日々雑感

豊かな四季の移ろいを記憶にとどめて行きたいと始めたフォトブログです。暫しご笑覧下さい。

ニセアカシア その名の意外な由来 長居植物園

2013年05月11日 | 四季の移ろい 長居植物園

 
長居植物園のバラ園の奥に「トゲナシニセアカシア」という木が花を咲かせています。

 ニセアカシアは、
写っている人と比較してもらえばお分かりのように、何メートルあるかという大木です。

 その大木が、独特の白い花を枝に付け風に靡いていました。

 

近づいてよく見るとごらんのとおり、花と言われれば「そうかなぁ?」
と思う、一風、変わった形をしています。

ところで、この花に興味を持ったのはこの形状もさることながら、その名称です。

「トゲナシ」は刺がないからだという意味でしょうが、
不思議なのは、次の「ニセアカシア」という名です。

「ニセ」というのですから、この木は「アカシア」ではありませんということです。
つまりこの木の名称は「アカシアの偽物です」ということです。

本当に、この不名誉な名が正式名称なのか?
図書館に行き調べてみました。

参考図書:「図説 花と樹の事典」
柏書房刊 植物文化研究会編 木村陽二監修

この本に、この名の由来が掲載されていました。
「植物学上、アカシアと区別するために付けられた名」と、
堂々と明記されていました。

いくら植物学が大事とは言え、余りにこの木にとっては理不尽な
名の付けようではないか!
ということでさらに調べてみました。

それでは「アカシア」の項目にはどう書かれているか。
「マメ科アカシア属、500種以上の樹木の総称。
多くはオーストラリア原産で日本には自生せず
(中略)日本で一般に言うアカシアとは
ハリエンジュ(ニセアカシア)のことである。」

ここで新しい名「ハリエンジュ」が登場しました。
この名こそが正式名称だろうと、半ば救われた気持ちで
「ハリエンジュ」の項目を報ってみました。

ハリエンジュとは、
「エンジュに似ていて刺があることから名付けられた」

これには二度ビックリです。
「ニセアカシア」の次に出てきた答えは、
今度はアカシアでは無く「エンジュに似ている」というのです。

要するに、この木にはどこまで行っても、「固有の名」が無いというのが結論のようです。

ちなみに西田佐知子の有名な「アカシアの雨が止むと時」のアカシアは
間違いなく、この「ニセアカシア」です。

久しぶりに今日の大阪は午後から雨となりました。
「ニセアカシア」の白い花が雨に濡れ、落涙しているように見えました。



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