また、やってしまいました!
ブログを書き上げて、さあ写真をと探しに行って戻ってきたら…ない!ない!ない!
以前の既にUpした原稿は出てくるのに、今書いて仕上げたばかりのものがどこを探しても出てきません。もう…ウエ~ン、泣くしかないですよ。
今までにも何度かこういうことがあって懲りていますので、そうならないようにと下書きで投稿するのクリックを押して、画像フォルダへ移ったはず…。画像を選択して記事一覧に戻り…エエッ、何もない!もしかしたらタスクバーに同じタイトルがあったので、それを削除したからなの?その時必要な方を削除してしまったのかも…とにかく無いんです。クヤシイ!もう一度書くというのには倍のパワーがいります。 でも思い直して…書きました。
さて、さて、今日は朝からジャージャー降りの雨。天気予報で予想はしていましたが、ここまで降るとは…甘かった!実は月例吟行会が今日だったので、もしかしたらとちょっと淡い期待もしていたんです。が、今年度はどうも良くない。きらら教室でも雨ばかりだし…、これでは〝晴れ女〟も返上するしかないなあと思いながら…。
8時30分、空港の駐車場に集合…で、行ってみると、更に雨はヒドくなり今度は暴風雨ですよ。ちょっと車から降りただけでびしょ濡れになるし、傘は飛ばされそうになる…これで吟行するなんて!未だかつてないこと。
まあこれも仕方のないことと諦め、今回の参加者8人、車に分乗して、さあ出発。吟行地は防府市の「阿弥陀寺」、所要時間は約1時間余り。
ところがですよ、段々目的地に近づくに従って小雨になったかと思うと、今度は雲の切れ目から青空が覗き始めたではありませんか。天気予報では午後からは曇と言っていましたが…、嬉しい誤算です。
目的地に着くと、みんなが〝先生、サスガですね!〟と言うので、〝まあ、この程度で我慢して…〟と、返上しようと思った〝晴れ女〟の鼻がまたピクピクと動いてしまいました。ナント懲りない私だこと!(笑)
この阿弥陀寺というのは、山口県では有名な〝紫陽花寺〟なんです。でもこの吟行記は長くなりそうですし、写真も沢山有りますので、次に回しましょう。お楽しみに!
それでは今日は、先日の句会で出た話を…
句稿の中に、〝せせり蝶〟を詠んだ句がありました。みんながどんな蝶だろうと、電子辞書で検索すると、4センチ前後の小型の蝶でした。茶色の蛾のような蝶よね…などと言っていると、作者が〝黒色の蝶で調べたらせせり蝶でした。歳時記にもありましたから〟と。見ると「夏の蝶」の傍題に確かにあります。でもここまで調べてやっとどんな蝶かが分かったんだから、1読しただけでは、ヒラヒラ飛んでいる蝶だということは分かっても、どんな蝶か、大きさはどれくらいか、色は?と、その姿がハッキリとは見えてこないでしょう。
それが問題なのです。蝶などの昆虫に詳しい人だけならそれでもいいでしょうが、いろんな人に分かって貰おうとすればポピュラーな方が得なんです。例えば〝夏の蝶〟だけでは物足りないというのなら〝黒揚羽〟などとすれば誰でもすぐに思い浮かべてくれるでしょう。
昔初心の頃よく言われていました。知識をひけらかすな!と。専門的なことはできるだけ控えて、万人に分かるように詠みなさいと。
そんな話をした翌日、Hさんから次のようなメールが届きました。
いつも丁寧なご指導をいただき有難うございます。昨日の句の、せせり蝶の件ですが、今改めてインターネットで調べました。句作の時にもネットで調べーー白黒の模様に個体差があるにせよ'ダイミョウセセリ'だと確認し季語として使いました。しかし、あの時のスマホでぱっと出てくるのは褐色の蝶ばかりでしたのでーー帰ってゆっくり調べ直そう、もし間違っていたら'梅雨の蝶'に変えようと思っていましたが。参考までにーー褐色は'イチモンジセセリ'または'チャバネセセリ'です。
次のはそれに対しての、私の返信メールです。どうぞ読んでみて下さい。
Hさん、お早うございます。昨日はお疲れ様でした。
いつも熱心に勉強されていて、感心しています。ただ知りすぎた情報で却って一般の人に分からなくしているところがあるのかも知れませんね。
その情報はとても貴重なものですから、そこは自分の中に蓄えておいて、その上で一般的な光景として詠んでいくのも大事かと…。そうすると広くの人が味わえるようになるのですよ。
専門的な人にしか分からないことを詠んで、その仲間内だけなら結構なんですが、俳句は誰がどんな人が読んでも分かるような句の方がいいのです。
せせり蝶は私も名前は聞いたことがありますが、これだという認識で見たことがないので、映像にならず…その結果大きいやら小さいやら…色は?…と姿が浮かんでこないのです。
でも、黒揚羽などというと、すぐに映像化できるでしょう。そういうことなんですよ。
もちろん知ることはとっても大事なこと!しかし、その情報が皆に通じるかどうかです。この句でも蝶の蒐集家でない限り、ダイモンジ…でもイチモンジやチャバネ…であろうと、結局はせせり蝶が見えていなければ同じ事なんです。
あなたが知識として持っておくのはいいことですから、その探究心は大事にして下さい。でも、この俳句では「梅雨の蝶」とした方がいいでしょう。
そうすれば、蝶に詳しい人はこの梅雨の頃よく発生するせせり蝶を思い浮かべてくれるかも知れませんし、知らない人であっても、木漏れ日に生まれたばかりの蝶の姿はチラチラと見えてくるでしょう。この句の眼目は〈生れしばかりの〉なんですから。それは何の蝶であってもいいということ…またそれは生物全般に共通する生まれたばかりの子どもの〝かわいらしさ〟ということなんですね。
以上、長くなりましたが、よく考えてみて下さい。
では、また…これからもHさんらしい楽しい句を詠んで下さい。
以上ですが、皆さんにも分かって頂けたでしょうか。要するに俳句は575の17音しかありません。あれもこれもと欲張って詰め込もうとしても、俳句は容量の決まった器のようなものですから、入りきらないのです。ではどうしたら良いかというと、対象を一点に絞り、それをズームアップして、映像化しやすいように詠むこと。するとその思い浮かべた映像から何らかの感動が生まれてくれば成功です。即ち平明にして且つ奥の深い句が詠めるようになること。さあみんなでガンバって詠みましょう。
写真は、我家の梅の木に発生した蛾。〝ウメエダシャク〟(間違いないと思うのですが、もし違っていたら教えて下さい。)の蛹と交尾中の写真、6月4日に撮ったものです。この前まであれほど沢山飛んでいたのに今はもう全く見かけなくなりました。さてどこへ行ったんでしょうかね。