士が深紅の薔薇の花束を女性に差し上げるなんて…ステキ!」と。作者はもう80歳を過ぎて…でもとてもお元気で、みんなを楽しませてくれる方です。そこで、〈いつまでも心は妻へ薔薇の花〉と直し、是非この句を薔薇の花の代わりに奥さんへあげて下さいねと。みんなそれで納得!

 夕べは疲れて帰ってきて、金曜日も忙しくてブログ書いていませんので頑張ったんですけど…。途中でダウン。それを今やっと仕上げました。だからこれは昨日の分です。今日の分はまた、夜でも書きましょう。書くことはいろいろあるんですが…ね。

 写真は「藪茗荷」で、季語になっていませんが、ツユクサ科の多年草。山野に自生し高さ約50センチ、長楕円形の葉は茗荷に似ていて、夏白色の小花を開き、球形・藍色の果実を結びます。わが家の藪の中に一本だけありました。鳥が実を食べてそれを糞で落していったのかも。

 

      

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俳画〝団扇〟

2018年07月12日 | 俳句

 今日の暑かったこと、当然30度は超してる…と新聞を見ると最高気温34度、さらに明日は35度と…もう堪りません。だってエアコンはまだ取り付けに来ませんので、ホント扇風機と団扇だけですよ。一昔前を思い出していますが、その頃はこんなに気温は高くなかったですよね~。あと4日の辛抱!ガマン、ガマン!

 午後は俳画教室、さあ出掛けようと車に乗るとハンドルが熱くなりすぎて持てません。アッチッチ…と手を離す始末、これは危ないと濡れタオルで少し冷してから出掛けました。

 今日の画題は、「団扇」で、夏の季語です。

  宵浅き灯に絵団扇の品さだめ   水原秋櫻子

 団扇は中国から伝わったものですが、江戸時代に岐阜・京都・丸亀など各地で団扇製作が盛んになりました。扇が携帯用とすれば団扇は家庭でくつろぐ時に使うものですが、昨今はエアコンの普及でほとんど姿を消しました。何かお祭りや野外でのイベント、ナイターの見物などの出番しかなくなってしまいましたが、やはり日本人には愛着のあるものです。絹を張った絹団扇や絵が描かれた絵団扇、また、柿渋を塗って丈夫にした渋団扇などがあります。

 秋櫻子先生の句は「絵団扇」、そのいろんな図案を、宵になったばかりの灯にかざして〝今日はどの絵の団扇がいいかなあ~〟と、楽しみつつ品さだめをしている先生。その灯に照らし出された絵はどんな絵柄だったのでしょうかね。

 今日の団扇の絵柄は〝桔梗〟。以前風鈴を描いたことがありましたが、この〝桔梗〟は秋の七草の一つ。桔梗は今まで何度も描いていますので、それほど難しくはありません。じゃあどこが難しいかというと、団扇の円です。これが簡単なようでいて、なかなかなんです。キレイな真ん丸の円が描ければいいというものじゃあないし、いびつでもおかしいし…墨の濃淡もほどほどの俳画的な雰囲気が必要なんです。それから、この円周が最初の筆ですから手が震えますよ。だって一発勝負で絵の善し悪しが決まるんですから…。

 賛は〈打水や萩より落ちし子かまきり〉でした。これは高野素十の句ですが、見た時はビックリ!エエッ、あの天下の素十たるものが、「打水」(夏)「萩」(秋)「子かまきり」(夏)と三つも季語。これが凡人の作なら、きっとダメと言われるでしょうね。私でも言いますよ。萩でなくっても草や木でいいんじゃないの?水掛けられて子かまきりがポロッと落ちたところが可愛くて、またカワイソウでということで詠んだのなら打水でなくても水だけで…と。これは「ホトトギス」で虚子の巻頭入選句になったからいいということなんでしょうか?ちょっと私にはわかりません。

 失礼しました。写真載せるのを忘れていました。ゴメンナサイ!

 

 

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