ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

ブログ開設から319日目

2017年12月31日 | 日記

 いよいよ今日は大晦日です。この一年ほんとに早かったですね。1月の母の49日から始まって、2月にブログの開始、3月念願の城崎温泉へ旅行、4月甥の結婚式、5月ワンゲル同期会の鹿児島旅行、6月初めての〝あしかび会〟の1泊研修会…ウン、まだありますね。母の初盆にワンゲル60周年記念式典、最後は母の一周忌と納骨のための京都旅行…最後のトドメがこれから出発します〝英彦山〟へのお参りです。

 もちろん一番私にとって忘れられない、句集『甘雨』の出版。そのお礼参りも兼ねての英彦山旅行です。母がいるときは毎年欠かさずに、お正月は故郷の大分で過ごしていたんですが、母が亡くなったので、去年からはどこかへ出掛けて新年を迎えています。昨年は熊本県荒尾市の三井グリーンランドのカウントダウンへ1泊で行きました。家族全員が揃ったのは始めて…それで今年もと言うことで計画を立てましたが、宿が一部屋しか取れず、諦めていたんです。ところが、キャンセルが出て、ヤッター!でした。

 今は日も差してきて天気もまあまあですので、今から出掛けます。ブロブの開設から今日で319日ですって!最初はどうなることかと思ったのですが、よく頑張りました。パチ!パチ! 今まで訪問して下さった皆様、心からお礼を申し上げます。来年もまたよろしく!

 それでは、皆様よいお年をお迎え下さいね。

 あ、忘れていました。やっぱり最後の俳画教室でSさんからの干支の〝戌〟を頂戴しました。包装もだんだん凝って綺麗な袋になりました。昔はティッシュにくるんだだけだったのに…何でも進化するんですね。来年もガンバロウ!

 

 

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極楽鳥花

2017年12月30日 | 俳句

 ブログ余りにも忙しくて3日ほど休んで、やっと今日は大掃除の…真似事かな?本格的とはとても言えないから、普通の掃除に毛が生えたようなものをしました。

 去年は非常に気になっていた風呂場の黴と台所の換気扇の中がきれいになったし、それなりに大掃除の感じがしたのですが…。実は風呂場の黴と換気扇はダスキンの大掃除キャンペーンを利用してのことなんです。ナント横着な主婦でしょう!と、軽蔑しないで下さいね。あの風呂の目地の黒くなったのや天上の染みのような黴、特に天上はなかなか取るのは難しいんです。もちろん目地は市販のカビキラーで掃除したんですよ。ですがイマイチ綺麗になりません。でもさすがですね~プロは違いました。ホントにピカピカ!こんなんだったらもっと早くするんだった…と思ったほどです。何年も入浴する度に天上の染みを見ては嫌になっていましたから。そのストレスを考えれば安いものかもとね。まだ今年も風呂は綺麗ですし、換気扇も気になりませんので、楽ですよ。それでまあ普通の掃除を丁寧にするぐらいで終りです。

 この大掃除を昔は、「煤払(すすはらい)」「煤掃(すすはき)」などといって、冬の季語です。

   煤はきやなにを一つも捨てられず      各務 支考

 この気持ちよく分かります。私も今度こそいい加減に全部捨てようと思っても、またまたたくさんのものに囲まれて…年を越しそうです。この前から〝断捨離〟とういう言葉が流行って…、私もずう~とそれを思い続けているんですけどね~。

 その煤払いの時、掃除をしない老人、子供、病人は埃を避けるために別室に籠ったりしますが、それを「煤籠(すすごもり)」といい、その掃除から逃れるために外出してしまうことを「煤逃(すすにげ)」といって、どちらも冬の季語。

 我家には煤籠りはいませんが、煤逃げは一人います。息子です。だからいつも主人と二人で大掃除です。

   煤逃げと言へば言はるる旅にあり      能村登四郞

 こんな身分になりたいですね。でも誰が掃除するの? 登四郞先生はきっと奥さんでしょうが。女はソン…ですね。

 28日の木曜日、今年最後の俳画教室がありました。画材は〝極楽鳥花〟(ごくらくちょうか)でした。ストレリチアといって、バショウ科の観賞用多年草です。高さ約1メートル、革質長楕円形の大きな葉を根性し、花が極楽鳥の冠を思わせるので〝極楽鳥花〟と言われ、葬儀場での献花としてよく使われています。これ縁起がいいような悪いような…。この花は季語ではありません。賛は〈盤石の割れ目に咲きて冬すみれ〉津田清子さんの句です。

 

 

 

   

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水仙花

2017年12月26日 | 俳句

 今日は27日、今年もいよいよあと4日となりました。昨日からひたすら年賀状の準備です。今年は句集のお礼などで例年より数が増えていますので、目いっぱい頑張っても忙しいんです。実はこのブログ昨日書いて写真を載せようと捜していたら…そのままウトウトと。今日は又朝からすることがあって、ブログなんか書いていたら叱られる始末…とうとう二日がかりのブログになりました。

