桂皮茯苓丸(けいひぶくりょうがん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)は
桂皮(辛温・気剤);茯苓(甘平・水剤);牡丹皮(辛寒・血剤);桃仁(苦平・血剤);芍薬(苦平・水剤)が等量で構成されています。
渡辺武著わかりやすい漢方薬
第二章漢方薬はどう診断するか
3 血の道症(血毒症-血証)
血の道の薬は武士の常備薬
いまでこそ、女性の男性化が問題になっていますが、これは男性万能の江戸時代の話し。
江戸時代の名医、原南陽は水戸藩の侍医で、武士に必要な数種類の薬を調合しました。
彼はこの薬をよく使われる順から「甲字湯」「乙字湯」「丙字湯」「丁字等」と名付けていました。
なかでも「甲字湯」は鉄砲傷、刀槍傷など打ち身や内出血に速効がありました。
武士というのは元来が戦士ですから、いくら江戸時代が天下泰平につづいたからといっても、日常の鍛錬を怠るわけにはいきません。
剣術のけいこで相手の木刀を受け損じると「イテテ!甲字湯を・・・」、刀の手入れの最中についうっかり小指を切って「お、奥!甲字湯を持て」といった具合で、いつも常備されて重宝がられていました。
ところが、この「甲字湯」が、あにはからんや、実は女性の血の道の漢方薬であったとは、神ならぬ身の武士たちの知るよしもなかったことなのです。
というのは「甲字湯」とは原南陽が便宜上つけた仮の名で、漢方の正式の名称は『桂枝茯苓丸』に甘草、生姜を加えて煎薬にしたものだったのです。これが女性の血の道の薬とわかっていたら、男尊女卑の時代のこと、「けがらわしい、女の血の道の薬が飲めるか」とやせがまんをしたものでしょう。
この『桂枝茯苓丸』は、血を止める作用と、ふる血を排泄する作用と両面の働きを持っています。
これが婦人薬に用いられるのは、そのなかに牡丹と桃仁が含まれているからです。
牡丹、桃仁は黄連、山梔子などとともに血剤と呼ばれています。
人間の体内に血が滞ると、いろいろな症状が併発されます。
この「ふる血」つまり血行障害によるうっ血を体外へ排出する働きが、牡丹、桃仁、黄連など苦味剤にあるのです。
その上、この薬は消炎、止血作用が強いので、女性の月経不順の特効薬としてだけでなく、寒性の駆瘀血剤として胃潰瘍、脳出血、痔の出血、内出血などにも広く使われています。
しかし、この駆瘀血剤―ふる血を体外に排泄する薬剤―は、現代医薬にはありません。
脳出血を起したって、内出血、胃潰瘍を起しても、止血するだけで、洗い出すことはできないのです。
漢方のこの薬剤はうっ血を大、小便で排泄してくれるのです。
最近の話ですが、私の知人の高名なデザイナーが自動車で全身を打撲し、数十ヵ所の内出血のあざができました。
普通、内出血はひとりでに消えてしまうまで放っておかれていますが、彼女は一日も早く治る方法はないだろうか、と相談に来られました。早速、『桂枝茯苓丸』と『黄連解毒湯』をすすめたのです。
それから一週間ほどして「全身の内出血がすっかり消えてしまった」とはずんだ声で電話がかかってきました。
昔の落馬に代って、交通事故によるムチ打ち症の薬としても、ポケットに忍ばせたい薬なのです。
女性の男性化ならぬ、婦人薬が男性の薬になっているとは、何とも皮肉な話ですが・・・・・。
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桂枝茯苓丸の服用で、打ち身のアザが動いて徐々に消えていった例があります。
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