からみ合ひ藤棚のつる空に伸ぶ だあれもゐない冬の公園
意図的なものなんかぢやない いつだつてきみは言葉の細部をうたがふ
*推敲
「いつだつて」 → 「そうやつて」
「うたがふ」 → 「責める」
意図的なものなんかぢやない そうやつてきみは言葉の細部を責める
ぺろり舐め山本昌の投げる球みるや牛乳飲みたくなりぬ
ぺろり舐め山本昌の投げる球 思はず牛乳飲みたくなりぬ(推敲)
くしやくしやのTシャツ男は狙つてる放つておけない女がゐると
くしやくしやなTシャツ男が狙つてる放つておけない女がゐると(推敲)
包帯を巻きつつ思ふ透明人間のつけし黄色いしみを
*推敲
「包帯を巻きつつ」 → 「指に包帯まきつつ」
「透明人間のつけし」 → 「透明人間のつけた」
指に包帯まきつつ思ふ透明人間のつけた黄色いしみを
さつまいもの天ぷら揚げてゐる母と頬張るわたし しあはせな記憶
さつまいもの天ぷら揚げてゐる母と頬張るわたし しあはせの記憶(推敲)
ふと汗のにほひを憶ふはにかみてTシャツの裾を引き上げし君の
*推敲
「Tシャツの裾を引き上げし」→「Tシャツの裾ひき上げし」
ふと汗のにほひを憶ふはにかみてTシャツの裾ひき上げし君の