 ところで、この年賀状は新年の季語なんですが、「賀状書く」となると当然冬の季語になります。

   みささぎの梢の見ゆる賀状書く       波多野爽波

   一つ灯を妻と分け合ひ賀状書く       高村 寿山

   賀状書くけふもあしたも逢ふ人に      藤沢 樹村

 勤めていたときは三句目のようなことがありましたが、今は一年に一回のご挨拶で書く人が増えてしまいました。でも、歳を取れば元気だという事だけでも分かると安心しますよね。毎年来る人から急に来なくなると心配してしまいます。もしかしたら重病なのでは…、とか、いやもう亡くなったんでは…とか考えてしまいますもの。

 私が俳句を始めたとき、いろいろとお世話になった先輩が近くの施設に入っていらっしゃったんですが、今連絡が取れなくて心配しています。頼れるような親戚がなく、一人暮らしでしたので、それまで住んでいた家を売り、早くから老人ホームにお世話になっておられました。元気な間は、自由でどこにでも出掛けられるし、食事などの心配もいらないし…気楽でいいよと、でも死んだ時、他人に迷惑は掛けたくないと、献体を申し込んでおられました。そうすれば葬式もいらないし、あとのことは医大で面倒をみてくれるからと。そんな話を淡々として、いつも楽しそうに句会に来ておられたんですよ。しかし、今年になって、〝90歳もなると俳句ができない〟と弱音を吐かれるようになり、だんだんと記憶もおぼろげになっていきました。でも元気な時にたくさん人の世話を喜んでしてこられた方でしたので、誰彼となく手を差し伸べて面倒をみてあげていましたから、いつも寂しい思いもせず、「何もかもみんな俳句のお陰ですよ」と、感謝しておられたんですよ。

 それが、最近になって園に連絡しても〝外泊中です〟としか返事が貰えず、困っていました。きっとどこかに入院されているのでは…と思い、園に行けば教えて貰えるのではと行ってみると、今度は〝退園されました〟という答え。それ以上は何を聞いても〝ワカリマセン〟の一点張りでした。

 個人情報なるものの取り扱いが厳しいからなんでしょうが…。こんな場合教えてくれてもと思うんですけどね~。だって30年以上の付き合いなんですよ。あちらこちらへ一緒に旅行にも行きましたし、せめて最後は見送ってあげたいと思うのが人の情というものでしょ!皆さんはどう思われますか?結局は全て個人情報ということで調べようがなくなってしまったんです。こんな形で消えてしまわれるのは…余りにも悲しすぎます。

 今日の写真は「水仙」、冬の季語です。この度の私の句集『甘雨』の第2番目の句です。〈水仙花挿して直系疑はず〉そう言えば、先程の先輩も〝水仙〟のような人でしたね。水仙の横にはブルーベリーの紅葉がまだ残っていました。

 

 

 

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カレンダー

2017年12月25日 | 俳句

 今日やっとカレンダーが二つ手に入りました。どうも年々カレンダーを貰うのが少なくなっていくような…。昔はたくさん集まりすぎて、欲しい人に分けてあげていたンですけどね~。もう平成があと1年ちょっとしかないからかしら。ウン…ホント?

 以前はカレンダーも選り取り見取りで、あちらこちらに掛けていました。今年はなんとまだ3,4種類…今から来るのかしら?昔はカレンダーというものは貰うもので買うものではないと思って、買ったことがなかったのですが、今は〝俳句カレンダー〟を毎年、1200円で購入しています。娘は〝猫カレンダー〟を、写真がメインですから結構高いんですが、買っているようです。

 季語にも「暦売」や「暦配(こよみくばり)」がありますが、これは昔朝廷や幕府の許可のもとに伊勢神宮をはじめ各地の神社などで干支九星の暦が編集され、それが年末ともなると神社の使丁が箱をかついで売り歩いたり、来春の清め札とともに氏子のもとに配ったりしていたからだそうです。

   君が世や寺へも配る伊勢暦     小林 一茶

   暦売夢判断も取揃へ          高浜 虚子

   人波の流れやまぬに暦売      富安 風生

 私が一番重宝しているのは、書き込み欄が広いもの。写真や絵がどんなに綺麗でも書くところがないとダメ。最近は物忘れが増えて、書き込みをしておかないと。でも今度はそれを見るのを忘れていたりして、本当に困ったもんです。とにかく目につくところに提げておかないとね。そんなわけでシンプルで実用的なものが一番いいんです。

 写真は、クリスマスのマグカップ。くじで当たったんですよ。先日仲間とランチに行って、そこで食事したらサービスに1回くじが引けるんです。それで、私一人が4等に当り、あとはみんなビリの5等で飴。と言っても小さなおしゃぶりキャンディ1本。差がありすぎる~と皆が文句を言ってました。だって、私一人がAランチ(1000円)で他はみんなBランチ(1500円)だったんですものね。悔しい気持ち分かるでしょ!私は…ウフフ…。

 

