虎の子はおろか命を奪われぬ 老いらくの恋うたかたの恋
2月21日放送のTBS「報道特集」は、先週に引き続き人質事件の続報です。
(2015年2月11日のブログ「報道人の気魄1」の続き)
水面下で何が起きていたのか?これまで知らされていなかったことが
明らかになっていきます。
カダフィー政権下でリビア大使だった塩尻宏氏(現中東調査会参与)は、
今回の人質事件の対応をこう批判している。
「今まで私たちは個々の命は守る。かけがえのないものだということで、そういう人たちが
危険にさらされた時は、何を置いてもやってきた。
そうじゃなくて今はもう方針転換されて、個々の命よりも、もう少し
大きな大義がより重要なんだ
ということになったのは、大転換ですよ。考え方が基本的に変わった。
もう犠牲者が出てもいいんだということですよね」
事件の裏側が徐々に明らかになってきた。
1月29日に公開された後藤さんの妻の音声メッセージは
「私はシリアのグループによって拘束されたジャーナリスト後藤健二の妻です。
彼は2014年10月25日に、私の元からいなくなりました。
それ以来、私は舞台裏で休むことなく、彼の解放に向けて働いてきました」
後藤さんは10月下旬に消息を絶った。
11月に入ると取材仲間の間で、後藤さんの身に何か起きたのではないかという
ウワサが拡がった。
フリージャーナリストの安田純平氏は
「取材仲間の同業者から、(後藤さんが)11月の上旬にインタビューの仕事があるのに
帰っていないと、仕事が連絡なしでとんでしまっているということで、
どうもおかしいというウワサが流れた」
(後藤さんの妻が拘束を知ったのは、2014年12月2日。犯行グループからの
メールがきっかけという)
これと同じ頃、安田さんが後藤さんの妻を訪ねた時の印象は
「家族は『シリアに行って取材中です』としか話さず、マスコミに漏れることを
警戒していたようだ。
『連絡はついているか』とお聞きしたが、それについては明言せず、
何かしら事情があるという
ことは分った」
安田さんとともに自宅を訪ねたフリージャーナリストの常岡浩介氏は
「その後、後藤さんと親しいシリア人のガイドに連絡を取り、『後藤さんは「イスラム国」に
捕まっているのでは』と聞いたが、『その問題については話せない。
後藤さんの身に危険が及ぶからと言われまして』」
2月19日の国会での菅官房長官は
「12月3日に何者かに拘束されているというメールが(後藤さんの妻に)入った。
その交渉について後藤夫人が、民間の専門家に相談して対応してきている。
それに対して政府は、後藤夫人をサポートしてきた」
安田さん
「後藤さんから聞いた話だが、(後藤さんが)紛争地の取材をする
トレーニングを受けていると、
イギリスに本部のある会社で、レバノンで訓練を受けたと。
その会社に登録していると紛争地で行方不明になったり、誘拐された時、
捜索や交渉をしてくれる
団体という話をされていて、もしもの事態に備えて後藤さんは登録していた」
紛争地や危険地帯を専門とするセキュリティ情報会社(CTTSSジャパン)を
経営しているニルス・ビルト氏にインタビュー
「(後藤さんが登録していたというイギリスの会社は)とても評判の良い会社です。
後藤さんは訓練の後も、その会社と頻繁に連絡を取っていた。
そして後藤さんは、もし自分に何かあったらここに連絡しろと妻に話していたはずです。
そういう意味では、後藤さんはプロフェッショナルだったと思います」
アメリカやイギリス、ヨルダンやトルコの情報機関にも幅広くパイプを持つというビルト氏が、
複数の情報源から聞いたところでは
後藤さんの妻は後藤さんの行方が分からなくなるとすぐに、契約していたイギリスの危機管理
コンサルタント会社に連絡した。
この会社は拘束している相手が「イスラム国」だと確認すると、主にトルコのルートを使い
解放に向けた交渉を始めたという。
ビルト氏
「犯人側からの最初の要求額は約10億円でした。
そこから要求は20億円に上がったようです。
これは交渉が失敗している兆候に見えるかもしれませんが、そうとも言えません。
双方に何があったか知りませんが、”交渉の余地があった”とも解釈できます。
いずれにせよ10億円という要求は、この種の事件としては”それ相応の金額”ではあります」
年が明けても「イスラム国」と危機管理会社との交渉は続けられていたという。
安倍首相の中東訪問はその最中だった。
安倍首相のスピーチの3日後、「イスラム国」による脅迫ビデオが確認された。
その瞬間、後藤さんと湯川さんが「イスラム国」に拘束されているという事実が
世界中に知れ渡った。
ビルト氏
「『イスラム国』はあの演説を聞いて、日本は取引に関心がないと受け止めたでしょう。
仮に私が交渉を任されたとして、そこへ政治家が「『イスラム国』との戦いに
貢献します」などと言ったりしたら、私の立場は極めて厳しくなりますよね。
なぜなら私はもう一度、相手(「イスラム国」)に私は本当に交渉しているんですと
信じさせなくてはなりませんから」
その後、危機管理コンサルタント会社と「イスラム国」側の交渉は事実上、打ち切られたと
ビルト氏は見ている。
ビルト氏
「警察と外務省は後藤さんの妻に対して、その危機管理会社をもう使わないよう求めた
ようです。彼女はそれに従い、会社に連絡して、交渉を止めるよう告げたのでしょう。
そしてその時点で、交渉は日本の警察と外務省に引き継がれたのだと思います」
一方、外務省と警察幹部は、交渉を止めるよう妻に申し入れた事実はないとしている。
後藤さんの解放をめぐって、1月下旬まで行われたとされる「イスラム国」と
イギリスの危機管理コンサルタント会社との水面下での交渉ーその内容は
外務省にも報告されていたというが、
安倍首相は、衆議院選挙にまたがるこの期間の対応について、国会で答弁する。
「そもそも政府としての立場というのは、テロリストと交渉しないというのが政府の
基本的立場です。
しかし接触等については、この段階ではアイスルということが明らかに
なっていないのですから、
明らかになっていないのに接触して聞くと言うのは、こんな馬鹿げたことはもちろん、
しないわけでありますから。
そこで【ぶじょくちょうとうとう】(何度もいいかえすが聞き取れない。
部族長等々の意味か?)から様々な情報等を収集していたわけであります。
その中で残念ながら、まだ収穫がないという状況が続いていたということであります」
(なんと冷たい答弁だろう。自分の身内が人質でも、このように言えるのか)
金平キャスターがビルト氏にインタビュー
「(脅迫ビデオが公開された)1月20日以前に、2人の命を助けられる可能性はあったか」
ビルト氏
「『イスラム国』は交渉に応じてきた実績がある。トルコだって何十人もの人質の解放に
成功しました。だからチャンスは常にあります。
たとえそれが20%から30%でも、全く無いよりはましですよね」
最後に、他の国では人質解放に民間のコンサルタント会社が介在しているのかという
質問に対し、金平キャスターは
「民間のコンサルタント会社がいろいろなチャンネルを使って、結果的に人質が
返って来たケースはあるんですね。
フランスとかスペインとか、表面的には政府はテロに屈しないとか言いながらですね、
別のチャンネルを活かしておいて、少しでも助かる可能性を最大限にしておこうという
そういう努力というものを、最後の最後まで放棄しないんですね。
ビルト氏は日本の参議院の外交防衛委員会のシニア・アドバイザーを務めていたが、
今後の検証作業がちゃんと行われないのではないかという懸念を持っていて、
それで敢えて、私たちの取材に応じてくれたという背景があります」(引用ここまで)
もし安倍首相が中東であのような演説をしなかったら、もし対策本部をトルコに置いていたら、
もしあらゆるチャンネルや人を使って交渉していたら、もしイギリスの
民間コンサルタント会社との交渉を続けていたら、もし判断力や想像力があったとしたら・・・助かった命だと思わざるを得ない。
●「イスラム国」人質事件検証委員会の最終報告書に対する日刊ゲンダイの記事を
ブックマークに入れました。
宮家邦彦氏をはじめとする委員による、最初に結論ありきの検証結果です。
民主主義国家で、これは通用するのでしょうか。
(2015年5月31日 記)
(2015年2月11日のブログ「報道人の気魄1」の続き)
水面下で何が起きていたのか?これまで知らされていなかったことが
明らかになっていきます。
カダフィー政権下でリビア大使だった塩尻宏氏(現中東調査会参与)は、
今回の人質事件の対応をこう批判している。
「今まで私たちは個々の命は守る。かけがえのないものだということで、そういう人たちが
危険にさらされた時は、何を置いてもやってきた。
そうじゃなくて今はもう方針転換されて、個々の命よりも、もう少し
大きな大義がより重要なんだ
ということになったのは、大転換ですよ。考え方が基本的に変わった。
もう犠牲者が出てもいいんだということですよね」
事件の裏側が徐々に明らかになってきた。
1月29日に公開された後藤さんの妻の音声メッセージは
「私はシリアのグループによって拘束されたジャーナリスト後藤健二の妻です。
彼は2014年10月25日に、私の元からいなくなりました。
それ以来、私は舞台裏で休むことなく、彼の解放に向けて働いてきました」
後藤さんは10月下旬に消息を絶った。
11月に入ると取材仲間の間で、後藤さんの身に何か起きたのではないかという
ウワサが拡がった。
フリージャーナリストの安田純平氏は
「取材仲間の同業者から、(後藤さんが)11月の上旬にインタビューの仕事があるのに
帰っていないと、仕事が連絡なしでとんでしまっているということで、
