「男子厨房を遠ざける」という家庭に育った。前にも書いたが、それどころか台所のあるほうを見ただけで叱られる家庭環境。
したがって目玉焼き一つ、カレー一皿作ったことはないまま人生の大半を過ごしている。
いまだに料理に興味がわかない。
毎日の料理をブログに挙げている人を見るとぼぼくはなんというひどい家庭に育ったのかとつくづく思う。toyokkoさんのブログを楽しみに拝見させていただいているが、今まで同じ料理は一度もない。こんな才能があったらどんなに幸せだったろうかと親を怨む日々だ。
少し努力をして肉じゃがができたとき、今までもったいない時間を過ごしてきたと思った。
で、
料理に限らず、裁縫も男がするもんじゃあないとしつけられた。
バカな親を持ったもんだ。今まで針一本持ったことがない。
ので困っている。こんなふう。ズボンが破れたので縫ってみた。
ダメージジーンズ風。やってみると難しい。実に頭を使う。
自転車でこけてウエストバッグが破れたのでこれも縫う。
ところがだんだん楽しくなってきた。実に下手だけど。
親は一度も僕に勉強しろとは言わなかったが、男が料理や裁縫をすることを忌み嫌った。
おかげでこんな変則的な人間になってしまうのだ。
僕は勉強が大好きで成績もよかった。が、今頃つくづく思う。勉強は料理と裁縫ほど重要な能力ではない。
半世紀以上料理と裁縫に偏見を持って生きてしまった。
一つずつ、少しずつ取り戻していこうと思う。最近はキャンプ蕎麦に凝っている。
みそ汁も作れるようになった。下手でも山の中で食うとうまい。