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紅白の南天の実

2017年12月23日 | 俳句

 昨日は「冬至」でした。二十四節気の一つで、一年中で最も日が短いんです。古代中国ではこの日から陽気が復するとして「一陽来復」と呼びます。また、この日には粥や南瓜やこんにゃくを食べたり、柚子湯を立てて入ったりする習慣があります。

 南瓜は保存がきき、栄養価も高い。さらに運を呼び込む「運盛り七種」の一つですので、無病息災を願って食べます。冬至粥は、小豆の赤い色が邪気を払い魔除けになるし、栄養価も高いから。こんにゃくは「砂おろし」と言って、体の中の悪いものを出すのに精進料理で僧たちが食べていたのが民間に広まったもの。冬至風呂、すなわち柚子湯は、江戸時代に銭湯ができ、客寄せに始まったものですが、その強い香りで身を清め邪気を払い運を呼び込むため、また体が温まり代謝が良くなるので風邪予防になるとか、語呂合わせで、湯治(冬至)をして融通(柚子)がきくようになるからなどと考えたんだそうですよ。昔の人はエライですよね~。専門的知識や科学的根拠が何もなくてもちゃんと理に叶った〝くらしの知恵〟を身につけていたんですから。それだけ長生きするということが難しい時代だったんだということでしょう。今日のように、ものすごい長寿時代になったのに、その命を粗末にするような話を聞いたら怒るでしょうね。バカヤロウって!怒れ、怒れ!人間怒るときには怒らなくっちゃ~ね。

   残る日の柚子湯がわけばすぐ失せぬ     水原秋櫻子

 水原秋櫻子の句です。(昭和20年作、句集『重陽』)故水原春郎前主宰の鑑賞文(『秋櫻子俳句365日』より)を見てみましょう。

 父は二十四節気を大切にしていた。即ち自然を大切にしていた証拠でもあろう。

 戦争が終った年のことだから、世の中そんなに明るいと言えず、未だお先真暗だった。食物にも苦労していた。小田原に父の姉がいたので、柚子はそこから貰ったのかも知れない。八王子時代の風呂は五右衛門風呂だったが、そこに一つ、二つの柚子が浮んでいる。たっぷりした湯に首までつかり、この一年の激動に思いをはせる。ああ、あと数日で今年も終るのかと寂しい気がしないわけではない。数え日という言い方もあるが、ここでは「残る日……失せぬ」とせねばならない。

 私にも以前闘病をしていた頃に〈一陽来復信じ南瓜に刃を入れぬ〉とか〈長病みに夫炊きくれし冬至粥〉などと詠んだ句があります。この日が来ると、これからはきっと良い方へ向いていきそう…と何となく思ってしまうんです。私、結構何でも信じやすいタイプ!

 でもその信心のお陰で今があると、心から思っていますから。それは普通では理解出来ないような不思議な体験をたくさんしたからなんですよ。父も母もとても信心深い人でしたもの。有り難いといつも思っています。

 我家の紅白の「南天の実」です。これは秋の季語ですが、冬になってからの方が色が良くなりました。この木も昔から「難を転ずる」という意味で、縁起のものとして庭木に植えられ、箸にも加工して使われました。紅白だからお目出度いとも言えるでしょうね。

 

 

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〝けんちょう〟知ってます?

2017年12月21日 | 俳句

 今日の木曜日はちょっと余裕があって、あれもこれもしなくては…と思っているうちに一日が終ろうとしています。結局するべき事が山積みのまま…。でも、本日はラッキーでした。だって、朝宅配便が来て、みれば奈良からです。包装を見ると〝柿の葉寿司〟。大学の先輩から句集のお礼にと送ってくださいました。有り難い!今夜は楽勝です。

 そこで貰った大根がありましたので、〝けんちょう〟を炊きました。

 皆さん〝けんちょう〟ってご存じですか?私が結婚してこの宇部に来て真っ先に教えて貰った料理です。大根を煮る料理はどこにでもあるでしょうが、私が知っているのは大体おでんとか風呂吹きとかです。この〝けんちょう〟はどうも山口県の郷土料理のようです。

 我家の〝けんちょう〟は、ホントにシンプルで、大根と人参、それに豆腐だけの、まさに精進料理。でもこれが絶品なんですよ。主人の母は広島の人、私は大分、娘は高松に嫁入りしたけど、どこででも食べたことがないと。今では娘や息子にとって私の作る〝けんちょう〟が「おふくろの味」になってしまったようです。 

 味付けは醤油とみりんと少々の砂糖。まずはイチョウ切りにした大根と人参を油で炒め、しっかりなじませます。少し火が通った所で、豆腐を手で潰して入れます。それから調味料。水を一切使わずに大根と豆腐から出た水分だけで煮るんです。だから火加減が大事、焦すと焦げ臭くなって美味しくありませんので、コトコトと弱火で煮含めます。10分もすれば出来上がり。すぐ食べるのも美味しいのですが、私は次の日などに味が良くなじんだけんちょうが一段と美味しくなって、とても好きなんですよ。是非一度お試しあれ!