どうもおかしいというウワサが流れた」
(後藤さんの妻が拘束を知ったのは、2014年12月2日。犯行グループからの
メールがきっかけという)
これと同じ頃、安田さんが後藤さんの妻を訪ねた時の印象は
「家族は『シリアに行って取材中です』としか話さず、マスコミに漏れることを
警戒していたようだ。
『連絡はついているか』とお聞きしたが、それについては明言せず、
何かしら事情があるという
ことは分った」
安田さんとともに自宅を訪ねたフリージャーナリストの常岡浩介氏は
「その後、後藤さんと親しいシリア人のガイドに連絡を取り、『後藤さんは「イスラム国」に
捕まっているのでは』と聞いたが、『その問題については話せない。
後藤さんの身に危険が及ぶからと言われまして』」
2月19日の国会での菅官房長官は
「12月3日に何者かに拘束されているというメールが(後藤さんの妻に)入った。
その交渉について後藤夫人が、民間の専門家に相談して対応してきている。
それに対して政府は、後藤夫人をサポートしてきた」
安田さん
「後藤さんから聞いた話だが、(後藤さんが)紛争地の取材をする
トレーニングを受けていると、
イギリスに本部のある会社で、レバノンで訓練を受けたと。
その会社に登録していると紛争地で行方不明になったり、誘拐された時、
捜索や交渉をしてくれる
団体という話をされていて、もしもの事態に備えて後藤さんは登録していた」
紛争地や危険地帯を専門とするセキュリティ情報会社(CTTSSジャパン)を
経営しているニルス・ビルト氏にインタビュー
「(後藤さんが登録していたというイギリスの会社は)とても評判の良い会社です。
後藤さんは訓練の後も、その会社と頻繁に連絡を取っていた。
そして後藤さんは、もし自分に何かあったらここに連絡しろと妻に話していたはずです。
そういう意味では、後藤さんはプロフェッショナルだったと思います」
アメリカやイギリス、ヨルダンやトルコの情報機関にも幅広くパイプを持つというビルト氏が、
複数の情報源から聞いたところでは
後藤さんの妻は後藤さんの行方が分からなくなるとすぐに、契約していたイギリスの危機管理
コンサルタント会社に連絡した。
この会社は拘束している相手が「イスラム国」だと確認すると、主にトルコのルートを使い
解放に向けた交渉を始めたという。
ビルト氏
「犯人側からの最初の要求額は約10億円でした。
そこから要求は20億円に上がったようです。
これは交渉が失敗している兆候に見えるかもしれませんが、そうとも言えません。
双方に何があったか知りませんが、”交渉の余地があった”とも解釈できます。
いずれにせよ10億円という要求は、この種の事件としては”それ相応の金額”ではあります」
年が明けても「イスラム国」と危機管理会社との交渉は続けられていたという。
安倍首相の中東訪問はその最中だった。
安倍首相のスピーチの3日後、「イスラム国」による脅迫ビデオが確認された。
その瞬間、後藤さんと湯川さんが「イスラム国」に拘束されているという事実が
世界中に知れ渡った。
ビルト氏
「『イスラム国』はあの演説を聞いて、日本は取引に関心がないと受け止めたでしょう。
仮に私が交渉を任されたとして、そこへ政治家が「『イスラム国』との戦いに
貢献します」などと言ったりしたら、私の立場は極めて厳しくなりますよね。
なぜなら私はもう一度、相手(「イスラム国」)に私は本当に交渉しているんですと
信じさせなくてはなりませんから」
その後、危機管理コンサルタント会社と「イスラム国」側の交渉は事実上、打ち切られたと
ビルト氏は見ている。
ビルト氏
「警察と外務省は後藤さんの妻に対して、その危機管理会社をもう使わないよう求めた
ようです。彼女はそれに従い、会社に連絡して、交渉を止めるよう告げたのでしょう。
そしてその時点で、交渉は日本の警察と外務省に引き継がれたのだと思います」
一方、外務省と警察幹部は、交渉を止めるよう妻に申し入れた事実はないとしている。
後藤さんの解放をめぐって、1月下旬まで行われたとされる「イスラム国」と
イギリスの危機管理コンサルタント会社との水面下での交渉ーその内容は
外務省にも報告されていたというが、
安倍首相は、衆議院選挙にまたがるこの期間の対応について、国会で答弁する。
「そもそも政府としての立場というのは、テロリストと交渉しないというのが政府の
基本的立場です。
しかし接触等については、この段階ではアイスルということが明らかに
なっていないのですから、
明らかになっていないのに接触して聞くと言うのは、こんな馬鹿げたことはもちろん、
しないわけでありますから。
そこで【ぶじょくちょうとうとう】(何度もいいかえすが聞き取れない。
部族長等々の意味か?)から様々な情報等を収集していたわけであります。
その中で残念ながら、まだ収穫がないという状況が続いていたということであります」
(なんと冷たい答弁だろう。自分の身内が人質でも、このように言えるのか)
金平キャスターがビルト氏にインタビュー
「(脅迫ビデオが公開された)1月20日以前に、2人の命を助けられる可能性はあったか」
ビルト氏
「『イスラム国』は交渉に応じてきた実績がある。トルコだって何十人もの人質の解放に
成功しました。だからチャンスは常にあります。
たとえそれが20%から30%でも、全く無いよりはましですよね」
最後に、他の国では人質解放に民間のコンサルタント会社が介在しているのかという
質問に対し、金平キャスターは
「民間のコンサルタント会社がいろいろなチャンネルを使って、結果的に人質が
返って来たケースはあるんですね。
フランスとかスペインとか、表面的には政府はテロに屈しないとか言いながらですね、
別のチャンネルを活かしておいて、少しでも助かる可能性を最大限にしておこうという
そういう努力というものを、最後の最後まで放棄しないんですね。
ビルト氏は日本の参議院の外交防衛委員会のシニア・アドバイザーを務めていたが、
今後の検証作業がちゃんと行われないのではないかという懸念を持っていて、
それで敢えて、私たちの取材に応じてくれたという背景があります」(引用ここまで)
もし安倍首相が中東であのような演説をしなかったら、もし対策本部をトルコに置いていたら、
もしあらゆるチャンネルや人を使って交渉していたら、もしイギリスの
民間コンサルタント会社との交渉を続けていたら、もし判断力や想像力があったとしたら・・・助かった命だと思わざるを得ない。
●「イスラム国」人質事件検証委員会の最終報告書に対する日刊ゲンダイの記事を
ブックマークに入れました。
宮家邦彦氏をはじめとする委員による、最初に結論ありきの検証結果です。
民主主義国家で、これは通用するのでしょうか。
(2015年5月31日 記)
アカデミー賞発表の日(2月23日)に、「フォックスキャッチャー」を観に行った。
この映画は、1996年1月に起きたデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが、
金メダリストを殺害した事件を元にしている。
観終わった後にパズルが完成するような緻密な作りになっていて、地味だが素晴らしい作品だ。
映画のあらましは
ソウルオリンピック・金メダル獲得を目指し、レスリングチーム「フォックスキャッチャー」
をジョン・デュポンが立ち上げる。
そのプロジェクトに、1984年ロサンゼルスオリンピックの金メダリストである兄弟、
マーク・シュルツ(弟)とデイブ・シュルツ(兄)が勧誘される。
最初は弟だけが誘いに乗るが、執拗な誘いと巨額な報酬に、兄も後から加わることになる。
兄の心境の変化の描き方が巧みだ。
2人の子どもと夫婦の穏やかな生活を送っている。
弟にレスリングを教える姿には説得力があり、真摯な態度と愛情が伝わってくる。
子どもたちはのびのびと可愛らしく、よきパパぶりが伺える。
初めてジョンが家に来た時に、妻はベッドの上から手をあげ軽く挨拶する。
そのことを弟が「あのデュポンだぞ!それなのに・・・」と非難しても、兄は取り合わない。
誰からも愛される善意のかたまりのような人なのだ。
どんな巨額な報酬を提示されても、今のここでの生活を捨てたくないと申し出を断る。
だがその後、兄も加わることになるが、そこで弟の変貌ぶりを知る。
弟はジョンの狂気を目の当たりにし、自らも堕落した生活を送るようになっていたのだ。
弟は2人でここを出て、大学のコーチに戻ろうと兄に提案するが、
兄は幼い頃の自分たちのような貧しい生活を、子どもたちにはさせたくないという思いから
留まることを決める。そして事件は起きる。
デュポン社は世界的な化学メーカーで、テフロンもデュポン社の商標という。
ジョンは若い頃にレスリングを目指したが、プライドが高い母は乗馬を好み、
「下品なレスリング姿を見たくないのよ」とジョンの夢を奪う。
トロフィー室には乗馬での優勝を物語るトロフィーが多く置かれ、
たくさんの名馬を飼っている。
プライドが高く、自分の価値観しか認めない強い母に育てられた息子は、
どうしてこうも、心に闇を持ち、歪んだ人間になってしまうのだろう。
まるで母の呪縛を身にまとっているようだ。
そして人から評価されることを常に求める。
大金を使ってまで、自分に都合のよい評価を言わせようとする。
無意味に練習場に銃を持って来たり、強引に車の屋根に機関銃を装備させるなど、
かなり好戦的だ。
母は車椅子でフォックスキャッチャーでの練習を見に来るが、絶望のあまり
黙って帰ってしまう。母が亡くなった後に、ジョンの狂気は炸裂する。
この映画は弟の兄へのコンプレックスや、兄弟へのジョンの嫉妬など、いろいろな見方が
出来ると思うが、私はジョンと母との関係が一番心に残った。
それにしても、ジョンを演じるスティーブ・カレルがすごい!
