今日のうた

思いつくままに書いています

沖縄の 「 ベトナム村 」

2015-06-30 06:24:48 | ②一市民運動
日本戦後史論1に追記した内容が長くなるので、独立させます。

 2015年6月26日放送、BS朝日「『19歳が見た沖縄の戦い』~悲劇!封印された
 島民の叫び~」を観た。観ながら怒りが収まらなかった。
 中でも、2014年1月、「オスプレイ配備に反対する東京要請行動」には、
 沖縄県知事になる前の翁長さんをはじめ沖縄県の市町村長など140人が、
 東京の街を静かにデモをしていた。
 「オスプレイ配備に反対」のプラカードを持って進む人たちを、歩道側から
 プラカードや旗を持った人たちが取り囲み、罵声を浴びせる。

 「反日・サヨク」、「売国奴」、「日本から出ていけ」、
 「国益の足を引っ張る反日 死ね!」

 これらのプラカードや罵声に曝されながら歩く沖縄の人々に対して、
 申し訳なく、恥ずかしかった。
 沖縄は基地の殆どを押しつけられ、自分たちの生活がこれ以上脅かされることに
 対して反対行動をする。人間として当たり前のことをすることが、
 なぜ反日になるのか!
 沖縄の人たちは、日本人ではないとでも思っているのか!
 こうしたことを報道しないマスコミ、規制しない政権、見て見ぬふりをする国民。
 安倍政権になってから、我が家の上空を自衛隊機がひっきりなしに飛ぶようになった。
 誰も何も言わない。直接火の粉が降りかかるまでは、見て見ぬふりをする。
 自衛隊機が飛んでくるたびに、こことは比較にならない負担を強いられている
 沖縄のことを想う。
 アメリカの言いなりになるしかない安倍首相は、沖縄のことをほんの少しでも
 考えたことがあるのだろうか。本当に国民を愛しているのだろうか。

 番組の後半には、「ベトナム村」が出てくる。こう呼ばれていた村が沖縄に存在した
 ことを、私を含むほとんどの人が知らないのではないだろうか。
 「ベトナム村」とは、米軍が1960年代、ベトナム戦争のゲリラ戦訓練などのために
 沖縄本島の米軍北部訓練場に設置した通称「ベトナム村」のことをいう。
 実戦さながらの訓練を行うために、「ベトナム村」があった高江の人々は、
 ベトナム人の身代わりに乳幼児をふくむ約20人が動員されたという。
 その際、怪我をした住民もいた。

 そして今も、米軍の訓練のために、高江の人々や家を攻撃目標にして、
 高江を囲むようにヘリパッドがいくつも建設される予定だ。
 オスプレイがひんぱんに飛ぶようになったら、高江の人々は住むことができなく
 なるのではないだろうか。
 自分たちが攻撃目標になって、連日、米軍の訓練が行われる高江の人々のくらしを、
 政治家は想像したことがあるのだろうか!
 365日、24時間、高江の人々は危険に曝され、恐怖を感じながら、騒音に耐え、
 生きていくことになってしまうのだ。
 自分のことではないからと、黙殺していいのだろうか。

 私はこの番組を観るまで、こうした事実を全く知らなかった。
 琉球新報に「ベトナム村」のことが詳しく載っています。
 ブックマークに「『ベトナム村』内部写真発見 60年代米軍北部訓練場」を
 引用させて頂きました。
 また、米軍のヘリパッド建設に反対する高江の人たちを不当逮捕した、
 ドキュメンタリー映画「標的の村」が作られています。上映は終わっていますが、
 予告編をブックマークに入れましたので、是非、是非、是非、ご覧ください。
 自主上映会はあります。スケジュール表も「標的の村」のブログに載っています。
 ブログの「ニュース」をクリックすると下の方に、「上映会スケジュール」が出てきます。
 そこをクリックすると出てきます。
          ↓
http://www.hyoteki.com/trailer/

追記1
2015年6月25日に、安倍首相を支える中堅・若手議員が開いた勉強会
(文化芸術懇話会)で、作家の百田尚樹氏や3人の自民党議員から
次のような発言があった。

 「沖縄の新聞社はつぶせ」
 「マスコミを懲らしめるには広告がなくなるのが一番」

なんという暴言、なんという思い上がり、なんという無知、なんという判断力の無さ、
なんという人間性の欠如、なんという想像力のなさ、なんという……………………。
呆れて言葉が出ないとはこのことだ! 文化芸術以前の問題だ!

多くの日本人が、安倍政権の「報道規制」に憤りを感じている中で、
翁長沖縄県知事の言葉がとても印象に残った。 (敬称略)
7月4日のTBS「報道特集」で、金平キャスターが翁長さんにインタビューしていた。
金平:「今のこの状況をどう思われますか?」

翁長:「私は30年間、政治に関わってきて、こんなに落ち着きのない政治は無かった」

今の政治を的確に表していると思った。
「落ち着きのない政治」・・・政治家の欲望だけが前面に出る政治。
「ああしたい」、「こうあるべきだ」、そうするための最短のシナリオを国民に提示する。
自分たちがすること、しようとしていることは、全て善!あとは聞く耳を持たない。
迷いや疑いのかけらもない。それにより生じるであろう将来への思慮は微塵も感じられない。
国民がどうなるか、国民の生活はどうなってしまうのかは、彼らにとっては問題外!
その根拠となるのは、ただ一つ

「私は総理大臣なんですから」   嗚呼!

(2015年7月5日 記)


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SEALDs(シールズ) 始動!

2015-06-19 06:14:22 | ②一市民運動
※「SASPL」のメンバーが2015年5月に立ち上げたのが、
 「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)」だそうです。
 その関西版が、「SEALDs KANSAI」です。大変失礼しました。
 「SASPL」の頃から綱領がしっかりしていて、すごい学生集団だと思っていました。
 「SEALDs」のブログをブックマークにいれましたので是非、ご覧ください。
              ↓
http://site231363-4631-285.strikingly.com/

 6月28日の「報道ステーション SUNDAY」で、「SEALDs」を
 特集していました。
 おかしいことをおかしいといい行動に移す、こういうことが日本には必要だという
 意見に同感します。
 是非、日本に根付いていって欲しいです。
 30万人を動員したいと言っていましたが、「おかしい!」の波が全国に拡がれば、
 絶対に可能です。
 今のところ、京都、沖縄、北海道に拡がりを見せているそうです。
 60代の男性が、「後方支援します」と言っていました。
 私は抗議行動には参加できないけれど、微力ながら後方支援します。
 ブログにはカンパ(DONATION)の振込先も書かれています。
 (2015年6月28日 記)
       ↓
http://www.sealds.com/


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2014年12月3、9日の私のブログに書きました「SASPL」に影響を受けたという
学生集団、「SEALDs KANSAI」が始動したそうです。
2015年6月21日には、安保法案に反対する学生デモを予定しているそうです。
ブックマークに入れましたので、是非、ご覧ください。
将来、君たちが戦争に駆り出されるかどうかの分岐点! 応援しています!
         ↓
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249569

概略を引用します。

「政治に無関心にみえる若者も、潜在的には考えている。
 その思いを可視化させる空間を作りたい」――。
 若者らが6月21日、京都府で安保法案に反対するデモを行う。
 これに先駆け、主催の『SEALDs KANSAI(シールズ 関西)』のメンバーらが17日、
 京都大学内で記者会見を開き、デモの趣旨を説明した」