 人によっては椎茸や油揚げを入れたり、鶏肉なども入れたりと…いろいろあるようですが、私はこのシンプルなのが一番美味しいと思います。作り方を教えたのに、娘が作ると私の味と違うらしく…どうしたらこんな味になるの~と言うんですがね。ワカリマセン!

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四季を描く 「一瞬(とき)」 ー馬場良治展ー

2017年12月20日 | 俳句

 昨日の句会で、Sさんの「馬醉木」上位に載った句が、〝あれはミスプリントでは?〟という話が出ました。それは〈断崖の地層露や雁渡し〉という句。季語は「雁渡し」だから「露」はおかしいのでは…と。私も一瞬エエッと思ってしまったのですが、「露」という字は「あらは」とも読みますので、そう読めば間違いではないんですね。何でも自分が知らないからといって、マチガイだととってはいけません。よい勉強になりました。

 その時、馬場良治さんの絵の話が出て、今個展をしていると…それも明日までと聞き、今日午前中に旦那を誘って行って来ました。

 馬場さんは知る人ぞ知る日本画家で、重要文化財復元の第一人者です。1949年(昭和24年)宇部市生まれ。東京芸術大学大学院で保存修復技術を研究。1984年から文化庁の依頼を受け、国宝や重要文化財の色彩調査と修復に取組んでおられ、東京を拠点に宇部市にもアトリエを構えて、作品制作から後継者育成への指導などを手がけておられるのです。実績は国宝の醍醐寺や三千院の天井画の修復など、いろいろと世に知られています。もちろん私も新聞や人の話で聞いて知ってはいましたし、絵なども写真などでは見たことがありましたが、なかなか機会がなく実際に見るのは今回初めてなんです。

 馬場良治展  四季を描く「一瞬(とき)」 

 会場は昨年12月に宇部市にオープンした「集古館」(馬場良治文化財修復技術研究所)です。集古館は、6600㎡の土地に、平屋部分528㎡、地下部分330㎡の赤煉瓦造りの素敵な建物でした。

 パンフに書かれた「ご挨拶」の文をどうぞ。

 このたび「一瞬」を継続して集古館にて『馬場良治展』を開催いたします。思いと制作がかみ合わず毎日が過ぎ去っていきます。文化財と制作とのバランスは過去においては、さほど気にならなかったような気がいたしますが、近年、両輪が難しくなっています。

 制作の限りない挑戦を続けたいと願ってやみません。皆様のご高覧のほど、心よりお待ちしております。

 写真OKということで、素晴らしい作品ばかりでしたが、特に私の好きな絵を撮ってきました。やっぱり下手でゴメンナサイ!

 ここが出来る前は同じ宇部市ですが、「地神舎」というアトリエで何度か開催されていたそうで、そちらの方へも来て下さいと、案内の方が仰いました。それでついでに寄ってみようと行きました。それらしい建物を見つけて行ってみますと、人の気配が全くなく、戻ろうかとしたとき、一台の車が入って来て、降りようとする人が…、アッ!馬場良治さんよね~と旦那に言って、声を掛けました。集古館を見てここへ来たこと、ここが初めてだということをお話しすると、「ちょっと絵を取りに来たんだが、御覧になりますか?」と仰って、中へ案内して下さいました。ラッキー!こんな奇遇はめったにないことで、記念に写真を撮らせて頂きました。もちろんブログに載せることも了解して…。

 

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胡桃の種

2017年12月19日 | 俳句

 今日は久し振りに太陽の顔が拝めて、喜んで昼からの句会へ出掛けようとして外に出ると、なんと霧のような雨が…日照雨でした。

 今年の最後の教室が26日だったのですが、それでは投句に間に合わないということなので、急遽1週間早めて今日やりました。会場の関係でいつもの時間より1時間早く始めての開始です。

 今日の兼題は「裸木」で、もちろん冬の季語。「枯木」の傍題で、冬に落葉を終えてまるで枯れたように見える木のことです。

   妻恋へり裸木に星咲き出でて     石田 波郷

 波郷が清瀬の療養所に入院中の句でしょう。元気な人でも夜になり星が瞬き始める頃は何となく人恋しくなるもの。ましてやここは結核の療養所、昔からサナトリウムは人里離れた林などの空気が綺麗な所にあったような…もちろん行ったこともない所ですからよくは分かりませんが、昔ですもの、きっと冬はとても淋しい所、だから星が枯木に灯り始めると華やかな都会を思い、そこにいる妻や子を思ったことでしょうね。なんせ波郷は名だたる愛妻家だったそうですから。私が俳句を始めた頃、もちろんこの句のことは知りませんでしたが、〈この指とまれ星の子ら呼ぶ大枯木〉と詠んで、前主宰の水原春郎先生に秀句として鑑賞して頂いたことがあり、今でも忘れられません。初心の頃の私が懐かしいですよ。

 句会が早く終ったので、句集を届けがてら久し振りに大学の先輩の家に寄って帰りました。その時奥さんから〝生海苔食べたことある?〟と聞かれて、ないと言うとお土産に下さいました。海苔の佃煮や寿司に巻く海苔しか食べたことがありませんでしたので、初めての食感と加工した海苔と違う磯の香りがとても新鮮でした。洗って刻みポン酢で食べるんですよ。美味しそうでしょう。これ酒の肴にいいんですって!

