日本の近代木造建築の最高傑作は、これ。
カトリック新発田教会。設計は、アントニー・レーモンド。
新潟平野を車で走ると、必ず寄る。(都合、5回くらい寄ったか、、。)ある時、司祭館の
牧師さんに「見せてください。」と、お願いに行ったら、「見終わったら、お茶のみにい
らっしゃい。」図面で、平面はだいたい頭に入っているけど、司祭館に入るのは初めて。
吹き抜けの階段ホールは、建物の大きさに比べて「ずいぶん広いなー」と、思っていたけ
ど、実際はそうでもない。中禅寺湖畔のイタリア大使館の別荘に似ている。お茶を飲まさ
せていただいた部屋の窓際の床には、巾が60cmはあろうかと言う、鋳物のグレーチングが
あり、これまた当時の鋳物の蒸気ラジエターが、ドンっと鎮座ましましている。
教会の方は、ラワン合板が真鍮の丸頭釘で1インチピッチ(25.4mm)で張られている、、。
たぶん、レーモンドが「1インチでやりなさい。」と言ったから、本当に1インチで工事
してしまったんだろう、、、。でも、最初は「ギョッ!」としたが、見慣れてくると、
「大工さんは大変だったろうが、成る程、これはこれで正解なのかも?」と思えてしまう
から不思議、、、。自分の最近の工事では、フィニッシュ・ネイルで張ってしまう、、。
最初は抵抗があったが、建築会社や大工さんに、そんな手間ひまのかかる事、とっても
言えない、、、、、。
教会のリンク先、貼っておきます。
http://www.ab.auone-net.jp/~ca-shiba/
現在、司祭館は公開されておりません。入れさせていただいたのは、昔むかしの事です。
写真の手前が、その司祭館です。
玄関の入ったところが、増沢洵さんのH邸に似ていました。
追記 軽井沢の聖パウロ教会も、日光の20代の若い棟梁だったようですが、
この新発田カトリック教会の棟梁さんも、当時まだ20代の若い棟梁
だったようです。