賞は逸したが、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞のダブルノミネートは納得だ。
この映画で監督のベネット・ミラーは、カンヌ国際映画祭・監督賞を受賞している。
(画像はお借りしました)
この映画は、1996年1月に起きたデュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが、
金メダリストを殺害した事件を元にしている。
観終わった後にパズルが完成するような緻密な作りになっていて、地味だが素晴らしい作品だ。
映画のあらましは
ソウルオリンピック・金メダル獲得を目指し、レスリングチーム「フォックスキャッチャー」
をジョン・デュポンが立ち上げる。
そのプロジェクトに、1984年ロサンゼルスオリンピックの金メダリストである兄弟、
マーク・シュルツ(弟)とデイブ・シュルツ(兄)が勧誘される。
最初は弟だけが誘いに乗るが、執拗な誘いと巨額な報酬に、兄も後から加わることになる。
兄の心境の変化の描き方が巧みだ。
2人の子どもと夫婦の穏やかな生活を送っている。
弟にレスリングを教える姿には説得力があり、真摯な態度と愛情が伝わってくる。
子どもたちはのびのびと可愛らしく、よきパパぶりが伺える。
初めてジョンが家に来た時に、妻はベッドの上から手をあげ軽く挨拶する。
そのことを弟が「あのデュポンだぞ!それなのに・・・」と非難しても、兄は取り合わない。
誰からも愛される善意のかたまりのような人なのだ。
どんな巨額な報酬を提示されても、今のここでの生活を捨てたくないと申し出を断る。
だがその後、兄も加わることになるが、そこで弟の変貌ぶりを知る。
弟はジョンの狂気を目の当たりにし、自らも堕落した生活を送るようになっていたのだ。
弟は2人でここを出て、大学のコーチに戻ろうと兄に提案するが、
兄は幼い頃の自分たちのような貧しい生活を、子どもたちにはさせたくないという思いから
留まることを決める。そして事件は起きる。
デュポン社は世界的な化学メーカーで、テフロンもデュポン社の商標という。
ジョンは若い頃にレスリングを目指したが、プライドが高い母は乗馬を好み、
「下品なレスリング姿を見たくないのよ」とジョンの夢を奪う。
トロフィー室には乗馬での優勝を物語るトロフィーが多く置かれ、
たくさんの名馬を飼っている。
プライドが高く、自分の価値観しか認めない強い母に育てられた息子は、
どうしてこうも、心に闇を持ち、歪んだ人間になってしまうのだろう。
まるで母の呪縛を身にまとっているようだ。
そして人から評価されることを常に求める。
大金を使ってまで、自分に都合のよい評価を言わせようとする。
無意味に練習場に銃を持って来たり、強引に車の屋根に機関銃を装備させるなど、
かなり好戦的だ。
母は車椅子でフォックスキャッチャーでの練習を見に来るが、絶望のあまり
黙って帰ってしまう。母が亡くなった後に、ジョンの狂気は炸裂する。
この映画は弟の兄へのコンプレックスや、兄弟へのジョンの嫉妬など、いろいろな見方が
出来ると思うが、私はジョンと母との関係が一番心に残った。
それにしても、ジョンを演じるスティーブ・カレルがすごい!
賞は逸したが、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演男優賞のダブルノミネートは納得だ。
この映画で監督のベネット・ミラーは、カンヌ国際映画祭・監督賞を受賞している。
(画像はお借りしました)
玉という美しき字をあてがわれ死を強いられしアッツ島玉砕
※広辞苑によると「玉砕」とは、「玉が美しく砕けるように、名誉や忠義を重んじて、
いさぎよく死ぬこと」とある。国家とは本質を知られたくない企みがある時に、
美しい言葉を使いたがるものなのだろうか。
「美しい」とか、「平和のため」とか、「国民のみなさんの命」とかは、
落とし所を心得た人が巧みに使うので要注意です。
アッツ島はアリューシャン列島の小さな島です。
(太平洋戦争中は日本軍が占拠し、熱田島と命名)
別冊宝島 『大きな地図で読み解く太平洋戦争のすべて』によると、アッツ島玉砕とは
「1943年5月12~29日、米陸軍1万余に対し島を守備していた2700弱の
将校が抗戦援軍の見込みもないまま17日間に及んだ戦闘で守備隊は玉砕」とあります。
更に次のように続いています。
「アッツ島にいた守備隊は、司令官の山崎保代大佐以下2638名。備蓄していた武器弾薬は
多くなく、食料も少なかった。翌日から米軍の本格的な攻撃が開始された。
日本も構築した陣から機関銃や小銃で迎撃するが、銃座の位置が露見すると
米軍の野砲や艦砲、艦載機の機銃などにより、次々と撃破される。
守備隊は戦線を縮小しながら高地に籠り、寡兵ながら激しい抵抗を見せた。
苦しい戦いが続く中、山崎大佐は大本営に武器弾薬・食料の輸送と部隊の増援を
何度も求めた。
大本営は・・・救援作戦を企図した。しかし、輸送作戦に採算が持てず、21日には作戦を
中止してしまう。アッツ島は見捨てられてしまったのだ。
その決定がなされた日、それまで頑健な抵抗を保持していた陣地も抜かれてしまう。
残存兵力は半数以下まで落ち込み、武器弾薬・食料は欠乏状態に。
大本営は山崎大佐に対し、
『最後にいたらば潔く玉砕し、皇国軍人精神の成果を発揮することを望む』と指示。
この命令を受けアッツ島では、負傷兵の多くが自決したという。
29日、山崎大佐は、負傷しながらも生存していた300余名を率いて
最後の突撃を敢行した。
決死の覚悟の突撃で米師団司令部に肉薄したが、猛反撃を受けて玉砕してしまった。
アメリカ軍の侵攻に応じて死守命令を受けて玉砕した島は、マキン、タラワ、クェゼリン、
ルオット、アッツ、サイパン、テニアン、グアム、ペリリュー島、アンガウル、硫黄島、
沖縄の12ヶ所といわれている。しかし実際に総員絶滅した島は数多く、
実態さえ明らかになっていない島もある」(引用ここまで)
2015年4月、約1万700名が玉砕したパラオ共和国・ペリリュー島の慰霊碑
「西太平洋戦没者の碑」に、天皇、皇后両陛下が訪問される予定という。
為政者はこのことの意味を、深く考えて欲しいと思います。
※広辞苑によると「玉砕」とは、「玉が美しく砕けるように、名誉や忠義を重んじて、
いさぎよく死ぬこと」とある。国家とは本質を知られたくない企みがある時に、
美しい言葉を使いたがるものなのだろうか。
「美しい」とか、「平和のため」とか、「国民のみなさんの命」とかは、
落とし所を心得た人が巧みに使うので要注意です。
アッツ島はアリューシャン列島の小さな島です。
(太平洋戦争中は日本軍が占拠し、熱田島と命名)
別冊宝島 『大きな地図で読み解く太平洋戦争のすべて』によると、アッツ島玉砕とは
「1943年5月12~29日、米陸軍1万余に対し島を守備していた2700弱の
将校が抗戦援軍の見込みもないまま17日間に及んだ戦闘で守備隊は玉砕」とあります。
更に次のように続いています。
「アッツ島にいた守備隊は、司令官の山崎保代大佐以下2638名。備蓄していた武器弾薬は
多くなく、食料も少なかった。翌日から米軍の本格的な攻撃が開始された。
日本も構築した陣から機関銃や小銃で迎撃するが、銃座の位置が露見すると
米軍の野砲や艦砲、艦載機の機銃などにより、次々と撃破される。
守備隊は戦線を縮小しながら高地に籠り、寡兵ながら激しい抵抗を見せた。
苦しい戦いが続く中、山崎大佐は大本営に武器弾薬・食料の輸送と部隊の増援を
何度も求めた。
大本営は・・・救援作戦を企図した。しかし、輸送作戦に採算が持てず、21日には作戦を
中止してしまう。アッツ島は見捨てられてしまったのだ。
その決定がなされた日、それまで頑健な抵抗を保持していた陣地も抜かれてしまう。
残存兵力は半数以下まで落ち込み、武器弾薬・食料は欠乏状態に。
大本営は山崎大佐に対し、
『最後にいたらば潔く玉砕し、皇国軍人精神の成果を発揮することを望む』と指示。
この命令を受けアッツ島では、負傷兵の多くが自決したという。
29日、山崎大佐は、負傷しながらも生存していた300余名を率いて
最後の突撃を敢行した。
決死の覚悟の突撃で米師団司令部に肉薄したが、猛反撃を受けて玉砕してしまった。
アメリカ軍の侵攻に応じて死守命令を受けて玉砕した島は、マキン、タラワ、クェゼリン、
ルオット、アッツ、サイパン、テニアン、グアム、ペリリュー島、アンガウル、硫黄島、
沖縄の12ヶ所といわれている。しかし実際に総員絶滅した島は数多く、
実態さえ明らかになっていない島もある」(引用ここまで)
2015年4月、約1万700名が玉砕したパラオ共和国・ペリリュー島の慰霊碑
「西太平洋戦没者の碑」に、天皇、皇后両陛下が訪問される予定という。
為政者はこのことの意味を、深く考えて欲しいと思います。
戒めに言葉を混乱させし神なにゆえ異(い)なる民族作れり
※旧約聖書のことは分りませんが、「バベルの塔」のいきさつは理解できます。
こう民族紛争が起きると、こんな単純な質問を神様にしたくなります。
今日(2月19日)は二十四節気のひとつ、雨水(うすい)です。
氷が解け、雪が雨に変わる頃です。憎しみが解けることを祈りつつ。
この日には必ず、雨宮雅子さんの次の歌を思い出します。
「素足とふうつくしきもの奔るなり雨水(うすい)ときけば雪消(ゆきげ)ときけば」
※旧約聖書のことは分りませんが、「バベルの塔」のいきさつは理解できます。
こう民族紛争が起きると、こんな単純な質問を神様にしたくなります。
今日(2月19日)は二十四節気のひとつ、雨水(うすい)です。
氷が解け、雪が雨に変わる頃です。憎しみが解けることを祈りつつ。
この日には必ず、雨宮雅子さんの次の歌を思い出します。
「素足とふうつくしきもの奔るなり雨水(うすい)ときけば雪消(ゆきげ)ときけば」
わたくしに刃向かう文字を灼き尽くせ 華氏451度の劫火(ごうか)
※ウィキペディアによると『華氏451度』は、レイ・ブラッドベリによって
1953年に書かれたSF小説。
1966年、フランソワ・トリュフォー監督によって『華氏451』として映画化された。
また、フランク・ダラボン監督が新たに映画化を企画中である。
フランク・ダラボン監督は、「グリーンマイル」や「ショーシャンクの空に」の監督。
完成が楽しみだ。
それにしても古今東西、独裁者の思惑は変わらない。
