荻原浩さん著の「砂の王国」(上・下巻)を読んだ。
文庫本で各巻それぞれ477頁の大作であった。
本作品は、ホームレスとなった、
元証券会社勤務の山崎遼一が木島礼次と名前を変え、
同じくホームレスの仲村健三を教祖・大城健人に仕立て、
辻占い師の錦織龍斎(後の小山内師範代)とともに三人で
宗教団体「大地の会」を立ち上げていくという話である。
全体に前置き的な部分が多く、最後に向けてどうなるのかと思いきや、
個人的にはすっきりしない終わり方であった。
下巻に次のような箇所があった。
「恵まれた人生なんてどこにもない。すべてを満たした人間は誰もいない。
誰かと比べ続けるかぎり、何かを欲しがり続けるかぎり、人は恵まれず、
満たされない。私が何か得たとしたら、人とは悟れないものなのだと、
悟ったことぐらいだ。」
悟りは開けるものではないが、今の生活に感謝して生きていきたいと思う。
荻原さんの作品はいくつか読んできたが、
最初に読んだ「明日の記憶」に勝る作品には出会えない。
自分が主人公の佐伯雅行のようになったらと思うと怖くて、
一度読んだ後は、書棚にしまったままである。
それほど、インパクトのある作品であった。
渡辺謙さん主演で映画化もされたが、これも怖くてみていない。
文庫本で各巻それぞれ477頁の大作であった。
本作品は、ホームレスとなった、
元証券会社勤務の山崎遼一が木島礼次と名前を変え、
同じくホームレスの仲村健三を教祖・大城健人に仕立て、
辻占い師の錦織龍斎(後の小山内師範代)とともに三人で
宗教団体「大地の会」を立ち上げていくという話である。
全体に前置き的な部分が多く、最後に向けてどうなるのかと思いきや、
個人的にはすっきりしない終わり方であった。
下巻に次のような箇所があった。
「恵まれた人生なんてどこにもない。すべてを満たした人間は誰もいない。
誰かと比べ続けるかぎり、何かを欲しがり続けるかぎり、人は恵まれず、
満たされない。私が何か得たとしたら、人とは悟れないものなのだと、
悟ったことぐらいだ。」
悟りは開けるものではないが、今の生活に感謝して生きていきたいと思う。
荻原さんの作品はいくつか読んできたが、
最初に読んだ「明日の記憶」に勝る作品には出会えない。
自分が主人公の佐伯雅行のようになったらと思うと怖くて、
一度読んだ後は、書棚にしまったままである。
それほど、インパクトのある作品であった。
渡辺謙さん主演で映画化もされたが、これも怖くてみていない。