 ※SASPLとは、主に首都圏でデモや抗議行動を続けている学生グループ。
  特定秘密保護法に反対する学生有志の会でした。

追記1
2015年6月19日の「報道ステーション」で、「SEALDs」と
「SEALDs KANSAI」を取り上げていた。
「SEALDs」の奥田愛基(あき)さんがインタビューに応じていた。

●「SEALDs」は、毎週金曜日に【戦争法案に反対する国会前抗議行動】を
 しているそうです。
          ↓
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/258019
 
昔の学生運動のようにがなり立てるのではなく、彼らは自分の言葉で、安保法案の矛盾点や
自分たちがどのような社会を望んでいるのかを、冷静に適確に語っている。
女子学生の言葉が印象に残った。
「……したり、親と喧嘩したり、こういう生活を政権に奪われたくない」
そうなのだ。親と喧嘩したりできるのも、平和な国だからできるのだ。

安倍首相が考えるほど、国民は愚かでも無力でもありませんよ。
あなたが無理難題を押し通そうとすればするほど、国民は賢く強くなっていきます。

2015年6月12日、SEALDs主催「戦争立法反対・国会前抗議」での紅子さんの
映像スピーチを、ブックマークに入れました。是非、ご覧ください。
「おかしいことはおかしいと言おう!」
(2015年6月20日 記)
          ↓
https://www.youtube.com/watch?v=iZULJBLScNI

追記2
2015年6月14日の「とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 6.14国会包囲行動」
での鳥越俊太郎さんをはじめたくさんの方々の言葉を、ブックマークに入れました。
「『戦後、安倍政権ほど酷い政権はなかった。こんな独裁政権は初めてだ』
 祖父・岸信介の仇討ちに出た安倍総理を“返り討ち”に! 2万5000人が国会を大包囲!!」
是非、ご覧ください。
(2015年6月21日 記)
          ↓
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/249180

追記3
「自民党・村上誠一郎議員が涙を流して独白 安倍政権の安保法制を批判 」を
ブックマークに入れました。是非、是非、是非、ご覧ください。
          ↓
https://www.youtube.com/watch?v=JwVDmxUKkNE

今の日本では正論がどんどん押しやられ、独裁が吹き荒れています。
黙っていたら取り返しのつかない事態になってしまいます。
そうなってからでは遅いのです。拡散をお願いします。

●安倍首相が外国で笑顔を振りまき、「支援をお約束します」という場面を何度も観た。
 なぜこの人の一存で、多額のお金が外国に流れてしまうのか疑問だった。
 村上さんのお話を聞き、外務省の予算が天井知らずだということを知った。
 安倍政権になり、公表されただけでも8兆6000億円ものお金を支援していたとは!
 社会保障費がどんどん減らされ、外国にはお金をばらまく。
 この人は外国にしか目が向かないのか!自分の評価を上げるためにはどんなことでもする。
 いくら外国からの受注が増えても、支出が増えては景気のごまかしになってしまう。
 こうした独裁を許してしまうのは、国民の責任だ!
 (2015年6月26日 記)

追記4
上に書いた「……したり、親と喧嘩したり、こういう生活を政権に奪われたくない」の言葉は、
SEALDsの福田和香子さんの言葉でした。
2015年7月27日の朝日新聞「折々のことば」には、福田さんの次の言葉が載っています。

「この国では意見を持つ行為そのものが、空気が読めないってことになって
 しまうらしいんです」

「KY(空気を読む)」という言葉は、誰が考え出したのでしょう。
この言葉が日本をどんなに萎縮させてしまったことか……。
支配する側にとっては、かなり都合のいい言葉ですが。

安倍政権は選挙の時に、電通の社員を選挙スタッフに入れました。
言葉のプロが付いていたので、鬼に金棒でした。
言葉は疑ってかかれ!自分で確かめろ!と言いたいです。
特に、喉越しのいい言葉には要注意です。
(2015年7月29日 記)

追記5
2016年1月28日の朝日新聞・論壇時評「SMAPの謝罪 暗黙のルールが潜む社会」
の中で、高橋源一郎さんが福田和歌子さんについてこう書いている。

 「自分の『正義』に疑いを抱きながら、それでも、『危ういバランス感覚』で活動を
  つづける自分について、福田はこういっている。
  『下手に正義を掲げて突っ走ってしまったら、すごく偏った人間になってしまうから。
   半分靴紐(くつひも)がほどけていて、全力では走れなくてダラダラ歩いているぐらい
   のほうがいいのかなとも思う』

  自分の足元を見つめること。そして、それがどれほど脆弱(ぜいじゃく)な基盤の上に
  置かれているかを知ること。それでも自分の足で歩こうとすること。
  そんな場所から生まれることばを、わたしたちは必要としている。
  『組織』や『社会』にしゃべらされることばではなく、『自分の』ことばを」 
  (引用ここまで)

(今の日本は、本質を隠すように巧みにカムフラージュされた、威勢のいい・前向きな・
 美しく正しい・単純な【言葉】で満ちている。
 そして多くの人たちは、その【言葉】をそのまま信じている。
 そんな中で、自分にとって何が正しいのかを突き詰めていくことは、
 はっきりいってしんどい。
 言葉を疑って、うたがって、自分のことばを探し続けることは、はっきりいって疲れる。
 何も考えずに、流れに従って生きていく方が、よっぽど楽だ。
 流れに逆らっていると、自分で自分がわからなくなる時がある。
 これでいいのか……、時に自信がなくなる。

 サイバー攻撃を受ける。
 「欲求不満でやってんじゃないの?」と陰口をたたかれる。
 目が痛くなる。鬱っぽくなる。
 それでもどこかに仲間がいると思うと、「しょうがない、もう少しやってみるか」
 という気になる。

 こんな当たり前のことをするにも、自分を鼓舞しないと、今の日本ではやっていけない。
 福田さんのジャラジャラが、そのための道具に見えてくることがある。  
 思いつくままに…) (2016年2月3日 記)
 
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日本戦後史論 1

2015-06-15 16:03:31 | ⑤エッセーと物語
内田樹さんと白井聡さんの対話集『日本戦後史論』を読みました。
ちょうど私と娘の年齢に当たるお二人が、堂々とご自分の考えを語っていて
読んでいて清々しかったです。
内田さんはフランス現代思想が専門、白井さんは政治学・社会思想が専門。
お二人とも人間の心の奥底にあるものを言語化して戦後史を語っているので、
歴史家とは異なるスタンスで楽しめました。
これまで私がもやもやと感じていたものの正体が、この本を読んである程度は理解できました。
自分なりの答えを、この著書の中から引用させて頂きます。どなたの説かが分かるように
後ろのカッコにお名前を入れました。(敬称略)

(1)もやもやその1
 自国よりアメリカを優遇する安倍首相は、本当に愛国者なのだろうか。
 右翼と呼ばれる人たちは、どのような理由から安倍首相を支持しているのだろうか。