本を持つことを禁止された市民が山奥に隠れ、本の内容を分担して記憶し続ける。
それぞれが忘れないよう口ずさみながら歩くシーンは美しい。
今も決して色褪せず、むしろこれからの世界を予言してさえいるかもしれない。
※ウィキペディアによると『華氏451度』は、レイ・ブラッドベリによって
1953年に書かれたSF小説。
1966年、フランソワ・トリュフォー監督によって『華氏451』として映画化された。
また、フランク・ダラボン監督が新たに映画化を企画中である。
フランク・ダラボン監督は、「グリーンマイル」や「ショーシャンクの空に」の監督。
完成が楽しみだ。
それにしても古今東西、独裁者の思惑は変わらない。
本を持つことを禁止された市民が山奥に隠れ、本の内容を分担して記憶し続ける。
それぞれが忘れないよう口ずさみながら歩くシーンは美しい。
今も決して色褪せず、むしろこれからの世界を予言してさえいるかもしれない。
TBSの「報道特集」(土17:30~18:50放送)は総力あげての取材というだけあり、
先週(1月31日)に続き、2月7日の「徹底取材『イスラム国』人質事件」は
見応えのあるものだった。
今回の人質事件で、政府を批判するものはテロリストを利することになると言う人が
居るようだ。
いつからこんな自由に意見が言えない、窮屈な国になったのだろう。
昨今の日本を覆う重苦しい空気には、政府と違う意見をこうして書いていても、
顔の見えない何かに喉元を締めつけられるような感覚がある。
だが、ここで踏み留まらないと大変な時代になってしまう。
こういう時だからこそ、マスコミには真実を隠さず報道して欲しい。
金平茂紀キャスターと日下部正樹キャスターからは、誠実な人柄が伺える。
どこの現場にも入り、臨場感がびしびし伝わってくる。
自分の言葉で語る。決して視聴者に媚びない。この二人は嘘をつかないと信じることが出来る。
その姿勢は、筑紫哲也さんをほうふつさせる。筑紫さんは視聴者に媚びない数字、
視聴率7~10%を目指していたが、この姿勢を貫いて欲しいと思います。
(筑紫さんとの繋がりを知らないで書いたのだが、金平さんは「筑紫哲也 NEWS23」の
番組編集長(デスク)を8年間務めたそうだ)
「いまの世を筑紫哲也はなに思ふ冷気を裂きてヒヨドリのこゑ」
(たまたま「塔」2月号に掲載)
番組の概要は
ヨルダン弁護士ムーサ・アブドラ(リシャウイ死刑囚と一緒に処刑された死刑囚の弁護士で、
「イスラム国」とは交渉ラインを持っている)は、おととし9月にスペイン大使館から、
シリアで人質となったスペイン人ジャーナリスト2人の解放交渉を依頼されたという。
アブドラの言葉
「私はなんとしても命を助けたかったのです。そこで人質の経歴を調べると彼らが
ジャーナリストで、しかも人道支援に熱心だったことが分かりました。
だから私はその点を積極的にアピールしたのです。
(そして拘束から半年がたった2014年3月、スペイン人ジャーナリスト人2人は
無事に解放された)
今回の人質事件でも協力する意志を示したが、日本側からは何の連絡もなかったことは、
とても残念に思います」
金平キャスター(以下、金とする):
「人質の解放と引き換えに、スペイン政府がお金を払ったということは本当ですか?」
アブドラ:「私は何も知りません」
金平キャスターが、イスラム過激派研究の第一人者のヨルダンのハサン・アブハニヤ
(Aとする)にインタビューする
A:「事件でわかったのは、日本が中東について何も知らないことだ」
(彼は、日本政府は3つの重大な過ちを犯したと指摘する)
A:「最も大きな間違いは、日本がすぐに人質解放に向けて動き出さなかったことです。
二つ目の過ちは、安倍首相による中東諸国の訪問だ。
もうひとつの”過ち”とは、『イスラム国』対策として日本が2億ドルの
人道支援を表明したこと。
日本と中東諸国とは、長く友好関係が続いてきた。今後もこの友好関係を
維持すべきだ。テロ対策などを掲げて中東を訪問することは、
控えた方が賢明だと思います」
(最後に挙げた過ちは、日本が対策本部をヨルダンに設置したことだという)
金:「日本の専門家にもトルコに交渉を依頼するべきだったという意見もあります」
A:「その方が確実だったでしょう。
トルコは人質の解放に成功した実績もありますから」
日本は現地対策本部をヨルダンに設置し、実質的な交渉を委ねた。しかしヨルダンは
アメリカなどと共に「イスラム国」への空爆に参加していて、日本も更なる敵意を
買う恐れがあった。ならばむしろ、同じくシリアと国境を接しながらも
「イスラム国」への空爆には参加せず、しかも去年9月には「イスラム国」
から49人の人質を解放させた実績があるトルコに、協力を仰ぐべきだったというのだ。
A:「(後藤さんとリシャウイ死刑囚との)取引は成功しかけていたと思います。
身柄の交換に向けて、すでにリシャウイ死刑囚をトルコの国境付近に
移送させたという情報までありました」
アルグッズ・アルアビア紙(1月28日)によると、ヨルダン当局が死刑囚の釈放を
決断したと報じた。
しかし交渉は大きな転換点を迎える。
A:「1月28日の水曜の夜に、ヨルダン側が突如(『イスラム国』側に)パイロットの
生存確認を求めた。
そこで交渉の流れが変わりました」
金:「水曜(1月28日)の夜が転換点だったと。では誰がその判断を下したのか?」
A:「間違いなくアメリカからヨルダンに対して圧力がかかったのだと思います。
アメリカは『イスラム国』を正当な交渉相手として認めたくなかったのでは
ないでしょうか」
最悪の結末を迎えるまで、水面下で日本政府は何をしてきたのか。
国会で野党が、日本政府は中田さんに協力を要請したのか質問した。
(中田考・同志社大学客員教授は、「イスラム国」とのパイプを持つイスラム法学者)
安倍首相:「中田さんに限らずこういう時は当然、いろいろな申し出がありますよ。
ですが、簡単に申し出を受け入れれば、これまでの交渉のルートを
捨てることになるのですよ」
安倍首相は早口に自分たちの正当性を主張し、都合の悪い質問にはきちんと向き合わない、
投げやりな印象を、私は受けた。
日本人救出のためには、あらゆる交渉ルートを探る必要があったのではないかと、
私は思います。
日下部キャスター(日とする)と中田氏とのインタビュー
中田氏は「イスラム国」司令官であるシリア人のウマル・グラバーと、
スマートフォンのトークアプリを使ってやり取りをする。
1月20日の湯川さん・後藤さんビデオが公開された以降のやり取りを明らかにした。
ウマル:「もう時間はあまり残されていません。
先生、『イスラム国』は約束したことは実行するでしょう。
身代金の支払い期限はもうすぐです。
我々に重要なのは『イスラム国』の条件を満たすことです。
もし捕虜が日本政府にとって大切なら急ぐことです」
中田:「私個人としては日本政府に時間的猶予を与え、2人を解放してほしいです」
ウマル:「先生、事態を理解してください。身代金支払い期限はもうすぐです。
お金を払う気があるのかどうか聞かれています」
(向こうから緊張が伝わってくる。要求に対して(日本政府が)答えていないと
苛立っている印象だったという)
実在するシリア臨時代理大使(ヨルダン日本大使の参事官を兼務)からウマル氏に送られた
音声メッセージの翻訳を、中田氏は頼まれていた。
中田:「ウマル氏から重要な依頼がある。日本語の音声メッセージを翻訳してくれと
頼まれました。
本当に日本政府のものか確認したいと、ウマル氏が伝えてきました。
交渉のチャンネルの中から送られてきたようです」
その内容は
「私・・・は日本政府の代表である。
日本政府は日本人2名の無事な生還について真剣である
当該2名のフルネームと生年月日はそれぞれ
湯川遥菜 1972年・・・・
後藤健二 1967年・・・・である。
中田氏は朝の4時に外務省の邦人テロ対策室に連絡して、音声が本物であるか問い合わせた。
その結果、「本物だと思ってもらっていい」との回答を得た。
外務省幹部は、日本語の音声メッセージを「イスラム国」に送ったことを認めた。
中田:「真剣だと言っても日本政府の代表といわれる人間がそのレベルというのは、
首相でなくても外務大臣・副大臣の、名前を確認できる人でなければ、
真剣だと言っても先方にはあまり伝わらないように思います」
中田氏は、ウマル氏からの連絡を全て外務省に伝えたが、外務省からの連絡は一度もなかった
という。また、民間の人物から、日本政府のメッセージを「イスラム国」に送れないかという
相談も受けたという。
中田:「難民に2億ドル支払うという発表はあくまでも人道支援であるという
メッセージだけで、
あなた方は誤解しているというメッセージだった。
間接的に、しかも『案』という形で送ってきました」
日:「中田さんのパイプを通して、ウマル氏に送ってくれということだったのですね」
中田:「送ると、人質を解放してもらうという意志がない、人質を殺してくれという
メッセージととられてしまうので、先方には伝えなかった。
時間がないのでこれを伝えてしまうと、
お金を払うのか、要求額を払うのかということを聞いているので、
「ノー」というメッセージをはっきり出したと受け取られかねないので、
私は先方には伝えませんでした」
2015年1月24日、湯川さんの殺害映像が公開されました。
ウマル:「我々としては出来る限りのことをやったんだけれど、上の命令なので
私にはこれ以上のことが出来なかった。非常に残念である」
その後、ウマル氏とは突然連絡できない状態になったという。
※湯川さんが拘束されていた2014年9月に中田氏は、湯川さんの裁判の通訳を
ウマル氏から頼まれ、「イスラム国」支配下の地域に入った。
だが空爆が始まったため、湯川さんとは会えずに帰国する。
その後、北大生が「イスラム国」に渡航しようとした時の関係先として
家宅捜査を受けたため、
中田氏はウマル氏への連絡を控えていたという。
そして1月20日に2人の動画公開を受け、中田氏はウマル氏への連絡を再開した。
(日下部キャスターが岸田外相に質問する)
日:「中田氏が『イスラム国』に接触した情報を把握していますか」
岸田外相:「具体的な中身は控えさせて頂きます」
日:「なぜですか」
岸田外相:「取り組みの内容を予断させることになると考えます」
なぜ、中田氏のルートを使えなかったのか?
