呼吸困難の吸気に作用する漢方薬

おはようございます昌栄薬品の宮原　規美雄です

呼吸困難の吸気に作用する漢方薬

腎主納気、腎は納気・吸気をつかさどるとあるように、腎蔵との関係が深いことは説明しました。

呼吸困難の吸気つまり腎に作用する漢方薬をご紹介します。

代表的な処方(腎気丸類)が『クラシエ薬品麦味地黄丸』です、その他に『クラシエ薬品六味丸』『クラシエ薬品牛車腎気丸』『クラシエ薬品知柏地黄丸』『クラシエ薬品八味丸』『クラシエ薬品杞菊地黄丸』等があります。

『金匱要略(きんきようりゃく)』という書物の痰飲欬嗽病脉證并治(たんいんがいそうびょうみゃくしょうならびにち)第十二の

第十八条(方術説話第四巻)

夫短氣有微飮、當從小便去之、苓桂朮甘湯主之、方見上腎氣丸亦主之。

夫れ短気し微飲あるは、當に小便より之を去るべし、苓桂朮甘湯之れを主どる、腎気丸亦之を主る。

解　○微飮びいん心下に停って居る餘り甚しくない飮(水)。

短氣有微飮、當從小便去之とは息切れがして心下に微飮のある者は其の微飮を小便から除いてやれと謂ふこと、短氣有微飮は短氣の證が微飮から來るもの則ち微飮の原因より起る短氣と謂ふこと、それは苓桂朮甘湯が之れを主どり腎氣丸も亦これを主どると謂ふなり。

　微飮は其の在る所體の裏に在り裏に在るものは小便より去るが一番の近道なり故に當從小便去之と謂ふ、苓桂朮甘湯腎氣丸竝びに小便を利するの方なり。

　腎氣丸方は婦人雜病篇中に在り、又中風歴節病の附方中に在り、崔氏八味丸方則ち是なり。

腎気丸方　じんきぐゎんのはう。

乾地黄八兩　薯蕷四兩　山茱萸四兩　澤瀉三兩　茯苓三兩　牡丹皮三兩　桂枝　附子炮各一兩

右八味、末之、煉蜜和丸梧子大、酒下十五丸、加至二十五丸、日再服。

右の八味を、之を末とし、煉蜜に和して梧子大に丸め、酒にて十五丸を下す、加へて二十五丸に至る、日に再服す。

乾地黄味甘寒　薯蕷味甘温　山茱萸味酸平　澤瀉味甘寒　茯苓味甘平　牡丹皮味辛寒　桂枝味辛温　附子炮味辛温　(荒木性次著方術説話)

とあるように、吸気が全て腎気丸で直るというわけでは有りません。

10日の80歳代の方は苓桂朮甘湯を服用していましたが、呼吸困難を起こしてからは『クラシエ薬品八味丸』に変え吸気が楽になってゆくのが感じられたそうです。

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