 写真は何か分かりますか?先日行った常盤公園の花壇にあったんですよ。豚の鼻のように見えませんか?胡桃の種を割ったものです。

 

 

 

 

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校長先生のトランペット

2017年12月18日 | 俳句

 今日も寒い、寒い…超冬型の天候で、凍てつく雲はびくとも動こうとしません。でも時折日は差すんですが、なんせ最低気温-1℃ですもの。昼間も寒いので、動きが鈍くなり、何事にも時間がかかり困りますね。

 今日は午後句会でした。13時30分会場に着いてみると何だか賑やかな雰囲気…。すると、隣の講堂で校長先生の〝トランペット〟の演奏があるから聞きにいらっしゃいませんか、というお誘いがあり、みんなで聞きに行きました。学童保育の子供たちへのクリスマスイベントらしく、校長先生がサンタさんの格好で、クリスマスソングを次々にトランペットで演奏して下さいました。

 

 それが済むと今度は紙芝居…句会が待っているので皆引き上げたんですが、私は出番を待っていらっしゃる方につい目が止まり、〝これから演奏されるんですか?〟と聞いてしまいました。だって狩衣装束でお二人が座って待っておられるから、興味が湧いて…。

 〝写真撮らせて下さい。〟とお願いし、ブログに載せることも了解して頂きました。「龍笛」と「笙」です。是非演奏を聞きたかったのですが、私がなかなか来ないので始められないと呼びに来られる始末…困った先生ですね。(笑)でも~…残念!

 兼題は「年用意」で、もちろん年末の冬の季語です。初心者にはこの季語、結構難しいかも…。なぜかというと、つい年用意の中身を詠んでしまう、要するに季語の説明をしてしまうんです。やっぱり出ましたね~。

 〈カレンダー選り好みすや年用意〉〈初めての三年日記年用意〉〈念入りに部屋の掃除や年用意〉〈朝焼にサッシの汚れ年用意〉など。 カレンダーを選ぶのも、三年日記を買うのも、部屋やサッシなどの掃除をするのも、全部「年用意」の一つ。それに、カレンダーなら「暦の果」や「初暦」、日記なら「日記買う」「古日記」「初日記」、掃除なら「煤払」「煤籠」などの季語がちゃんとありますから、それを使って詠んだ方がすっきりするでしょう。

 例えば〈初めての三年日記買ひにけり〉で十分だし、〈厄年や選り好みする初暦〉とか。また掃除の句は、〈蒲団干す念入りに部屋掃除して〉とか〈煤払サッシの汚れ見てよりの〉とかで十分に〝年用意〟の感じは出せるでしょう。いかがですか?では、またね。

 

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侘助

2017年12月16日 | 俳句

 今日は朝からどんよりとして、寒い一日でした。午後からの句会もこんな日はあまり気乗りしませんね。おまけに年末の忙しいときだからでしょうか、出席者も8人…投句者も16人の80句と日頃より少なかったです。

 帰宅すると、「馬醉木」1月号が来ていました。表紙は百瀬智宏氏の「椿」の絵。手にとって一瞬今月は写真かと思ったぐらい…今までになく写実的な絵でした。

 今月の「秋櫻子の一句」と、小野恵美子さんの鑑賞文をどうぞ。

   焚火してその子の凧を仰ぐ父    秋櫻子 句集『殉教』より

 独楽も凧揚、羽根つきも大の得意だった。「その頃の東京の子供は、屋根の上の凧揚げが巧く、窓から屋根へ抜け出る術や、瓦の上を平地の如く駈ける術などを心得てゐた」と小学校時代を想起している。やがて屋根が傷むからと禁じられると塀の上で揚げ、中学に進んでからも続いた。「独楽も羽根つきも父に習いました」という春郎は大泉まで自動車で凧揚に行った記憶があるという。

 德田千鶴子主宰は、馬醉木集「選後反芻」で、「出掛ける時、スイカ(JRの自由切符)や携帯電話を忘れるとちょっと慌てます。機械にとらわれたくないと思ったのは遥か昔。その便利さに馴れて、当然のように使っています。時代に流されずに、しかし逆らわずに句を詠むのは難しいけれど、視点の新しさと抒情を大切に、詠んでいきたいと思います。」と書かれています。

 私は地方にいるので、あまり時代に流されるという感覚を味わうことがなく暢気に作っていますが、その反面マンネリ化に陥りやすくなりますので、自分なりに常に「視点の新しさ」は考えています。しかし、短詩型の俳句には類想・類句という問題からどうしても逃れることができませんから、日々が自分との戦いですよ。よく「こんな俳句はごまんとあるよ…」などと言われると、ちょっとひるんでしまいますが、でもそれを恐れていては前に進めませんので、とにかく何でもいいから作ることでしょうね。そして、どんどん捨てていくこと。そういう中でこれはという句に出会って、それが残っていけばいいかなとも思っています。要するに〝たかが俳句、されど俳句〟なんですよ。頑張りましょう!