政府は2014年8月に湯川さんが、11月に後藤さんが行方不明であることを知っていた。
国会で岸田外相は、2014年8月にヨルダンに現地対策本部を設置したが、
「イスラム国」から殺害予告のあった1月20日まで、現地対策本部を強化することは
しなかったと答弁した。
更に政府は、犯行グループの特定にも時間を要したことを明らかにした。
最悪の結末を迎えるまでに、水面下で日本政府はいったいどんな交渉をしてきたのか。
政府は各国との連携などを理由に、その詳細などを明らかにしていない。(ここまで引用)
特定秘密保護法を用いて秘密裡にするのではなく、お二人の命をどうしたら
救うことができたのか、あるいはできなかったのか。
今後このような事態になった時には、どこに対策本部を設けて、どういうルートを
探っていったらよいのかなど様々なことを、事実を明らかにした上で検証して欲しいです。
「日本は2度とこのような事の無いよう各国と連携してですね、「イスラム国」と
闘って参ります。
国民のみなさんが安心して暮らせるよう、政府は一丸となって頑張って参ります」
というような言葉よりも、今回のことはなぜ起きてしまったのか。
今後、どうしたら防ぐことができるのか。
起きてしまった時にはどう対処していったらよいのか。
集団的自衛権の行使が、今後の私たちの生活をどう変えてしまうのか。
こういったことを国会で徹底的に議論して、マスコミは包み隠さず報道して欲しいです。
でないと、次々と同じような事件が起きることになりかねません。
フリージャーナリスト達は、2004年のイラク戦争まで中東は怖くなかったと言っています。
それまでは好意的だったと。
2004年(自衛隊イラク派遣)以降、日本はテロ組織からはアメリカと同列に
扱われているのだ。
危機感が上がっていたのに、このことへの配慮が足りなかったと。(番組より引用)
(今回のことで、危険レベルがより上がることになった)
ある政府高官の言葉
「このタイミングで間違いなく今回の中東歴訪は、『イスラム国』対策という面がある。
今回のフランスのテロ事件が起きて、タイミングとしてはぴったりだ。
2人の日本人が拘束されていることを知っていた上での発言で、
なんと危機感の欠如していたのか」(番組より引用)
これまでの経過
2014年 8月中旬 湯川遥菜氏 シリアで行方不明に
10月6日 私戦予備陰謀容疑で中田氏宅捜索
11月1日 後藤健二氏 行方不明に 政府は把握
12月2日 後藤氏拘束とのメール 外務省に通報
同日 衆院議員選挙公示日 (選挙の影響は無かったのか?)
3日 後藤氏拘束の事実を政府は知る
2015年 1月上旬 後藤氏の妻に身代金2億円要求のメール
1月7日 フランス諷刺新聞社襲撃事件
16日 安倍首相中東歴訪へ出発
17日 首相2億ドルの人道支援表明
20日 日本人殺害予告映像公開
22日 中田氏特派員協会で会見
24日 湯川氏殺害映像を公開
27日 後藤氏画像公開 24時間の期限通告
2月1日 後藤氏殺害映像を公開
4日 ヨルダンパイロット殺害映像公開
同日 リシャウイ死刑囚らを処刑
※私のブログのブックマークに「 ★(1)報道特集 イスラム国 人質事件(2015年1月24日)」
が入っています。ここをクリックして画面が出たら、更に下の方に「関連記事」という項目が
あります。ここの年月日をクリックすると、過去に報道された「報道特集」を
観ることができます。
●ブックマークに入れました「報道特集 イスラム国 人質事件(2015年1月24日)」は
削除されていました。
(2015年4月24日 記)
★テレビ朝日の「報道ステーション」をずっと楽しみにしていました。
特に恵村順一郎氏(朝日新聞論説委員)のコメントは、穏やかな口調の中に
きっぱりと正論を吐き、
毎回、頷きながら観ていました。
時々出演されるコメンテーターの古賀茂明氏も、政権が一番聞きにくいことをずばり仰り、
応援していました。
今回、官邸からの圧力で、恵村順一郎氏と古賀茂明氏、そしてお名前は分りませんが
女性チーフ・プロデューサーの三人が更迭させられるそうです。
こういうことがまかり通っていいのでしょうか?
こういう事を黙殺していたら、次は「報道特集」ということになります。
更には、このブログのようなささやかな個人のものまで、圧力を受けることに
なりかねません。
私は強い怒りを覚えます。
ブックマークに「★報道ステーションに圧力 3人降板させられる」に入れましたので、
是非、ご覧ください。
(2015年2月25日のブログ「報道人の気魄2」へつづく)
先週(1月31日)に続き、2月7日の「徹底取材『イスラム国』人質事件」は
見応えのあるものだった。
今回の人質事件で、政府を批判するものはテロリストを利することになると言う人が
居るようだ。
いつからこんな自由に意見が言えない、窮屈な国になったのだろう。
昨今の日本を覆う重苦しい空気には、政府と違う意見をこうして書いていても、
顔の見えない何かに喉元を締めつけられるような感覚がある。
だが、ここで踏み留まらないと大変な時代になってしまう。
こういう時だからこそ、マスコミには真実を隠さず報道して欲しい。
金平茂紀キャスターと日下部正樹キャスターからは、誠実な人柄が伺える。
どこの現場にも入り、臨場感がびしびし伝わってくる。
自分の言葉で語る。決して視聴者に媚びない。この二人は嘘をつかないと信じることが出来る。
その姿勢は、筑紫哲也さんをほうふつさせる。筑紫さんは視聴者に媚びない数字、
視聴率7~10%を目指していたが、この姿勢を貫いて欲しいと思います。
(筑紫さんとの繋がりを知らないで書いたのだが、金平さんは「筑紫哲也 NEWS23」の
番組編集長(デスク)を8年間務めたそうだ)
「いまの世を筑紫哲也はなに思ふ冷気を裂きてヒヨドリのこゑ」
(たまたま「塔」2月号に掲載)
番組の概要は
ヨルダン弁護士ムーサ・アブドラ(リシャウイ死刑囚と一緒に処刑された死刑囚の弁護士で、
「イスラム国」とは交渉ラインを持っている)は、おととし9月にスペイン大使館から、
シリアで人質となったスペイン人ジャーナリスト2人の解放交渉を依頼されたという。
アブドラの言葉
「私はなんとしても命を助けたかったのです。そこで人質の経歴を調べると彼らが
ジャーナリストで、しかも人道支援に熱心だったことが分かりました。
だから私はその点を積極的にアピールしたのです。
(そして拘束から半年がたった2014年3月、スペイン人ジャーナリスト人2人は
無事に解放された)
今回の人質事件でも協力する意志を示したが、日本側からは何の連絡もなかったことは、
とても残念に思います」
金平キャスター(以下、金とする):
「人質の解放と引き換えに、スペイン政府がお金を払ったということは本当ですか?」
アブドラ:「私は何も知りません」
金平キャスターが、イスラム過激派研究の第一人者のヨルダンのハサン・アブハニヤ
(Aとする)にインタビューする
A:「事件でわかったのは、日本が中東について何も知らないことだ」
(彼は、日本政府は3つの重大な過ちを犯したと指摘する)
A:「最も大きな間違いは、日本がすぐに人質解放に向けて動き出さなかったことです。
二つ目の過ちは、安倍首相による中東諸国の訪問だ。
もうひとつの”過ち”とは、『イスラム国』対策として日本が2億ドルの
人道支援を表明したこと。
日本と中東諸国とは、長く友好関係が続いてきた。今後もこの友好関係を
維持すべきだ。テロ対策などを掲げて中東を訪問することは、
控えた方が賢明だと思います」
(最後に挙げた過ちは、日本が対策本部をヨルダンに設置したことだという)
金:「日本の専門家にもトルコに交渉を依頼するべきだったという意見もあります」
A:「その方が確実だったでしょう。
トルコは人質の解放に成功した実績もありますから」
日本は現地対策本部をヨルダンに設置し、実質的な交渉を委ねた。しかしヨルダンは
アメリカなどと共に「イスラム国」への空爆に参加していて、日本も更なる敵意を
買う恐れがあった。ならばむしろ、同じくシリアと国境を接しながらも
「イスラム国」への空爆には参加せず、しかも去年9月には「イスラム国」
から49人の人質を解放させた実績があるトルコに、協力を仰ぐべきだったというのだ。
A:「(後藤さんとリシャウイ死刑囚との)取引は成功しかけていたと思います。
身柄の交換に向けて、すでにリシャウイ死刑囚をトルコの国境付近に
移送させたという情報までありました」
アルグッズ・アルアビア紙(1月28日)によると、ヨルダン当局が死刑囚の釈放を
決断したと報じた。
しかし交渉は大きな転換点を迎える。
A:「1月28日の水曜の夜に、ヨルダン側が突如(『イスラム国』側に)パイロットの
生存確認を求めた。
そこで交渉の流れが変わりました」
金:「水曜(1月28日)の夜が転換点だったと。では誰がその判断を下したのか?」
A:「間違いなくアメリカからヨルダンに対して圧力がかかったのだと思います。
アメリカは『イスラム国』を正当な交渉相手として認めたくなかったのでは