A:政治哲学の世界では、「愛国主義」(パトリオティズム)と「愛国心」
 (ナショナリズム)の2つがある。
 「愛国主義」(パトリオティズム)は、「自然なもの」、「下から」つまり、
 「民衆の生活から自然に湧き上がる郷土へ愛」がそのまま拡大したもの。善きもの。
 「愛国心」(ナショナリズム)は、「操作されたもの」、「上から」つまり、
 「国家のエリートが作為的につくり出し、民衆に押しつけることで彼らを
 時の政府に対して従順にさせ、他国民への傲慢(ごうまん)な優越感を
 植え付ける企(たくら)み」。悪しきもの。
  「愛国心は、ならず者の最後の避難場所である」という有名な警句がありますが、
  これは後者の意味での「愛国」を指したものと考えられます。
  愛国心をかさに着たならず者が、政府に従順でない人々を非国民・売国奴呼ばわりし、
  したい放題をするという光景は、洋の東西を問わず、数多く観察されるものです。(白井)

(政権と反対の意見を言うと、「反日」とか「アカ」と書かれているのをよく目にする。
 これでは何も言えない国になってしまう)

  戦後の日本人はついにナショナリズムを徹底できなかった。左翼はナショナリスティックに
  見られることを神経症的に忌避してきたし、右翼は中韓に対しては排外主義的に
  振る舞うけれど、アメリカにおもねるというダブルスタンダードを採用して平然と
  している。だいたい、外国の軍隊が国内に永続駐留している事態を右翼が別に
  「恥」だと思っていないということは日本以外の国では理解不可能でしょう。
  本来なら、右翼が反米・反基地闘争の先頭に立っているはずです。
  左翼が反米で、右翼は親米。…日本にはナショナリストがいないのです。
  外国軍の基地が国内に半永久的に存在することを「変だ」と感じない人たちを
  僕はナショナリストと呼ぶことはできません。(内田)
  
(2)もやもやその2
 なぜ日本は太平洋戦争の総括をしたがらないのか。また、戦時中は「鬼畜米英」と
 憎んでいたアメリカに対し、戦後はなぜこうも急接近していったのか。

A:戦争を知っている第一世代、戦中派は敗戦経験の本質を隠蔽してきた。
  これは確信犯的にやってきたことだと思います。一つにはあまりにみじめな敗戦で
  あったので、その事実を受け止め切れなかった。
  「なぜ負けた?」という問いは、どこかで「次は勝つ」というマインドと接合します。
  「次はアメリカに勝つ」ためにという真剣さがなければ「なぜアメリカに負けたか」という
  問題は前景化しない。でも、戦中派には「次は勝つ」という気分は
  まったくありませんでした。
  ナショナリストたちにさえまったくなかった。だって、右翼の巨魁(きょかい)たち
  【※註①】は次々とCIAのエージェントに採用されてしまったんですから。
  「負けてよかった」という楽観的なマインドと、「なぜ負けたか」を追求する
  主体がどこにもいなかったという現実の帰結として、敗戦経験を正面からクール
  かつリアルに総括するという事業が70年にわたってネグレクトされてきた。…
  でも、いくら「なかったこと」にしても、現に「あるもの」はそこにあり続ける。
  日本は敗戦の経験を正面から引き受けることを怠ったために、アメリカの従属国で
  ありながら、主権国家のようにふるまっているという自己欺瞞(ぎまん)から
  抜け出せないでいる。(内田)
  
  EUの要をなす同盟国ドイツとフランスが過去150年の間に3度(
  普仏戦争、第一次、第二次大戦)も凄惨な殺し合いをしてきたことを思い出してほしい。
  イギリスは「アメリカに勝てない」と思って従属的に同盟関係を結んだわけではないし、
  ドイツは「フランスに勝てない」と思って従属的に同盟関係を結んだわけでは
  ありません。それぞれ「次は勝つ」方途を探しているうちに、
  「同盟関係を結ぶ方が戦争するより国益に資す」という政策判断を下したから
  そうしたのです。
  だから、この同盟関係は堅牢なのです。日米同盟はそれに比べるとはるかに脆弱です。
  「日米同盟以外はあり得ない」と言い募っている人たちはその外交関係が日本が
  従属国であるから「しかたなく」選択されたものであって、主体的に選び取られた
  ものではないということから目を逸らしている。主体的に選び取られていない
  外交関係にどれほどの信頼が置けるか、少し考えてほしいと思います。
  「次はアメリカに勝つ」ということを国の根本に据えた上での同盟関係であれば、
  アメリカとの同盟関係はずっと深みのあるものになっていたでしょうし、
  戦争経験の総括も、隣国に対する戦争責任の引き受け方も筋目の通ったものに
  なっていたでしょう。(内田)

  2013年に広島で行われた講演会で、アメリカの映画監督のオリバー・ストーンが
  「日本はアメリカの衛星国(satellite state)であり、従属国(client state)である」
  と断言しました。日本の政治家はかつていかなる大義名分を代表したこともないとも
  言い切りました。アメリカの政策に追随する以外に、国際社会に向けて発信する
  いかなる構想も持っていない国だ、と。でもこのスピーチを日本の新聞は
  どこも報道しませんでした。
  もし新聞社が「それは日本に対する侮辱だ」と思うなら、記事として取り上げてきちんと
  反論すべきでした。でも。無視した。
  そんな話は「なかったこと」にしようとした。世界中の国が日本はアメリカの
  属国だと思っていて、日本だけが自分は主権国家だと思っている。
  このような奇妙なことになったのは、すべて70年前の敗戦の総括が
  できていないことに起因するだろうと僕は思います。(内田)

  第二次大戦では中国もソ連も戦勝国で、日本は敗戦国なんだけれども、どうも負けたように
  見えない。圧倒的にわれわれの方が良い暮らしをしているという状態ができたからです。
  さらに状況が大きく変わったのはソ連の崩壊でした。ソ連が崩壊してしまうと同時に、
  日本はアメリカから見て、助けてあげるべきパートナーから収奪の対象に変わった。
  アメリカは基本的にアメリカの国益しか考えないのですから、
  こうした変化は当然のことです。(白井)

  戦死者300万人のうち200万人は最後の1年で死んでいます。国体護持という言葉は
  何やら荘重な響きがありますが、内実は、支配層の自己保身を言い換えただけに
  すぎません。
  日本の支配層は、自分たちの保身のために自国民、それも前途ある若者を中心に200万人
  も見殺しにした。今回のTPPでも同じことをやるでしょう。彼らは自己保身のために、
  日本の有形無形の富を、最後の一片に至るまで切り売りするつもりでしょう。(白井)

【註①】
岸信介も、賀屋興宣も、正力松太郎もCIAの協力者リストに名前があがっている。
アメリカは公文書を開示してくれますから、日本人自身がどれほど隠蔽しようとしても、
外から情報が漏れてきてしまう。岸と正力がCIAのエージェントだったということを知れば、安倍晋三と読売新聞がつるんでいるという政治的絵図は1945年から変わっていない
ということがわかります。
特定秘密保護法を安倍政権が必死に制定しようとしたことの理由の1つは2007年に
アメリカの公文書が開示されて、自分の政治的出自が明らかにされたことに対する
怒りがあるんじゃないですか。(白井)