 写真は「侘助」、冬の季語。秀吉が朝鮮出兵をした文禄・慶長の役の際、日本にもたらされたと伝えられる唐椿の一種です。花は小ぶりの一重咲きで、葉も小さく細身の楕円形。椿よりも全体に簡素なつくりで気品があり、その名とともに茶人に好まれる花です。

   侘助の花の俯き加減かな     星野 高士

 

 

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初恋の色の〝山茶花〟

2017年12月15日 | 俳句

 今日の天気予報は午前中は午後から、夕方から夜にかけて…、その通りになりました。今日は俳句教室、明日は句会で、来週の月曜日はまた句会。今年最後のトメが26日火曜日の俳句教室です。

 今日の兼題は「凩」、「木枯し」とも書き、初冬の季語。字の通り「木を枯らす」冬の初めに吹く強い北風のこと。これが吹くようになれば落葉樹はみな葉を落し、裸木となって春が来るまで休眠します。他の生き物たちも冬眠したり死に絶えたりと…万物息を潜める暗い黒の季節なんです。ちなみに、古代中国の陰陽五行説から春は「青」、夏は「朱(赤)」、秋は「白」、冬は「玄(黒)」で表します。ですから、四季を「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」と言うんですが、次の句はその「玄冬」で詠んだもの。

   玄冬の鷹鉄片のごときかな    斎藤 玄

 この作者を紹介すると、北海道函館生れ、本名俊彦。1914年~1980年、66歳癌で死去。学生時代「京大俳句」の西東三鬼に師事し、その後石田波郷の「鶴」に俳号玄で投句し、同人となる。故郷で1940年「壺」を創刊、途中中断するも1973年復刊。1979年第5句集『雁道』で、第14回蛇笏賞受賞。癌との闘病中、自身の死を見つめる透徹した句を詠んだ人。

 ところで、兼題句の互選をしていたとき、一句だけ「古枯し」という句がありました。誰も気がつかずに選をしていましたので、選評の時、「どこかおかしくない?」と聞いてもみんな首を傾げるだけ…。ほかの句と比べてごらんなさいよと言って、やっと「あっ!字が違う」と。ほかの句の時、「老い」だの「独り」だのというマイナスイメージの暗い句があり、「こんな年寄りくさい句はだめよぉ~」と言った人の句でした。だから、まだ古くさいのがいいのね~などと私が言うと、皆が笑っているのに、ご本人だけまだ何のことやらポカ~ンと。理由を説明してあげるとやっと誤字に気がつき…「エエッ!今写した他の人の句も全~部〝古枯し〟と書いています!」と。もう爆笑です!だって今月は誤字が多かったですよ~気を付けましょうと言った鼻先ですからね。こんな調子で今年最後の句会も楽しく終りました。誰でも思い込んだらもう他のことが見えないんですね。皆さん誤字には気を付けましょうね。(自分のことは棚に上げてね)

 これは私の好きな我家の山茶花です。ほんのりと薄紅が差して…いいでしょう!

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今日の俳画は〝剣玉〟

2017年12月14日 | 俳句

 またまた今日も雪雲に覆われて…でも雪は降りませんでしたが、なんせ寒かったです。

 今日は俳画教室の日、画題は「剣玉」で、木製の子供のオモチャです。

 「拳玉」とも書き、江戸時代に中国から伝来したもの。明治初期の学制が布かれたころには、これが教育玩具として紹介されたこともあるそうで、大正のはじめごろに「日月(じつげつ)ボール」の名で十字形にした皿三つの現在の形のものが考案されて流行したんです。

 でも現在は「けん玉」と書き、ストリート系の遊びとなりました。更に「全日本けん玉道選手権大会」や「けん玉ワールドカップ」などもあり、とうとう全世界にまで広まりつつあるようです。また、「日本けん玉協会」主催の「級・段位認定会」などもあって、どこかの大会で優勝した人の技などをテレビで見たことがありますが、スゴかったですね。何事も一生懸命やれば一芸になるんですよね~。私もがんばろう! この俳画の剣玉どうです?まあまあ?…ですか。ありがとうございま~す。 賛は「無事」です。これは競技用ではなく、飾りとしてのけん玉で、先生が実物を持って来ておられました。

 

 

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枯蟷螂(かれとうろう)

2017年12月13日 | 俳句

 寒い!寒い!…わかっちゃいるけどサム~イよ。こちら三日前から雪雲に覆われて、霙、粉雪と…完全に真冬の気候です。去年はこんなに寒くなかったような気がするんですがね。一年前のことはもうすっかり記憶にありません。ホントに歳を取る度に物忘れがひどくなり、困ったもんです!