ないでしょうか」
最悪の結末を迎えるまで、水面下で日本政府は何をしてきたのか。
国会で野党が、日本政府は中田さんに協力を要請したのか質問した。
(中田考・同志社大学客員教授は、「イスラム国」とのパイプを持つイスラム法学者)
安倍首相:「中田さんに限らずこういう時は当然、いろいろな申し出がありますよ。
ですが、簡単に申し出を受け入れれば、これまでの交渉のルートを
捨てることになるのですよ」
安倍首相は早口に自分たちの正当性を主張し、都合の悪い質問にはきちんと向き合わない、
投げやりな印象を、私は受けた。
日本人救出のためには、あらゆる交渉ルートを探る必要があったのではないかと、
私は思います。
日下部キャスター(日とする)と中田氏とのインタビュー
中田氏は「イスラム国」司令官であるシリア人のウマル・グラバーと、
スマートフォンのトークアプリを使ってやり取りをする。
1月20日の湯川さん・後藤さんビデオが公開された以降のやり取りを明らかにした。
ウマル:「もう時間はあまり残されていません。
先生、『イスラム国』は約束したことは実行するでしょう。
身代金の支払い期限はもうすぐです。
我々に重要なのは『イスラム国』の条件を満たすことです。
もし捕虜が日本政府にとって大切なら急ぐことです」
中田:「私個人としては日本政府に時間的猶予を与え、2人を解放してほしいです」
ウマル:「先生、事態を理解してください。身代金支払い期限はもうすぐです。
お金を払う気があるのかどうか聞かれています」
(向こうから緊張が伝わってくる。要求に対して(日本政府が)答えていないと
苛立っている印象だったという)
実在するシリア臨時代理大使(ヨルダン日本大使の参事官を兼務)からウマル氏に送られた
音声メッセージの翻訳を、中田氏は頼まれていた。
中田:「ウマル氏から重要な依頼がある。日本語の音声メッセージを翻訳してくれと
頼まれました。
本当に日本政府のものか確認したいと、ウマル氏が伝えてきました。
交渉のチャンネルの中から送られてきたようです」
その内容は
「私・・・は日本政府の代表である。
日本政府は日本人2名の無事な生還について真剣である
当該2名のフルネームと生年月日はそれぞれ
湯川遥菜 1972年・・・・
後藤健二 1967年・・・・である。
中田氏は朝の4時に外務省の邦人テロ対策室に連絡して、音声が本物であるか問い合わせた。
その結果、「本物だと思ってもらっていい」との回答を得た。
外務省幹部は、日本語の音声メッセージを「イスラム国」に送ったことを認めた。
中田:「真剣だと言っても日本政府の代表といわれる人間がそのレベルというのは、
首相でなくても外務大臣・副大臣の、名前を確認できる人でなければ、
真剣だと言っても先方にはあまり伝わらないように思います」
中田氏は、ウマル氏からの連絡を全て外務省に伝えたが、外務省からの連絡は一度もなかった
という。また、民間の人物から、日本政府のメッセージを「イスラム国」に送れないかという
相談も受けたという。
中田:「難民に2億ドル支払うという発表はあくまでも人道支援であるという
メッセージだけで、
あなた方は誤解しているというメッセージだった。
間接的に、しかも『案』という形で送ってきました」
日:「中田さんのパイプを通して、ウマル氏に送ってくれということだったのですね」
中田:「送ると、人質を解放してもらうという意志がない、人質を殺してくれという
メッセージととられてしまうので、先方には伝えなかった。
時間がないのでこれを伝えてしまうと、
お金を払うのか、要求額を払うのかということを聞いているので、
「ノー」というメッセージをはっきり出したと受け取られかねないので、
私は先方には伝えませんでした」
2015年1月24日、湯川さんの殺害映像が公開されました。
ウマル:「我々としては出来る限りのことをやったんだけれど、上の命令なので
私にはこれ以上のことが出来なかった。非常に残念である」
その後、ウマル氏とは突然連絡できない状態になったという。
※湯川さんが拘束されていた2014年9月に中田氏は、湯川さんの裁判の通訳を
ウマル氏から頼まれ、「イスラム国」支配下の地域に入った。
だが空爆が始まったため、湯川さんとは会えずに帰国する。
その後、北大生が「イスラム国」に渡航しようとした時の関係先として
家宅捜査を受けたため、
中田氏はウマル氏への連絡を控えていたという。
そして1月20日に2人の動画公開を受け、中田氏はウマル氏への連絡を再開した。
(日下部キャスターが岸田外相に質問する)
日:「中田氏が『イスラム国』に接触した情報を把握していますか」
岸田外相:「具体的な中身は控えさせて頂きます」
日:「なぜですか」
岸田外相:「取り組みの内容を予断させることになると考えます」
なぜ、中田氏のルートを使えなかったのか?
政府は2014年8月に湯川さんが、11月に後藤さんが行方不明であることを知っていた。
国会で岸田外相は、2014年8月にヨルダンに現地対策本部を設置したが、
「イスラム国」から殺害予告のあった1月20日まで、現地対策本部を強化することは
しなかったと答弁した。
更に政府は、犯行グループの特定にも時間を要したことを明らかにした。
最悪の結末を迎えるまでに、水面下で日本政府はいったいどんな交渉をしてきたのか。
政府は各国との連携などを理由に、その詳細などを明らかにしていない。(ここまで引用)
特定秘密保護法を用いて秘密裡にするのではなく、お二人の命をどうしたら
救うことができたのか、あるいはできなかったのか。
今後このような事態になった時には、どこに対策本部を設けて、どういうルートを
探っていったらよいのかなど様々なことを、事実を明らかにした上で検証して欲しいです。
「日本は2度とこのような事の無いよう各国と連携してですね、「イスラム国」と
闘って参ります。
国民のみなさんが安心して暮らせるよう、政府は一丸となって頑張って参ります」
というような言葉よりも、今回のことはなぜ起きてしまったのか。
今後、どうしたら防ぐことができるのか。
起きてしまった時にはどう対処していったらよいのか。
集団的自衛権の行使が、今後の私たちの生活をどう変えてしまうのか。
こういったことを国会で徹底的に議論して、マスコミは包み隠さず報道して欲しいです。
でないと、次々と同じような事件が起きることになりかねません。
フリージャーナリスト達は、2004年のイラク戦争まで中東は怖くなかったと言っています。
それまでは好意的だったと。
2004年(自衛隊イラク派遣)以降、日本はテロ組織からはアメリカと同列に
扱われているのだ。
危機感が上がっていたのに、このことへの配慮が足りなかったと。(番組より引用)
(今回のことで、危険レベルがより上がることになった)
ある政府高官の言葉
「このタイミングで間違いなく今回の中東歴訪は、『イスラム国』対策という面がある。
今回のフランスのテロ事件が起きて、タイミングとしてはぴったりだ。
2人の日本人が拘束されていることを知っていた上での発言で、
なんと危機感の欠如していたのか」(番組より引用)
これまでの経過
2014年 8月中旬 湯川遥菜氏 シリアで行方不明に
10月6日 私戦予備陰謀容疑で中田氏宅捜索
11月1日 後藤健二氏 行方不明に 政府は把握
12月2日 後藤氏拘束とのメール 外務省に通報
同日 衆院議員選挙公示日 (選挙の影響は無かったのか?)
3日 後藤氏拘束の事実を政府は知る
2015年 1月上旬 後藤氏の妻に身代金2億円要求のメール
1月7日 フランス諷刺新聞社襲撃事件
16日 安倍首相中東歴訪へ出発
17日 首相2億ドルの人道支援表明
20日 日本人殺害予告映像公開
22日 中田氏特派員協会で会見
24日 湯川氏殺害映像を公開
27日 後藤氏画像公開 24時間の期限通告
2月1日 後藤氏殺害映像を公開
4日 ヨルダンパイロット殺害映像公開
同日 リシャウイ死刑囚らを処刑
※私のブログのブックマークに「 ★(1)報道特集 イスラム国 人質事件(2015年1月24日)」
が入っています。ここをクリックして画面が出たら、更に下の方に「関連記事」という項目が
あります。ここの年月日をクリックすると、過去に報道された「報道特集」を
観ることができます。
●ブックマークに入れました「報道特集 イスラム国 人質事件(2015年1月24日)」は
削除されていました。
(2015年4月24日 記)
★テレビ朝日の「報道ステーション」をずっと楽しみにしていました。
特に恵村順一郎氏(朝日新聞論説委員)のコメントは、穏やかな口調の中に
きっぱりと正論を吐き、
毎回、頷きながら観ていました。
時々出演されるコメンテーターの古賀茂明氏も、政権が一番聞きにくいことをずばり仰り、
応援していました。
今回、官邸からの圧力で、恵村順一郎氏と古賀茂明氏、そしてお名前は分りませんが
女性チーフ・プロデューサーの三人が更迭させられるそうです。
こういうことがまかり通っていいのでしょうか?