岸信介がCIAのためにどういう活動をしていたかなんていうのは、安倍晋三がいる限り
日本では資料公開されないでしょう。
占領下の日本人がどうやってアメリカに協力していったのか。占領期における対米協力の
実相というのは僕たちが「対米従属を通じての対米自立」という戦後の国家戦略の適否を
仔細に分析しようとしたら避けて通ることのできない論件なんです。
それがわからないと現代日本のかたちの意味がわからない。
ぜひ心ある歴史学者にやってほしい仕事なんですけど。(内田)
2につづく

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日本戦後史論 2

2015-06-15 16:02:58 | ⑤エッセーと物語
(3)もやもやその3
 大企業や金持ち優遇政策ばかりが決められていき、弱者はどんどん保障を減らされていく。
 弱者への目配りのない政権は、どのような社会を目指しているのか。

A:最近の日本は「右傾化」したと言われますが、僕はむしろ「シンガポール化」と
  呼びたい。
  シンガポールが東アジアで最も成功した資本主義国家だと思われている。
  シンガポールは国是が「経済成長」ですから。統治システムも、教育も、
  メディアも、すべての社会制度が「経済成長に資するか否か」を基準に適否の判断が
  なされる。民主主義は経済成長のプラスにならないと判断されたので、
  建国以来一党独裁が続いています。国内治安法という法律があって、反政府的な
  人物は令状なしで逮捕拘禁することができる。労働組合は政府公認のものしかない。
  大学生は入学に際して「反政府的な意見を持っていない」ことを示す公的な証明書の
  提出を義務づけられている。
  反政府的なメディアは存在しない。リー・クアン・ユー一家が首相ポストを世襲し、
  国有企業を支配している。きわめて効率的なトップダウン・システムです。
  だから「世界で一番ビジネスがしやすい国」だと言われる。
  そのシンガポールをモデルにして日本の制度も全部作り替えればいい
  じゃないかと思っている人たちが現在の安倍政権の熱烈な支持層を形成しています。
  特定秘密保護法とか、集団的自衛権の閣議決定とか、自民党改憲案の「非常事態」の
  適用による独裁制の合法化とか、あるいは学校教育法改訂による学校の
  「株式会社化」などもすべて「日本のシンガポール化」の流れだと言ってよいでしょう。
  だから、彼らを「右傾化している」と呼ぶのは見当違いなんです。
  彼らは別に戦前の大日本帝国のような日本を作りたいんじゃない。
  シンガポールみたいにしたいだけなんです。金儲けだけに特化した社会の仕組みに
  してほしいので、民主主義が邪魔なだけなんです。(内田)

(そうだったのか!次から次へと切れ目なく日本を変えていく、そのモデルが
 シンガポールだったとは!カジノ構想も然(しか)り。
 20年前に私はシンガポールに何度か行きました。その時の感想は、
 「規則でがんじがらめの国」でした。
 たとえば地下鉄にはこう表示されています。「緊急停止させた場合は罰金いくら。
 たとえそれが故意ではなく間違いであっても」。トイレに入れば「流さなかったら
 罰金いくら」。車を増やさないという政策から、車の購入にはべらぼうな税金をかける。
 当時でホンダのアコードが800万円。
 中心街に車を多く乗り入れさせないために、今日はナンバーが奇数の車だけを許可する。
 明日は偶数ナンバーのみ許可。ゴミの分別はなく、生ごみも紙もプラスティックも
 ビン・空き缶もすべて一緒くたにして海に埋め、国土を増やしていく。
 これは聞いた話ですが、誰かが故意に私の車の中に麻薬を置いた場合でも、
 私は死刑になるとか。
 すべてノー・イクスキュースの国なのです。淡路島くらいの小さな国に、
 多民族がひしめきあって住んでいるので、いちいち言い訳を聞いていたら
 切りがないのかなと、当時は思いました)
 
  シンガポールって資源が何もないんですよ。食糧もエネルギーも水さえ自給
  できないんです。だからシンガポールにとって生き延びるためには
  「まず金」というのは正しい選択なんです。
  でも、日本には世界的に見ても有数の豊かな自然がある。森林率68%というのは
  先進国では世界レベルの数字です。温帯モンスーンの湿潤で肥沃(ひよく)な
  農地が列島全体に拡がっている。水源は豊かだし、空気は澄んでいる。
  交通網も通信網も上下水道もライフラインは整備されている。
  だから、贅沢さえ言わなければ、今の手持ちの豊かな国民資源を丁寧に
  保持していくだけで、穏やかな国民生活を送ることができるんです。
  でも、それでは経済成長しない。だから、グローバリストたちは国民資源の
  ストックをゼロ査定して、「フローが足りない」とがなり立てている。
  「このままでは国が滅びると」とまで言い立てている。
  実際に、彼らは国を滅ぼしたいのだと思います。
  日本を「シンガポール化」するためには、日本にあってシンガポールにないもの、
  つまりこの豊かな国民資源を破壊することが最も効率的な方法なんです。
  原発を次々に作って国土を汚染し、TPPで小規模自営農家の存立を不可能にするのは、
  国民が最後に逃れる先であるこの「山紫水明の山河」をそこにはもう戻ることが
  できない場所に変えるための政策であり、その限りでは、たしかに非常なまでに
  合理的な選択なんです。(内田)
  (フローは、経済諸量が一定期間内に変化または生起した大きさを示す概念)

(4)もやもやその4
 福島第一原子力発電所の事故を経験し、もう一度あのような事故が起きたら日本は終わりだと
 多くの国民が気づいている。では、なぜ再稼働という話になるのか。
 なぜ多くの国民は押し黙っているのか。
 
A:『永続敗戦論』を書いた動機の一つは東日本大震災でした。
  非常に大きな衝撃を受けました。
  それだけでなく、震災以降、この国の社会、国家のあり方がはっきり違ってきた。
  ずっと覆い隠していたものが、もはや覆い隠せなくなってしまったんです。
  壊れるべきものが壊れること自体は、悪いことではないのでしょう。しかし、そこから
  新しいよきものを作り出すプロセスは平坦なものではない。まずは、平穏な外観の下に
  隠されていたどす黒いものが噴出してきているわけです。
  原発事故そのものに関して言えば、戦後日本の建前が、ほんとうに建前にすぎなかった
  ことのあらゆる証拠を突きつけられた。その建前の代表は、平和主義と民主主義です。
  どちらの価値も、この国の支配権力が本気で追及したことなど一度もなかったことが
  明らかになりました。覆い隠されていた暗いもの、薄々感づいてはいたものの見たくない
  ので見ないで済ませてきたものが、一気に表に出てきた。(白井)

  ある程度システムが機能している中での失政はきびしく批判されるけれど、システムが瓦解
  してしまったら誰も責任を問わない。東電だってそうでしょう。福島原発事故が
  もっとずっと規模の小さなもので、被害も少なければ、「徹底的な調査を行なって、
  責任者をきびしく処断する」というようなことを政府が言い出したかもしれない。
  でも、ここまで話が大きくなると徹底糾明で政府部内からもぞろぞろと
  連座するものが出てくる。それはできない。
  安倍首相の「戦後レジームからの脱却」路線はどこか破局願望によって駆動されている
  という印象を僕は抱いています。
  安倍首相のあの強硬なイデオロギー外皮は作り物だと僕は思っています。あれは外付けの
  甲冑(かっちゅう)なんです。本人だって重くて苦しい。重くて、冷たくて、痛い。
  でも自分ではおろせない。誰かにおろしてくれと頼むこともできない。…
  街ごと潰れてしまえば、自分の無能や非力は咎められない。だからシステムごと壊れる
  ような政策を選択する。すると、どういうわけかそれが受ける。日本国民も実は
  無意識のうちに「こんな国、いっぺん潰れてしまえばいいのだ」という突き放した
  気持ちを祖国に対して持っているからです。だから、安倍さんに共感しちゃうんです。
  (内田)