 今朝早く電話のベルが…寒いのでまだ蒲団の中でうつらうつらしていると…しばらくして止みました。ああ旦那が取ったのかと、起きていくと〝おまえが取ったのかと…〟〝う~ん、誰からだったんだろう?〟そのままで朝食を取っていますと、また電話。娘からでした。

 「昨夜ハートが死んだの…」と、涙声。「そう、…やっぱり…辛いねぇ~」と私。実は月曜日、用事があって二人で朝から夕方まで出かけて、帰りに娘の家に寄ったんですが、その時にもうハートの様子が変で、嘔吐と下痢をしていました。娘が言うには前から下痢をして食欲もなくて…と、心配していたそうです。もちろん一日中出かけるし、寒いので暖房は付けたままにして行ったんですよ。

 昨日はすぐに病院に連れて行き、点滴もして貰って様子を看ていたそうですが、夜11時過ぎに亡くなったと。今日仕事から帰って葬儀屋さんに連れて行くので、一日見ていてほしいとの電話でした。

 この猫は二年半ほど前から寝たっきりになって、娘が親身に介護をしていました。それで、泊まりで出かけるときは、トワ(以前ブログに写真を載せた猫で~す)と一緒にいつも我家に預けていましたので、私も旦那も情が移って可愛がって世話をしていましたから、淋しいかぎりです。動物を飼うのはいいのですが、自分が先に死なないかぎりこの哀しみに立ち会わなくてはなりません。分かってはいるんですが…何度味わっても辛いですね。だって1週間も飼うと、もうしっかり家族の一員ですものね。特にこの猫は野良だったのですが、人懐こくて、娘がこちらに引っ越して淋しい思いをしていたとき、慰めになってくれた猫なので、余計思いが強かったんでしょう。

 写真は〝枯蟷螂〟(かれとうろう)で、冬の季語です。初冬に褐色のカマキリを見かけることがあり、昔の人はこれを蟷螂(カマキリ)も草木と同様に枯れて緑のものが変化したと考えたのです。しかし、カマキリには緑色と褐色のものがあり、途中から色が変ることはありませんが、季節感を感じさせる言葉なので、事実とは違いますがそのまま季語として使用されています。

      

       枯れてなほ蟷螂の眼に夢の色

 これは、この度の私の句集『甘雨』に所収の句です。この句について「ふらんす堂編集日記」のyamaokaさんの鑑賞がありますのでご紹介します。      

夢の色とは、いったいどんな色をしていたのだろうか。生気をなくして枯れていく蟷螂である。しかし、生の名残がその眼だけには残っていてそれを夢の色と詠んだところに詩情が生まれた。だからその色は限定されなくていいのだ。緑に見えたかもしれないし、あるいは黄色、白かもしれないが、それを著者は「夢の色」と判じたのである。「死」という虚無にささやかな救いを与えたいという著者の願望がそこから夢の色を掬いとったとも。あはれなる救いではあるが。
 
 この写真は、天気も悪く寒かったので、急いで撮ってピンぼけ!もっとしっかり蟷螂の眼にピントを合わせていれば…残念!

 

 

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ストロベリーツリー

2017年12月11日 | 俳句

 先日嬉しいことがありました。俳句文学館の会報に第24回俳人協会「俳句大賞」の発表があり、その大賞に…もちろん私ではありませんよ!ご心配なく。(笑) わが馬醉木の若手俳人・大場ひろみさんが受賞されたんですよ。彼女には何度もお会いしたことがあるし、かつて若手の勉強会でもご一緒したことがありますし…本当に嬉しいことです。その句はというと、これです。

   月涼し母の命の番をして   大場ひろみ

 この賞は、俳人協会員を対象とするもので、今回の応募総数は6906句。これが5人の予選選者によって971句に絞られ、さらに8名の本選選者がその中から特選3句・入選20句を選出し、所定の選考会を経て、大賞1名・準賞1名が決定されたんです。私の知る限りこの賞を馬醉木の人が取ったという記憶はありません。その選考会におけるこの句を特選に選ばれた選者の講評をご紹介しましょう。

 高田 正子「お母様はもう長くないのでしょう。ご病気かもしれないし、かなりのお年なのかもしれません。その母を看ている子のほうももう若くはないのでしょう。そういう状況にありながら、順縁で送るまっとうさと申しましょうか、達観したところがあります。それが『月涼し』のゆえんかなと思いました。でも、番をしていないと今にも消えてしまいそうな命なのです。静かですが、ぐっとくるところのある句だと思いました。」

 大石 悦子「『命の番』に心を打たれました。母そのものの番人になっているような様子が命がけで、母に対する愛情とか、介護している自負があらわれている。『月涼し』というさりげなさで、かえって深い心のありようが出ています。」

 ちなみに準賞は、小田切アヤ子さんの〈くろがねの音たて洗ふ寒蜆〉でした。おまけに…(笑) 私の句も今瀬剛一選で入選したんですよ。ウレシイ!その賞品として俳人協会の〝俳句手帳〟が送られてきました。句は〈咳払ひして来る父の日なりけり〉。オソマツでした!

 珍しい木に出会いました。この花…何かに似てる…ウ~ン、馬醉木?イヤ、ブルーベリー?イヤ…すると、傍で手入れをしていた人が「ストロベリーツリー」と教えてくれました。ワ~ッ、ホント!苺みたいなのが成ってるよ!

