うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

哲学者

2009-09-26 02:25:51 | 読書
尊敬するヒトの一人、

梅原猛さんの「古代幻視」を読みました。

またまたヤラレタ!!…って感じです。

なんでワタシタチが当たり前のようにスルーしてしまうところを
「謎」と思えるかな…(^^;)

それはいろんな書物を読んだりその時代を研究していたり
背景が分かっているから(もちろんご自分で調べていらっしゃるんですが)
気づくことができるんですよね…

そんなわけで、一番ガツンとやられたのは

「枕草子」。

誰もが知ってますよね、高校の古典でもやったし、ワタシ、大学でもやった。

それでもなお、文学として読んだからか
「をかし」の文学として、なんとなく軽い感じで、
同時代の「源氏物語」と比較しても気軽な作品のイメージがあったし、
紫式部と中宮彰子に対して皇后定子と清少納言というライバル的な存在で
宮中で勢力だけでなく文学でも張り合っていた…と思いこんでいたんですけど、

実は枕草子、定子が敵対勢力藤原道長(彰子の父)の野心のために虐げられ、
その勢力が衰退してから書かれた…なんて一体何人のヒトが知って読んでいるんでしょう~~。

そう考えると隠されたメッセージ性は非常に多く、
単に「をかし」の文学では表現できないものになります。

こういう研究をして下さる方がいるので、より文学作品が
味わい深く鑑賞できるわけです。感謝感謝。

他にも興味深いテーマがぎっしりで
枕の次にキたのが、「今昔物語」♪

今昔物語も昔結構読みこんだので、懐かしかった~。
この本では、天狗の説話を拾っておりますが、私は昔夢の出てくる説話をひたすら
今昔と宇治拾遺から拾った経験があるので、
そういうテーマ研究っぽいところに面白みを見出すのが楽しかったなぁと
学生時代をしんみりと振り返ってみたのでした(^^;)
時間がないとできね~~~

とにかくワクワクする本でした。
こういう本、もっと読みたいです~


コメント
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