  実際に原発事故を徹底的に精査して、精密に被害評価をして、二度と事故が
  起こらないようにしましょうということになったら、もう事故が起きなくなっちゃう
  から、それは困るわけです。
  巨大な事故があったけれども、あれは何でもなかったということにしてぐちゃぐちゃに
  ごまかすのは、別に東電の利益を確保したいとか、関連官庁の監督責任を
  うやむやにすることが目的であるわけじゃないんです。事故をうやむやにすると、
  これからあとさらに巨大な事故が起こる
  リスクが高まる。それを待望しているんです。あんな原発事故があって、どれほどの国富が
  失われたのか計算も立たないうちに、「電力コストが安く上がるから」という理由でまた
  原発再稼働を決めるなんていうのは、コストのことをほんとうに考えていたら
  出てくるはずのない結論なんです。別に彼らは原発だと火力より金が節約
  できるからというようなちまちました理由で原発を再稼働させたいわけじゃない。
  原発を稼働させると原発事故のリスクが高まって、次に事故があったら、
  日本はもう人間が住めなくなるかもしれない。それを期待している
  から再稼働に前のめりなんです。無意識のうちに破局を求めている。
  短期的には経済合理性にかなうように見えるけど、長期的には不合理な選択を
  平然と選ぶのは、その不合理な選択こそが彼らの本当の欲望しているものだからです。
  (内田)

  国民のほとんどが脱原発派であるわけです。だけれども、
  「どっちかといえば、やめた方いい」程度の意志で、やめられるはずがない。
  それがどうやらわかっていないところが、日本国民のだめなところです。
  国家がこれまであらゆる反対意見を踏み潰して推進してきた政策なんだから、
  これを政策転換させるのはとてつもなく大変なことで、
  「どっちかといったらやめた方がいいと思います」程度の意見というのは、
  事実上の推進と同じなんです。(白井)
  3につづく

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日本戦後史論 3

2015-06-15 16:02:21 | ⑤エッセーと物語
(5)もやもやその5
 安倍政権が推し進める安全保障関連法案が通れば、集団的自衛権の行使により自衛隊員が
 他国の戦争に駆り出され、殺されるばかりでなく殺すこともあり得る。
 それにより相手国から敵国と見なされ、国内・国外を問わず、日本人がテロの標的にされる
 危険性が増すだろう。
 いくら歯止めが議論されても、いったん集団的自衛権の行使が認められて、
 アメリカから要請があれば、断ることが難しいことは火を見るより明らかだ。
 こういうことが分かっているのに、なぜ国民は安倍政権を支持するのか。

A:戦後日本の70年間の国家戦略の基本は「対米従属を通じての対米自立」なんです。
  アメリカにべったりはりついて、あらゆる政策を支持して、利害の一致を強調して、すべて
  の重要政策をアメリカに決定してもらって、その従属的態度を徹底させたことの報奨として
  「アメリカ抜きでなんでも決められる国」になるというロードマップの合理性を理解して
  いるのは、世界でも日本人だけじゃないですか。(内田)

  戦後レジームからの脱却といったとき、素直にその言葉を受け取るなら、
  対米自立を果たすということです。ところが安倍さんは戦後レジームからの
  脱却という一方で対米従属を強めている。特に安全保障をめぐって
  解釈改憲によって集団的自衛権の行使を認め、アメリカにくっついて
  戦争をしに行けるようにした。
  しかし、ここに来て、ほんとうに突き抜けてきつつある、歴史修正主義に関して
  アメリカからはっきりと嫌悪感を示されているにもかかわらず、
  ほんとうには撤回しようとしない。
  今後も歴史修正主義の言動を出したり引っ込めたりするでしょう。これは自立というよりも
  孤立といった方がふさわしい。全方位を敵にして、どこにも味方がいない状態です。
  もう北朝鮮と仲良くするぐらいしか、手がないんじゃないですか。だんだん国の在り方も
  似てきたし。たしかにこれは破滅したいんだと考えると、つじつまが合いますね。(白井)

  戦後一貫して偽装してきたわけです。だから、もういい加減、仮面を剥(は)ぎ取って、
  本音を言いたいということはあると思うんですね。「アメリカなんか怖くない」って。
  靖国に行く連中はその「禁句」をどこかで言いたくてしかたがないんでしょう。(内田)

  彼らがおそらく無意識のうちに待望しているシナリオは、尖閣をめぐって衝突が起こって、
  日本人みんなが逆上するというケースです。「さあ、中国と一戦交えるぞ!」という話に
  なって、国民が狂躁(きょうそう)的な興奮状態になる。もちろん日本国民は当然日米安保
  条約第5条が適用されて米軍が出動し、自衛隊とともに人民解放軍と戦ってくれるもの
  だと期待する。けれども、もちろん米軍は出てきません。何が悲しくてあんな岩礁1つの
  ためにアメリカの兵士が死ななければいけないのか理由がありませんから。でも日本人は
  怒りますよ。「尖閣は安保条約の適用範囲だと前に言ったじゃないか!」と食言を咎める。
  でも、アメリカはそういうふうに言っておけば中国が軍事的進出を控えるだろうと思って、
  ハッタリで言っただけで、本気で適用する気なんかはじめからない。だから、「むろん
  お約束通り、安保条約は発動する気持ちは十分にあるが、いざ対中国戦争という
  ことになると議会の議決がいる。
  中国市場に依存する企業や中国に生産拠点のある企業には『みなさんの会社の収益が
  激減し、在外資産も消えますけど、それでいいのですか?』とお訊ねしなけれ 
  ばならない。国内世論を『戦争してもいい』という方向にとりまとめるためには
  だいぶ時間が かかるんです」と理屈をつけて、出兵をずるずる先送りにする。
  日本人は怒り出す。
  「なんでアメリカは軍を出さないんだ。70年間も基地を提供し、『思いやり予算』で
  さんざんムダ飯を食わせてやったのに、あげくがこの仕打ちか!」ということになります。
  アメリカがいちばん恐れているのはそのシナリオです。(内田)

  日中間で軍事的フリクションが生じた場合にも米軍は出ない。アメリカには中国と戦争して
  得られるメリットなんか何もありませんから。でもアメリカが対中宣戦布告をしなければ、
  次は日本国内の世論が一夜にして「反米」に染まってしまう。戦後70年間「対米従属を
  通じての対米自立」路線を無思慮に歩んできたことの無意味さに
  国民規模で気づいてしまう。
  そのときこそ久しく抑圧され隠蔽(いんぺい)されてきた日本人の反米感情が一気に
  噴出する。「安保条約即時廃棄、駐留米軍基地即時撤去、自主核武装」といった威勢の
  良いスローガンを喚(わめ)き散らす人たちが出てくる。日米安保が空語だったということ
  がひとたび露呈してしまったら、このスローガンに反論することはもう不可能です。
  こうなったら世界中全部敵だ、中国でも韓国でも北朝鮮でもアメリカでも、どこからでも
  かかって来い。こうなったらみんなまとめて戦争だ、というような常軌を逸した言葉に
  国民たちが熱狂し始める。…(内田)
  (フリクションは摩擦・いさかいのこと)