こういう事を黙殺していたら、次は「報道特集」ということになります。
更には、このブログのようなささやかな個人のものまで、圧力を受けることに
なりかねません。
私は強い怒りを覚えます。
ブックマークに「★報道ステーションに圧力 3人降板させられる」に入れましたので、
是非、ご覧ください。
(2015年2月25日のブログ「報道人の気魄2」へつづく)
2015年2月5日の「今、日本で何が起きているのか 追記1」が長くなりましたので、
憲法について独立させます。(初めて日本国憲法を読んだ、私の主観です)
★日本国憲法(前文)の一部
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
★自民党の改正草案では
今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を
増進し、世界平和と繁栄に貢献する。
「政府の行為によつて」と明記し、「再び戦争の惨禍が起ることのないやうに
することを決意」としている現行憲法に対し、自民党改正草案は、
「世界平和と繁栄に貢献する」と曖昧だ。
憲法は「国家存立の基本的条件を定めた根本法」である以上、
曖昧な言葉はふさわしくないのではないかと、私は思います。
ちなみに広辞苑で「貢献」は
①みつぎものを奉ること。
②力を尽くすこと。あずかって力あること。
更に曖昧なのは、「平和」という言葉だ。
広辞苑によると「平和」は、戦争がなくて世が安穏であることをいう。
平和=戦争がない、が前提なのだ。
ところがこれまでも、【平和のため】という旗印の下に空爆などが行われ、
子どもや女性を含む多くの市民が殺された。
「平和に貢献する」という曖昧な表現では、将来、拡大解釈される恐れがあると、
私は考えます。
政府は改憲を視野に入れて動き出しました。
どなたかが、「今の憲法を読むと、本当に美しい」と書いています。
憲法をあまり読んだことがなかったので、少しずつ読んでいこうと思います。
ブックマークに●「日本国憲法改正草案 自由民主党」(現行憲法対照)が入っていますので、
興味がある方はご覧ください。(プリントアウトするとA4 27枚になります。
最後の2枚、憲法改正推進本部の本部長・最高顧問等の名前を除く)
なぜ現行憲法が下で、改正草案が上に書かれているのか、とても不思議です。
マガジン9という、9条を考えるウェブマガジンがあります。
その中の「この人に聞きたい」に、アフガニスタンで活動を続けている医師・中村哲氏が
これまでいかに9条が守ってくれていたかを語っています。
ブックマークにいれましたので、ご覧ください。
追記1
「日本国憲法改正草案 自由民主党」(現行憲法対照)の「現行憲法」を読んでいくと、
やたらと自民党が付けたサイドーラインが目につく。
旧仮名遣いや文語表現、ならびに法律の言い回しにも、かなり付いている。
旧仮名遣いや文語表現が気に入らないなら、新仮名遣いや口語表現に改めれば
よいだけのことだ。
法律の言い回しが気に入らないのであれば、民法・刑法など全てを改めなければならなくなる。
時代に合わなくなった箇所だけ、改めるか追記すればよいだけのことではないのか。
こう言っては何だが、私には揚げ足を取っているように思われる箇所が多々あった。
9条を変えたいという以外に、どこに変える必然性があるのだろうか。
アメリカに押し付けられたというなら、民主主義も元々アメリカから来たものだ。
まさか民主主義まで変えようとしているのではないとは思うが・・・。
肝心の第9条では
★現行憲法
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する
手段としては、永久にこれを放棄する。
※つまり、国際紛争を解決する手段としては永久に放棄すると言っているのであり、
日本が攻撃された時の「個別的自衛権」は認めているのだ!
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。
※戦力を保持しない、交戦権を認めないとしているのは、前項の目的を達するためなのだ。
つまり、国際紛争を解決する手段としてはNO!と言っている。
日本が攻撃される場合を想定しての戦力保持は認めているのだ。
国防のための自衛隊、つまり個別的自衛権のための自衛隊は認めると、誰にも解るように
明記すればよいのではないだろうか。個別的自衛権のためにはYES!目から鱗だ。
★憲法改正草案では
第二章 安全保障
(平和主義)
第九条 ・・・(上に同じ)国権の発動としての戦争を放棄し、武力による
威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。(引用ここまで)
まず、改正草案の(平和主義)とは何なのだろう。
一つの立場を言っているのだとは思うが、私にはイメージの為に使っているように
しか思えない。
自然主義、英雄主義、営利主義、厭世主義、快楽主義、禁欲主義、官僚主義・・・
「主義」とは極めてあいまいな言葉だ。
まして九条を変えてまで、自衛隊が海外で武力行使できるようにする案に、
なぜ平和がつくのか、とても違和感がある。
積極的平和主義という言葉も、私にはさっぱり解らないとぼやいていたら、
2015年2月8日の朝日新聞、長谷部泰男氏と杉田敦氏との「考×論」に、
このことへの言及がありました。最後の◎に載せます。
次に改正草案では、「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては
用いない」とある。ではそれ以外では用いることもあるというのだろうかと、
つっこみを入れたくなるような弱弱しさだ。
現行憲法では「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記している。
現行憲法の②では、「前項の目的を達するため、陸海軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」と明記している。
だが、改正草案の2では、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」とする。
つまり「国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を
解決する手段としては用いない」としてはいるが、それとは関係なく、国際紛争を解決する
手段として、自衛権の発動はすると言っている。
※つまり自衛権と言っても、上に書いたような日本が攻撃された時の個別的自衛権ではなく、
国際紛争を解決するために自衛隊が出動する、集団的自衛権を認めるとしているのだ!
なんでこんな回りくどく、分りにくくするのだろう。
政府や官僚の答弁でも、~とは言えないが、・・・でもないとか、全くもって分りづらい。
「言質(げんち)」を取られないようにという魂胆が見え見えなのだ。
大分前になるが、アメリカに留学したい生徒がいるから、紹介文を英訳してと
頼まれたことがある。
その生徒は明るくて面白い子なのだが、担任にとっては生活態度がややルーズな、
勉強意欲に欠ける子だったのだろう。
なるべく印象を悪くしないようにと、勉強熱心とは言えないが、意欲がないとまでは
言えなくもなくなくなく・・・こんな文は英語に訳せないと断ったことがある。
政治担当の通訳の方は、ご苦労が多いことだろう。
政治の世界では、紋切り型の修飾語や、実態を伴わない勇ましいだけの
メッセージは要らないから、誰にでもわかる言葉で、率直に、誤魔化さずに、
国民が理解できるまであらゆる言葉を使って、丁寧に説明して欲しいと、切に願います。
日本人にとって一番大切な法である憲法草案は、特にそう願います。
◎上に書いた長谷部泰男氏と杉田敦氏の「考×論」の積極的自衛権について
杉田氏
「そもそも積極的平和主義」という言葉は、国際的に通用しうるものでしょうか」
長谷部氏
「直訳すれば『proactive pacifism』。右の頬を打たれたら左の頬を出すという、無抵抗の
意味合いが強い『pacifism』に、事前に打って出るという『proactive』がかぶるので、
日本は打たれる前に頬を出すのかと、外国の人は理解に苦しむのでは。
外務省は『proactive contributor to peace』(平和への積極的貢献国)と
訳していますが、わかりにくい上に本来の平和主義とは距離があります」
杉田氏
「これまでの『平和主義』の延長上で、少し色をつけただけですよ、という
レトリックは国内政治的には通用しやすいとしても、文脈を共有していない
国外に向けて発信する際はくれぐれも誤解されないようにする必要があります。
今回、人道的支援を表明した安倍晋三首相が、身代金要求の口実にされました。
これは言いがかりで、演説がテロの引き金になったわけではないにせよ、今後への教訓を
引き出すためにも、政府の対応の検証が必要です」
2月8日の「サンデーモーニング」を観ていたら、今回の事件が特定秘密に指定されたという。
政府は特定秘密を口実に秘密裡にするのではなく、今後、このような事件を起こさないためにも
充分に検証して、今後に備えて欲しいと思います。
安倍首相の言葉は、日本人の私にも理解できないことが多いです。
外国でスピーチする場合には専門家の意見を聞いて、誤解されることのないよう
して欲しいです。
あなたの言葉に、私たち日本人の命運がかかっているのですから。
憲法について独立させます。(初めて日本国憲法を読んだ、私の主観です)
★日本国憲法(前文)の一部
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
★自民党の改正草案では
今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を
増進し、世界平和と繁栄に貢献する。
「政府の行為によつて」と明記し、「再び戦争の惨禍が起ることのないやうに
することを決意」としている現行憲法に対し、自民党改正草案は、
「世界平和と繁栄に貢献する」と曖昧だ。
憲法は「国家存立の基本的条件を定めた根本法」である以上、
曖昧な言葉はふさわしくないのではないかと、私は思います。
ちなみに広辞苑で「貢献」は
①みつぎものを奉ること。
②力を尽くすこと。あずかって力あること。
更に曖昧なのは、「平和」という言葉だ。
広辞苑によると「平和」は、戦争がなくて世が安穏であることをいう。
平和=戦争がない、が前提なのだ。
ところがこれまでも、【平和のため】という旗印の下に空爆などが行われ、
子どもや女性を含む多くの市民が殺された。
「平和に貢献する」という曖昧な表現では、将来、拡大解釈される恐れがあると、
私は考えます。
政府は改憲を視野に入れて動き出しました。
どなたかが、「今の憲法を読むと、本当に美しい」と書いています。
憲法をあまり読んだことがなかったので、少しずつ読んでいこうと思います。
ブックマークに●「日本国憲法改正草案 自由民主党」(現行憲法対照)が入っていますので、
興味がある方はご覧ください。(プリントアウトするとA4 27枚になります。
最後の2枚、憲法改正推進本部の本部長・最高顧問等の名前を除く)
なぜ現行憲法が下で、改正草案が上に書かれているのか、とても不思議です。
マガジン9という、9条を考えるウェブマガジンがあります。
その中の「この人に聞きたい」に、アフガニスタンで活動を続けている医師・中村哲氏が
これまでいかに9条が守ってくれていたかを語っています。
ブックマークにいれましたので、ご覧ください。
追記1
「日本国憲法改正草案 自由民主党」(現行憲法対照)の「現行憲法」を読んでいくと、
やたらと自民党が付けたサイドーラインが目につく。
旧仮名遣いや文語表現、ならびに法律の言い回しにも、かなり付いている。
旧仮名遣いや文語表現が気に入らないなら、新仮名遣いや口語表現に改めれば
よいだけのことだ。
法律の言い回しが気に入らないのであれば、民法・刑法など全てを改めなければならなくなる。
時代に合わなくなった箇所だけ、改めるか追記すればよいだけのことではないのか。
こう言っては何だが、私には揚げ足を取っているように思われる箇所が多々あった。
9条を変えたいという以外に、どこに変える必然性があるのだろうか。
アメリカに押し付けられたというなら、民主主義も元々アメリカから来たものだ。
まさか民主主義まで変えようとしているのではないとは思うが・・・。
肝心の第9条では
★現行憲法
第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する
手段としては、永久にこれを放棄する。
※つまり、国際紛争を解決する手段としては永久に放棄すると言っているのであり、
日本が攻撃された時の「個別的自衛権」は認めているのだ!
