昌栄薬品
渡邊武著わかりやすい漢方薬
第一章 漢方薬はなぜ効くか
4 クスリとして害はないか
人体実験で確かめた漢方薬
『中国医学史講義』は、先年、中国で出版された医薬の歴史の書。
それによると、漢方薬は、秦の時代(紀元前三〇〇年)から、何億人という人間の身体を通して人体実験してきた実績を明らかにしています。
人体実験ということは単に効力があるということだけではありません。
効く薬には副作用があります。
副作用を適正な方法と綿密な証の把握で的をしぼり、スクリーニングされていることです。
薬の選定は、現代医学のように病名薬と作用薬だけではありません。
まず陰・陽の二つに分けられ、表・裏・半表半裏の六つのパターンで病位病態をとらえ、気・血・水の七つの見方によって病気の原因をとらえます。
そして体質によって汗かき型、肥満型、便秘症、下痢症、脉の浮沈によって、中和のバランスをとらえます。
薬剤は、辛いと書いたものは腸や肺の薬であり、酸・苦・甘・辛・鹹の五つの分類によって、五臓六腑の薬剤に分けられており、熱型か冷え型かでさらに寒熱温涼平の五つに分類されています。
証によって幾つもの関門をくぐり、病の的をしぼって、症状を調整する薬剤が処方されるわけです。
たとえば、左半身不随とか右半身不随とかよくいわれますが、出血が主因で起った不随なら、左上半身が悪くなるわけです。
右下半身不随の場合は水滞があって、そのため右下の方に血証があるということであり、この場合は水剤を多く、血剤を少しプラスする処方をします。
左半身不随は直接に心臓がオーバーヒートして障害を起こしているのが原因、この場合は血剤を多く、水剤を少し入れる処方をすればいいのです。
右半身不随と左半身不随では薬の配分が違うのです。
血剤だけではなく、水剤の配分も考えているのが、漢方の独特の処方です。
皇居新宮殿の表にある高さ二メートルの絢爛豪華な花器の壺を制作した、陶芸家で人間国宝であった加藤土師萠氏は、この壺製作の前に脳卒中で倒れたのです。
病院からは製作不可能を言い渡されましたが、最後の仕事として完成したいという願いから、漢方で回復できないかと相談をもちかけて来られました。
そこで証によって『桂枝加苓朮附湯』で痛みやしびれをとり、『黄連解毒湯』で出血を体外に排泄させて、『八味丸』でうっ血をとる三段構えの薬剤を指示しましたところ、一年で大阪、神戸、九州に製作旅行されるほど、すっかりよくなられ、大作に取り組まれることになったのです。
この加藤さんに処方した三つの薬はどれも脳卒中、高血圧の薬剤であり、その効力はそれぞれ違っているのです。漢方は証によって的確に薬を選べば必ず効き目が約束されているものです。
草根木皮の自然薬というと馬鹿にする人がありますが、一つの薬草でも大変な効力を持っています。
血剤には漢方特有の柴胡という薬がありますが、その効用の適応範囲は、新薬と違って大変に広いのです。
ノイローゼや不眠症には催眠、鎮静剤として、てんかんには抗てんかん剤、精神分裂症には精神安定剤として、マラリアには解熱剤として、食道狭窄症、中耳炎、角膜炎には抗アレルギー剤として、その他狭心症、高血圧、肋膜炎、呼吸促進剤、鎮咳剤、胃潰瘍、腹膜炎、胆のう炎にも、上から下までの薬剤として使われています。
いいかえると柴胡はこれだけの病気の薬剤としてスクリーニングされてきたということなのです。
こんな多くの病気に効用のある薬剤は、新薬にはありません。これは自然薬である漢方の一番の利点であり、先人の貴重な遺産です。
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医師が柴胡が多くの病気に効果があるとして、証を考えずに処方し柴胡の副作用が発生しました。
病名薬ではないのです。
p16薬の専門家でない医師が薬を販売投与している恐ろしい時代
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