  私は彼をそこまで根性があるとは思えないですよね。ほんとうに尖閣で
  ドンパチが起こって、
  自衛隊が出て交戦状態に入ったとき、それを首相が記者会見で発表する。安倍さんはそんな
  感じで将軍気分を味わいたいだけなんじゃないか。つまり幼児性です。そんな事態が生じ
  たら、中長期的にどうなるのかという問題は、彼の知性の身の丈には余る事柄でしょうし。
  …自衛隊が戦争に出ていって、死人まで出るという状態になったら、もう事実として
  憲法九条は完全に機能していないことになる。既成事実ができるわけですね。
  憲法九条はもう完全に守られていないという状態ができる。
  となると、改憲のハードルは著しく低くなる。
  既成事実を認めるだけのことになりますから。こういう展開がこの解釈改憲、集団的自衛権
  行使容認の狙いであり、道筋なんじゃないかと思います。(白井)

  …「平和主義」の内容は、「安全保障政策」とイコールと見ていい。
  「積極的安全保障政策」ということでしょう。「積極的」という言葉遣いは、
  これまでの日本の安全保障政策が「消極的」だったということを示唆していますよね。
  たしかに、安全保障政策は「積極的」なものと「消極的」なものに大別できる。
  後者は、できるだけ戦争から身を遠ざけることで
  国家の安全を保つという方針だといえます。憲法九条はこの方針のシンボルだといえる。
  これに対して前者は、「積極的」に敵を名指しして、その敵を攻撃したり無力化することに
  よって安全を保つということなのでしょう。で、第二次大戦後から今に至るまで、そういう
  積極策をずっと採り続けてきた国があります。アメリカですね。このアメリカの軍隊の動き
  に自衛隊の活動を一体化させることが、「積極的平和主義」ですよね。(白井)

  …ところが安倍さんでは対米従属と対米自立が交互に出てくる。普天間基地の問題で
  沖縄県知事の譲歩を取り付けた直後に靖国神社に参拝する。集団的自衛権の容認を閣議決定
  した直後に北朝鮮への経済制裁を解除する。つまり、「対米従属」のポーズを1つすると、
  その後に「アメリカが嫌がること」を1つする。彼の中ではそれで帳尻が合っているんだと
  思います。「アメリカが嫌がること」、靖国参拝とか北朝鮮との接近とかは、安倍さんに
  とっては「対米従属」の代償として許された彼なりの「成果」なんです。
  問題は、従属の代償に受け取るのは「アメリカが嫌がることをする権利」であって、日本の
  国益ではないということです。靖国参拝なんて、日本の国益と何の関係もない。
  参拝支持者たちが言うように私的宗教儀式にすぎない。「対米従属」は端的に
  日本の国益を削って、差し出すということです。本来なら国益と国益のトレードの
  レベルでの話であったものが、国益と私益のトレードの次元に移動している。
  だからこそ、葛藤がないんです。日本が何かを失って、その代わりに安倍晋三個人が
  何を得るかという構図ですから、葛藤のしようがない。僕が人格解離と
  いうのはそのような状態のことです。だからたしかに安倍さんには葛藤がない。(内田)

(「安保関連法案」を成立させるという「対米従属」をした後に、「70年談話」をアメリカが
 嫌がるものにしようとしているのだろうか。だから成立を急いでいるのだろうか)

  今やアメリカの東アジア戦略上の最大のリスクファクターは安倍晋三です。
  できたらこの人に早く辞めてほしい。でも、もっていき方を間違えると、
  日本の「北朝鮮化」という虎の尾を踏んでしまう。それに、日本国内の
  「忖度する下僚」たちは安倍さんが「対米従属による対米自立」路線の忠実な
  実行者なんだからホワイトハウスからも好かれているに違いないと思い込んでいる。
  (内田)

  やっぱり焦点は集団的自衛権の問題なんです。容認の閣議決定をしたことで、アメリカから
  見れば大いなる前進があった。あとは関連法案を通して、そこでもう
  安倍内閣はいらないという話になるんじゃないか。(白井)

  政権の政策はすべて先行きの失敗が見えているわけですよね。輸出は伸びないし、GDPも
  下がったし、成長戦略もないし。頼みは株価だけですから、株が急落したところで
  アベノミクスの命脈は尽きて支持率は株価といっしょに急落するでしょう。
  そうなれば、もう政権を支える具体的根拠はなくなりますから。ただし、
  ものが経済ですから、いつ何が起きるかわからない。(内田)

(アメリカの日本に対する期待度は、冷戦の時とは比べようもないくらい低くなっている。
 アメリカにこれだけ尽くしているのだから、いざとなったらアメリカも…と
 考えるのは違うのではないだろうか。アメリカの軍事を大幅に肩代わりさせられ、
 TPPでは大幅に譲歩させられた後、日本はどこに向かおうとするのだろうか)

    



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ドキュメント"武器輸出" 防衛装備移転の現場から 追記 3~6

2015-06-14 21:32:54 | ②一市民運動
2014年10月8日の私のブログ、「ドキュメント"武器輸出" 防衛装備移転の
現場から」の追記が長くなりましたので、3以降を独立させます。

追記3
2015年1月8日の朝日新聞によると
防衛省が研究を進めている国産・次世代戦闘機、ステルス機のエンジンを制御するレバーに
欠陥が見つかり、初飛行が4月以降に先送りされたという。
三菱重工業などが機体を製造していて、今年度中(3月まで)に初飛行する予定だった。
(ここまで引用)

ステルス機とは、照射されるレーダー波をそらし吸収する形状・材質を取り入れることで
敵の探知をかわし、相手陣営の監視・指揮ポイントを狙い撃つ攻撃・戦闘機である。
米国はもとより、中国、ロシアなど世界各国が開発競争を繰り広げている。

武器の共同開発や武器輸出が現実のものとなり、日本はますますきな臭い国に変貌してゆく。
不思議なのは、ステルス機を「先進技術実証機」と命名していることだ。
私には、これは科学技術の発展のためのもので、戦闘機だけではないのですよとの
誤魔化しに思えるのだが・・・
(2015年1月8日 記)

追記4
2015年6月10日、自民・公明・維新各党の賛成多数で、
「改正防衛省設置法」が成立した。
これにより防衛省の「背広組」と「制服組」が対等な立場になる。
そもそも戦前に軍部が暴走した反省から、背広組が制服組より優位とする仕組みを作ったのでは
なかったのか。シビリアンコントロール(文民統制)が弱まることが懸念される。
また、10月には「防衛装備庁」を新設する。
武器を研究開発から購入まで一括して管理することになるが、不正の温床になりかねない
との指摘がある。
(2015年6月10日 記)