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。
※戦力を保持しない、交戦権を認めないとしているのは、前項の目的を達するためなのだ。
つまり、国際紛争を解決する手段としてはNO!と言っている。
日本が攻撃される場合を想定しての戦力保持は認めているのだ。
国防のための自衛隊、つまり個別的自衛権のための自衛隊は認めると、誰にも解るように
明記すればよいのではないだろうか。個別的自衛権のためにはYES!目から鱗だ。
★憲法改正草案では
第二章 安全保障
(平和主義)
第九条 ・・・(上に同じ)国権の発動としての戦争を放棄し、武力による
威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。(引用ここまで)
まず、改正草案の(平和主義)とは何なのだろう。
一つの立場を言っているのだとは思うが、私にはイメージの為に使っているように
しか思えない。
自然主義、英雄主義、営利主義、厭世主義、快楽主義、禁欲主義、官僚主義・・・
「主義」とは極めてあいまいな言葉だ。
まして九条を変えてまで、自衛隊が海外で武力行使できるようにする案に、
なぜ平和がつくのか、とても違和感がある。
積極的平和主義という言葉も、私にはさっぱり解らないとぼやいていたら、
2015年2月8日の朝日新聞、長谷部泰男氏と杉田敦氏との「考×論」に、
このことへの言及がありました。最後の◎に載せます。
次に改正草案では、「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては
用いない」とある。ではそれ以外では用いることもあるというのだろうかと、
つっこみを入れたくなるような弱弱しさだ。
現行憲法では「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記している。
現行憲法の②では、「前項の目的を達するため、陸海軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」と明記している。
だが、改正草案の2では、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」とする。
つまり「国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を
解決する手段としては用いない」としてはいるが、それとは関係なく、国際紛争を解決する
手段として、自衛権の発動はすると言っている。
※つまり自衛権と言っても、上に書いたような日本が攻撃された時の個別的自衛権ではなく、
国際紛争を解決するために自衛隊が出動する、集団的自衛権を認めるとしているのだ!
なんでこんな回りくどく、分りにくくするのだろう。
政府や官僚の答弁でも、~とは言えないが、・・・でもないとか、全くもって分りづらい。
「言質(げんち)」を取られないようにという魂胆が見え見えなのだ。
大分前になるが、アメリカに留学したい生徒がいるから、紹介文を英訳してと
頼まれたことがある。
その生徒は明るくて面白い子なのだが、担任にとっては生活態度がややルーズな、
勉強意欲に欠ける子だったのだろう。
なるべく印象を悪くしないようにと、勉強熱心とは言えないが、意欲がないとまでは
言えなくもなくなくなく・・・こんな文は英語に訳せないと断ったことがある。
政治担当の通訳の方は、ご苦労が多いことだろう。
政治の世界では、紋切り型の修飾語や、実態を伴わない勇ましいだけの
メッセージは要らないから、誰にでもわかる言葉で、率直に、誤魔化さずに、
国民が理解できるまであらゆる言葉を使って、丁寧に説明して欲しいと、切に願います。
日本人にとって一番大切な法である憲法草案は、特にそう願います。
◎上に書いた長谷部泰男氏と杉田敦氏の「考×論」の積極的自衛権について
杉田氏
「そもそも積極的平和主義」という言葉は、国際的に通用しうるものでしょうか」
長谷部氏
「直訳すれば『proactive pacifism』。右の頬を打たれたら左の頬を出すという、無抵抗の
意味合いが強い『pacifism』に、事前に打って出るという『proactive』がかぶるので、
日本は打たれる前に頬を出すのかと、外国の人は理解に苦しむのでは。
外務省は『proactive contributor to peace』(平和への積極的貢献国)と
訳していますが、わかりにくい上に本来の平和主義とは距離があります」
杉田氏
「これまでの『平和主義』の延長上で、少し色をつけただけですよ、という
レトリックは国内政治的には通用しやすいとしても、文脈を共有していない
国外に向けて発信する際はくれぐれも誤解されないようにする必要があります。
今回、人道的支援を表明した安倍晋三首相が、身代金要求の口実にされました。
これは言いがかりで、演説がテロの引き金になったわけではないにせよ、今後への教訓を
引き出すためにも、政府の対応の検証が必要です」
2月8日の「サンデーモーニング」を観ていたら、今回の事件が特定秘密に指定されたという。
政府は特定秘密を口実に秘密裡にするのではなく、今後、このような事件を起こさないためにも
充分に検証して、今後に備えて欲しいと思います。
安倍首相の言葉は、日本人の私にも理解できないことが多いです。
外国でスピーチする場合には専門家の意見を聞いて、誤解されることのないよう
して欲しいです。
あなたの言葉に、私たち日本人の命運がかかっているのですから。
長くなるので、追記を独立させます。
2015年2月2日の朝日新聞、黒木英充・東京外国語大アジア・アフリカ
言語文化研究所教授の話
「日本政府は今回二つの大きな過ちを犯した。一つは、首相の中東訪問の際、『テロとの戦いに
取り組む』とイスラエルのネタニヤフ首相と並んで宣言したこと。また難民向けなどの
人道支援に限られているにもかかわらず、『イスラム国』と戦う国々を支援すると
宣言したこと。『イスラム国』による2邦人の拘束を知った上で明確な敵対心を表明した。
それに対する反発として今回、人質2人を殺害したとする映像が公開された。
安倍首相は発言のリスクをきちんと考えていたのか。認識が甘かったと言わざるを得ない。
もっと思慮深い発言をするべきだった。
無実の人の殺害は重大犯罪で、断固非難する。だが、『テロ』という言葉でそれ以外のものも
一括(ひとくく)りにすると、『イスラム国』だけではない、あいまいなものに戦いを
挑むことになる」 (引用ここまで)
短い言葉の中に、私が思っていたことが全て語られています。
安倍首相は、私人を離れたら公人であるという意識がないのでしょうか。
外国では、あなたの発言が日本を代表しての発言と採られてしまうのです。
あなたの発言に、私たち日本人の命がかかっているという自覚を持ってください。
国会での質疑では、逃げ腰や言い訳をよく耳にします。
私たちは事実が知りたいのです。そして今後、こういうことが起こらないようにする為には
どうしたらよいのかという、議論が聞きたいのです。
決して「目には目を」や、「復讐には復讐を」や、「暴力には暴力を」ではない筈です。
政治は、あなたの【思い】を叶えるために在るのではありません。
政治は、私たち国民が平和に、誰もが飢えることなく生きていくために在るのです。
あなたは「この国の最高責任者である私が」とよく仰いますが、一番の責任は、
「国民を飢えさせない」「国民を戦争に巻き込まない」ことだと、私は考えます。
●政府はシリア行きを予定していたカメラマン・杉本祐一氏のパスポートを返納させた。
誰かが行かなければ、現状は闇のままだ。
誰かが報道しなければ、戦場の悲惨さを、私たちは知ることはできない。
後藤健二氏の報道によって、私たちは戦場での人々の暮らしや、
「イスラム国」というものの一部を知ることができました。
志葉玲氏は、イスラエルのガザ侵攻の現状を伝えています。
目を背けないで、現状を観て欲しいと思います。
ジャーナリスト達が命がけで報道する現状なのですから。
ブックマークに入れましたので、是非、ご覧ください。
安倍首相は、この現状をしっかり心に刻んでください。
ガザの子どもたちを、涙なくしては観られないはずです。
それでもあなたは、イスラエルと共同開発したその武器で、
ガザ市民を殺すことに加担しますか。
(2015年2月11日 記)
2015年2月2日の朝日新聞、黒木英充・東京外国語大アジア・アフリカ
言語文化研究所教授の話
「日本政府は今回二つの大きな過ちを犯した。一つは、首相の中東訪問の際、『テロとの戦いに
取り組む』とイスラエルのネタニヤフ首相と並んで宣言したこと。また難民向けなどの
人道支援に限られているにもかかわらず、『イスラム国』と戦う国々を支援すると
宣言したこと。『イスラム国』による2邦人の拘束を知った上で明確な敵対心を表明した。
それに対する反発として今回、人質2人を殺害したとする映像が公開された。
安倍首相は発言のリスクをきちんと考えていたのか。認識が甘かったと言わざるを得ない。
もっと思慮深い発言をするべきだった。
無実の人の殺害は重大犯罪で、断固非難する。だが、『テロ』という言葉でそれ以外のものも
一括(ひとくく)りにすると、『イスラム国』だけではない、あいまいなものに戦いを
挑むことになる」 (引用ここまで)
短い言葉の中に、私が思っていたことが全て語られています。
安倍首相は、私人を離れたら公人であるという意識がないのでしょうか。
外国では、あなたの発言が日本を代表しての発言と採られてしまうのです。
あなたの発言に、私たち日本人の命がかかっているという自覚を持ってください。
国会での質疑では、逃げ腰や言い訳をよく耳にします。
私たちは事実が知りたいのです。そして今後、こういうことが起こらないようにする為には
どうしたらよいのかという、議論が聞きたいのです。
決して「目には目を」や、「復讐には復讐を」や、「暴力には暴力を」ではない筈です。
政治は、あなたの【思い】を叶えるために在るのではありません。
政治は、私たち国民が平和に、誰もが飢えることなく生きていくために在るのです。
あなたは「この国の最高責任者である私が」とよく仰いますが、一番の責任は、
「国民を飢えさせない」「国民を戦争に巻き込まない」ことだと、私は考えます。
●政府はシリア行きを予定していたカメラマン・杉本祐一氏のパスポートを返納させた。
誰かが行かなければ、現状は闇のままだ。
誰かが報道しなければ、戦場の悲惨さを、私たちは知ることはできない。
後藤健二氏の報道によって、私たちは戦場での人々の暮らしや、
「イスラム国」というものの一部を知ることができました。
志葉玲氏は、イスラエルのガザ侵攻の現状を伝えています。
目を背けないで、現状を観て欲しいと思います。
ジャーナリスト達が命がけで報道する現状なのですから。
ブックマークに入れましたので、是非、ご覧ください。
安倍首相は、この現状をしっかり心に刻んでください。
ガザの子どもたちを、涙なくしては観られないはずです。
それでもあなたは、イスラエルと共同開発したその武器で、
ガザ市民を殺すことに加担しますか。
(2015年2月11日 記)