実践 自治体の危機管理 | |
田中 正博 | |
時事通信社 |
すでに改訂新版が出版されていますが、この本は阪神淡路大震災後の2003年に発行されていますので、古いという感覚はありません。
大変厳しい企業の危機管理をベースとして、大変甘い自治体の危機管理の体質が指摘されています。そのうえで自治体の危機管理についてポイントが示されていますので、分かりやすい内容です。
本市の市長は、毎年4月の部長会議で、この本の著者である田中正博氏の講演録「自治体における危機管理のあり方-クライシス・コミュニケーションがカギ」の抜粋を配布して、自治体の幹部として危機管理意識をしっかり持っておくよう指導されています。
私は、平成19年度(2007年度)に市の防災担当に任命された時、最初にこの本を読みました。一度だけではなく、繰り返し読むことで、常に危機管理意識を醸成しておく必要があると感じ、最近、繰り返し読んでいるところです…
この本の章立て
1 自治体にとっての危機とは何か
2 組織における危機管理の基本
3 自治体を取り巻く環境の変化
4 組織に危機をもたらす三つの原因
5 危機管理についての基本認識
6 クライシス・コミュニケーションの重要性
7 緊急事態発生時のメディア対応
8 緊急記者会見の設営
こんな事も書いています!
「緊急記者会見の設営」の章では、「メラビアンの法則」が紹介されています。
これは、「話し手」が「聞き手」に与える印象が、どのような要素でどのように形成されるかについての測定結果です。
それによると、 「話し手の印象」を決定付ける要素は、「見た目」、「しぐさ」、「表情」つまり視覚から入る要素が55%、「声の大きさ」、「話し方のテンポ」など聴覚から入る情報が38%、「話す言葉の内容」は実に7%だったというものです。
このことから考えると、オバマ大統領は、「視覚から入る要素」、「聴覚から入る情報」が、聞き手である国民に大変良い印象を与えたのでしょうね…
では、皆さん組織の危機管理を忘れすに!