追記5
2015年6月13日の「報道特集」によると、
2015年5月13日から15日まで、横浜で【武器商談会】が開催されたという。
これは海軍、日本でいう海上自衛隊の軍の装備品を展示する、日本で初めての試みだ。
日本企業20社を含む、国内外120を超える民間企業や政府機関が出展した。
フランス軍需企業の「機雷破壊無人兵器」や、無人攻撃機などが
「防衛装備品」という名のもとで売買される。
日下部キャスターが指摘するように、防衛装備品=武器ではないのか!
最近、日本に蔓延するオブラートで包むような、本質を隠す言葉の乱用は止めて欲しい。

また、このことを他のメディアは報道したのだろうか。
特にNHKは放送したのだろうか。
会場には杉原こうじさんが、「武器商談会」に反対のメッセージボードを持って
「武器商売はやめろ!」と抗議していた。
杉原さんのブログに「武器商談会」の様子が、写真入りで紹介されています。
Googleで「杉原こうじ武器商談会」と検索すると、一番上に出てきます。

2014年4月に「防衛装備移転三原則」が閣議決定されたことで、2014年6月には
世界最大規模の国際武器見本市(ユーロサトリ2014)に、日本は戦後初めて参加した。
10月には「防衛装備庁」が新設され、これからますます安倍政権の下で、
軍需産業が勢いを増していくのだろう。これがアベノミクスの正体なのか!

●防衛省の外局となる防衛装備庁が2015年10月1日、約1800人で発足する。
 自衛隊が持つ武器の開発から購入、民間企業による武器輸出の窓口役までを一元的に担い、
 約2兆円の予算を握る巨大官庁だ。
 日本はすでにオーストラリアの次期潜水艦導入計画に名乗りを上げ、英国とも
 空対空ミサイルの共同研究に合意している。
 防衛装備庁は、国内の防衛産業を海外に売り込んだり、
 海外の軍需産業と結びつけたりする役割を担う。
 経済界は防衛装備庁の設置をビジネスの好機とみて注目している。
 (2015年10月1日朝日新聞より)       (2015年10月1日 記)

追記6
2015年8月2日の東京新聞によると、
【海外軍事企業買収認める 政府方針 民間武器製造拡大の恐れ】
政府は、日本企業に課している海外の武器製造企業の買収規制を見直す方針を決めた。
関連法の運用指針を現在の「厳に抑制」から「状況に応じ適切に判断」などと変更。
法律改正はせず、解釈を変えることで、現在の原則禁止規制を改める。
武器輸出を原則認める防衛装備移転三原則を決定したことに伴うもので、見直しにより
日本の防衛関連企業の海外進出が可能になる。

(解釈を変えるだけで日本の軍需産業はますます勢いを増し、日本はズダズダにされていく)
(2015年8月3日 記)


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フランス原発大手「アレバ」が経営危機

2015-06-05 06:37:03 | ②一市民運動
6月4、5日の朝日新聞によると、原子力大国フランスを支える原発メーカーの
「アレバ」が経営危機に陥っていて、仏政府が救済する方針を発表した。
仏電力公社(EDF)が、原子炉製造などを手がけるアレバの完全子会社の株式を過半数
取得して傘下に置いたうえ、政府がアレバへの資本注入に応じることが柱だ。
(EDFもアレバも、政府が株式の8割以上を保有する国策企業)

アレバの2014年決算の純損益は48億ユーロ(約6700億円)の赤字で、純損失は
4年連続だ。11年の東京電力福島第一原発事故後、先進国で原発見直しの動きが出て
いることに加え、フィンランドなどで建設中の新型の原子炉EPR(欧州加圧水型炉)で
トラブルが続いて完成が10年近く遅れて、引当金の計上などを迫られている。

アレバは世界で最大6千人規模の人員減などで10億ユーロのコスト減も発表していたが、
政府は解雇をさける方針だ。アレバの資本も残すほか、政府もアレバ本体に必要に応じて
資本増強に応じる。
新会社には海外資本の導入も取りざたされる。巨大市場を擁する中国核工業集団
(CNNC)や中国広核集団(CGN)などの名前が挙がってきたほか、
三菱重工業の出資の可能性に言及する仏メディアもある。 (引用ここまで)

先進国では原発見直しの動きがあるのに、なぜフランスや日本には波及しないのだろうか。
日本政府もフランス政府も、国策として原発を推進してきた以上、引くに引けないと
思っているのか。こうして多額の国費を使って、東京電力やアレバを救済することになる。
これまで私のブログに書いた「アレバ」の記事を下に載せます。

●2014年8月23日、「放射性廃棄物~終わらない悪夢~2」より

(4)グリーンピースにより、フランスのラ・アーグ使用済み核燃料再処理工場
   (当初は軍事用プルトニウムを生産していた)でも汚染が見つかった。
   1993年には、放射性廃棄物を船からドラム缶で海へ投棄することは禁止
   されたが、パイプを通しての海洋投棄は、今も合法なのだ。
   毎年、膨大な量の廃液が、パイプを通って海に棄てられている。
   ラ・アーグは、毎日400立方メートルの放射性廃液を、英仏海峡に投棄している。
   海底は汚染され、セシウム、コバルト、ヨウ素129などが検出されている。
   そして北極海でも検出されているのだ。

   使用済み核燃料を溶かす時にも、放射性物質を含むガスが排気筒から空気中に
   出される。放射性レベルは、空気1立方メートルあたり9万ベクレルという高い
   数値だ。クリンプトンという放射性ガスに、ヨーロッパ全土が2~3日で影響を
   受ける。ラ・アーグ周辺の村でも、クリプトン85が検出された。
   その年間放出量は、1立方メートルあたり1000ベクレルで、これは数十年間の
   核実験500個分よりも多い。
   クリプトン85の半減期は10年で、大気中に蓄積されてゆく。
   コストがかかるという理由で、アレバ社(仏原子力企業)はこれを放置し、
   仏原子力安全機関もそれを認めている。

●2014年11月18日、「黒い絆 ロスチャイルドと原発マフィア 4」より

私は、日立がGEと組んでいると先に書いたが、2011年4月4日、GEのCEO、
ジェフリー・イメルトが来日した。2011年3月末にはフランスの原発メーカー最大手、
アレバのトップも来日している。アレバは何を狙っているのか。アレバと提携関係にある
三菱重工の幹部は「目的は廃炉ビジネスだ」と指摘している。

RTZは、フランスという国家を巻き込み、ウラン資源国のカナダ、南アフリカ、
オーストラリアのウランをフランスに提供することにした。フランスは原発を国有化した。
そしてヨーロッパのエネルギーの支配者となった。三菱重工を組織の中に取り入れた
アレバは、フランス国家が90%の株を所有することを知る必要がある。
RTZはかくてフランスを巨大な原発国家に仕上げた。

どんなに悲惨な事故が起きようとも、国際金融マフィアが完全に支配する原発の新設は
続けられる。日本はもし、静岡・浜岡原発で予期せぬ事故が起きたら、
国家として成り立たなくなる。
しかし、東芝も、GEと組んだ日立も、フランスのアレバと組んだ三菱重工も、次々と
原発をいろいろな所に、そう、いろいろな所に、世界中に造りまくると意気まいている。
もし、フランスのアレバが、福島第一原発の廃炉の利権を得れば、アレバと三菱重工に
兆円単位の金が入ることになる。世界が原発で滅びようとも、世界を支配しようとする
原発マフィアは、かえってそれを願っているのかもしれない。