 これは、その名の通り和名で「苺の木」ですが、ツツジ科のイチゴノキ属の常緑樹。地中海沿岸からアイルランドに自生する風などに強い木だそうです。晩秋に壺形の小さな白い花を咲かせ、果実は年を越し翌秋に緑から黄、オレンジ、赤へと変化しながら晩秋に成熟する。ということは、この写真の赤い実は去年の花の果実。今年の花と去年の実が一緒になる珍しい植物です。実は食べられるそうですが、味がないとのこと。普通は白い花ですので、これは「赤花ヒメイチゴノキ」の花なのでしょう。

   

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フォーユー俳句教室

2017年12月10日 | 俳句

 今日は朝からシトシト… 薄暗い雰囲気…でも、このところ余りにも忙しかったので、却ってホッとしています。お天気が良すぎると家の中でボーッとしているのが勿体なくて、また、何となく〝色々することあるのに、こうしちゃいられない!〟という急かされる思いで、のんびり出来ません。が、こんな天気だと気が楽で…なぜかのんびり出来るんですよね。

 昨日は例の如く朝からバタバタでした。午前中に耳鼻科へ…なんて到底無理!それは月曜に延して、午後の俳句教室へ。15人のところが今日は2人欠席で13人でした。1人は今入院中でお電話を頂きましたが、とても熱心な方。一日も早く元気になって出て来て下さい。

 兼題は「時雨」。冬の初めに降る通り雨のことです。 俳句ではよく用いられていて、一般的にも分かりやすい季語ですが、さあこれを皆さんはどう切り取って詠まれたでしょうか。楽しみです。その前に先月提出された句の添削を少し書いてみましょう。この教室は殆ど始めて一,二年の方ばかりで、まだ雑誌などに投句されていませんから、その一部をご紹介しましょう。

 間引菜や母の一芸引菜汁…3段切れに近い。間引菜と引菜は同じもの。        

 懐かしや母の自慢の抜菜汁

 天高し伸び一つして乗車する…このままでもいいが、「伸び一つして」が乗車する場面としては今一つ。    

 背を伸ばしワンマンカーへ天高し

 牡蠣御飯そなへし君へ潮香る…雰囲気はいいが、「君」は言い過ぎ、甘い句になる。「潮香る」も炊き込みご飯には言い過ぎかも。     

 海好きの夫へ牡蠣飯供へけり

 黄昏に寄り添ふ二羽の夫婦鶴…「夫婦鶴」なら「二羽」は不要だし、「寄り添ふ」も常套的で鼻につく表現。    

 黄昏に即かず離れず夫婦鶴

 秋惜しむせせらぎ静か散歩道…3段切れ、俳句はリズムが大切。「散歩道」はありきたりで、そろそろ卒業を!  

 静かなるせせらぎに秋惜しみけり

 婆のべべ着せられ案山子座り込む…今回一番面白かった句。「着せられ」は省きたいし、「座り込む」のは事実?惜しい。

 婆のべべいややと案山子そっぽ向く

 まだまだたくさんありますが、添削の基本としては、あくまでも本人の抒情を崩さないようにして、原句より少しでも多く共感を得られるようにと考えます。だからもっと良い季語などあったとしても、それは出来るだけ変えないようにと努めています。如何でしょうか?

 兼題の「時雨」では、次の3句が同点の高点句でした。

 〈手を繋ぐ飛び出す二人秋時雨〉〈しぐるるやバス待ちの間に薄日差し〉〈しぐるるや子と相傘し駅舎行く〉

 1句目、「繋ぐ」では接続がおかしいし、3段切れぽっくなる。また、「秋時雨」では兼題を詠んだことにはならない。2句目、「しぐるるや」と上五で切ると同時進行にならない。作者が言う、しぐれつつも時折薄日が差す景なら。3句目、「相傘し」は「相合傘」のことで、子供とならちょっと言い過ぎ。リズムももたついてすっきりしない。と言うことで次のように添削しました。

 〈手を繋ぎ信号駆けぬ夕時雨〉〈しぐるれどバス待ちの間の薄日かな〉〈一本を子と差し駅へ時雨傘

 夜の部の句会は17時から、これも1人欠席の10人。今日は句会を早めに切り上げて、忘年会と私の句集のお祝いを兼ねての食事会でした。昨年度は1月に外部に移動して新年会をしましたが、今回は移動時間が勿体ないし…ということで、教室にお弁当を取ってすることに。そのお弁当が先日の俳画教室の忘年会をした所の物でしたので、同じかなあ~と思ったら、全く違っていてとても美味しく頂きました。量も食べきれないぐらいしっかり詰っていて…ウ~ン、シアワセ!手作りのお菓子や差し入れの蜜柑など、結構でしたよ。俳句の楽しみは、詠んだり鑑賞したりするのはもちろんのことですが、その他に〝好きな仲間〟と集まれること。やはり〝座の文芸〟ですよ!

 では、美味しいお弁当をどうぞ! 

     

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