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9条の発案者は誰なのか

2015-06-04 13:12:52 | ②一市民運動
朝日新聞夕刊の、シリーズ「新聞と9条」が面白い。
9条を多面的に捉えていて、関わった様々な貌が見えてくる。
これを読んでいくと、安倍首相が言う「アメリカから押し付けられた、みっともない憲法」
とは到底思えない。是非、安倍首相にお奨めしたい。

2015年6月3日の記事には、マッカーサーと幣原 喜重郎(しではら きじゅうろう)が
出てくる。寡聞にして、私はこの方をよく知らなかった。
広辞苑によると、
「外交官・政治家。岩崎弥太郎の女婿。1924年以後4度外相。
 対米英協調と対中国内政不干渉方針をとって、軟弱外交と非難された。
 第二次世界大戦直後に首相。

ここより引用
 1951年5月5日の上院軍事外交合同委員会で、マッカーサーは戦争放棄条項誕生の
 経緯を証言した。

 ―日本が憲法草案を作成していたころ、マッカーサーは、首相の幣原喜重郎から戦争放棄を
  どう思うか、意見を求められた。マッカーサーが幣原に答えた。
 
 「世人の嘲笑を切り抜けて行くには非常な精神的な強さを要するであろうし、そして
  結局は守り得ないことになるかもしれないが、とにかく敢然と進むべきである」

 この言葉を受けて幣原は、戦争放棄を憲法に書き込んだ、とマッカーサーは述べた。
 幣原は、この証言の2か月前に死去。本人への確認は不可能だった。ただし、幣原自身、
 マッカーサー証言の直前(51年4月)に刊行された遺著「外交五十年」で、
 戦争放棄、軍備全廃は自分の発案であり、連合国軍総司令部(GHQ)に強いられた
 ものではない、と述べていた。

 その後、63年にマッカーサーは「回想記」を発表、戦争放棄条項に触れた。

 ―日本政府の憲法問題調査委員会が草案づくりをしていた46年1月24日、自分の事務所
  を幣原が訪ねてきた。幣原は戦争放棄と軍事機構の不保持を定めたいと提案した。

 ―戦争廃止は私の長年の夢でもあった。幣原は涙ながらに言った。
  「世界は私たちを非現実的な夢想家と笑いあざけるかもしれない。
   しかし、百年後には私たちは預言者と呼ばれますよ」 (引用ここまで)

世の中は、強い意見に引っ張られる傾向にある。
危機感を煽り、「どうする、どうなる」と迫られると、「それは違うのでは……」と思っても
言えなくなってしまうことがある。

たとえば安倍首相は、ホルムズ海峡が封鎖されたら、日本はどうなる!石油が来なくなったら
日本はどうする!どうなる!と危機感を煽る。

だが、日本の原油備蓄は半年以上もあり、原油輸入第1位サウジアラビアからは、
パイプラインを使えば、ホルムズ海峡を通らずに紅海からも可能なのだ。
第2位のアラブ首長国からも、ホルムズ海峡を迂回するパイプラインが
3年前に完成しているのだ。
「他に方法がない」のではなく、「他に方法がある」のだ。

機雷掃海は武力行使に当たる。他に方法があるのに、日本が危険を冒してまで
集団的自衛権を行使し、機雷掃海をする必要があるのだろうか。
武力行使をすれば、国内だけではなく、世界中で日本人がテロの標的にされる
危険性が増すだろう。
自衛隊員が殉職する危険性も、今とは考えられないくらい増すだろう。

幣原さんをはじめ、先人たちが築き上げてきたものを、アメリカ政府を喜ばすために
失ってよいとは、私にはどうしても思えない。       (敬称略)

※新聞社の方へ
 読みにくい人名には、ルビを付けて頂けませんか。
 幣原(しではら)さんを、私は(ぬさはら)さんと読んでいました。

追記1
2015年6月4日、衆院憲法審査会は立憲主義などをテーマに、各党が推薦した
3人の憲法学者を招いて参考人質疑を行った。

(1)自民党が推薦した長谷部恭男・早大教授は
   集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法案について、
「憲法違反だ。個別的自衛権のみ許されるという(9条の)論理で、
 なぜ集団的自衛権が許されるのか」と批判した。

(2)民主党推薦の小林節・慶大名誉教授は、
「憲法9条2項で、海外で軍事活動を法的資格が与えられていない。
 仲間の国を助けるために海外に戦争に行くのは9条違反だ」との見解を示した。

(3)維新の会推薦の笹田栄司・早大教授は、
「従来の政府による9条解釈が『ガラス細工と言えなくもない、ぎりぎりで保ってきた』
 との認識を示し、法案について『(これまでの定義を)踏み越えてしまっており違憲だ』」
 と指摘した。

また、重要影響事態法案などで、米軍などを後方支援する自衛隊が「現に戦闘行為が
行われている場所」以外なら活動できるとした点についても、小林氏らは
「(武力行使との)一体化そのものだ」などと発言した。
3人とも違憲や違憲のおそれがあるとの認識を示した。

●2015年6月4日毎日新聞夕刊に、とても興味深い記事が載っています。
 「この国はどこへ行こうとしているのか 『平和』の名の下に 哲学者・西谷修さん」
  アドレスが長すぎてブックマークに入りません。
  Googleで「毎日新聞西谷修」と検索すると、一番上に出てきますので、
  是非、ご覧ください。
  安倍政権がしていることは、アメリカへの「自発的隷属」だという。納得です!
 (2015年6月5日 記)
    ↑
こちらの記事も、有料会員しか見られなくなりました。(2015年6月11日 記)

●面白い動画を見つけました。
「(動画)総統閣下は、『安保法制』審議にお怒りのようです」をブックマークに入れました。
お腹がよじれるほど面白いです。
削除される危険性があるので、お早めにどうぞ!
          ↓
https://www.youtube.com/watch?v=WSroOlr3KyQ

これは2004年公開、ドイツ・オーストリア・イタリアの共同制作による映画
『ヒトラー 〜最期の12日間〜』のパロディです。
深刻なシーンをアッケラカ~ンと利用して、面白おかしく、それでいて言いたいことを
ズバッと込める。素晴らしいの一言です。
こういうことの出来る日本は、まだまだ大丈夫です。
どんな形であれ、出来るうちに大いに発信していこうと思います。
もしかしたら、出来なくなる日が来るかもしれないのですから。

それにしても、『ヒトラー 〜最期の12日間〜』を三国共同で製作できる
ドイツの懐の深さ、文化の豊かさを想いました。
原題はドイツ語の『失脚』、『没落』だそうです。
 (2015年6月9日 記)

●2015年6月8日の毎日新聞夕刊に、半藤一利さんが、
 現在の日本が段々きな臭くなっていく気配について語っています。
「この国はどこへ行こうとしているのか 『平和』の名の下に 作家・半藤一利さん」
 太平洋戦争を知る方ならではの視点です。
 ブックマークに入れましたので、是非、お読みください。
 もし読めない場合は、無料会員登録すれば読むことができます。
(2015年6月10日 記)
       ↑
昨日は無料会員登録ページが出て、登録したら見られました。
今、ブックマークをクリックしたら、有料会員の申し込みしか出てきませでした。
よってブックマークを削除します。
(2015年6月11日 記) 


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