『龍―RON―』
警察だか特高だかに追われた龍が 中国に旅立つ前に
洛北・大原の尼寺にかくまってもらった時、
その菩薩さまのようなお顔の ちょっと不思議な尼さんが言う。
「風は見えないけれど、
なびく草や枝を見て、
私たちは
見えない風の存在に気づきます。
私たちの周囲(まわり)には、
あまりに多くの
見えないものがある
ということです・・・。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/a0/f43392aaa76260d5a964d89b633935fe.jpg)
「あなたが今ここにいるのも、
あなたを守ろうという人々の
目に見えない力が働いた結果ではありませんか?
目に見えぬもの(冥)に
守られている(加)ことを
知らねばなりません・・・。
これを“冥加の心”といいます。」
へ~。
そうなんだ。
「冥加(みょうが)」という言葉は知っていたけど、
意味なんか 考えたこともなかった。。
尼僧は
「自分の力ばかりを頼みにしないで
もっと素直に
まわりを見回してみたらどうですか?
そうすれば 道は開けてくるもんどす。」
と 龍を諭している。(第19巻 p183)
冥加(みょうが)の「冥(みょう)」は
暗いという意味だろうか。
冥途(めいど)の「冥(めい)」だ。
冥府(めいふ)、冥界(めいかい)の「冥」。
おそらく、漢音が「メイ」で、呉音が「ミョウ」。
呉音は日本語を面白く(つまり、面倒に)してくれるね(苦笑)。
いつもの新選国語辞典で調べると、
確かに、「冥加」は
「目に見えない神仏の助力。おかげ。おたすけ。」とある。
冥助(みょうじょ)は冥加と同じ意味。
(瞑目(めいもく)と瞑座(めいざ)は違う字。)
巻末の漢字解説によると、「冥」には
①よみじ。死後の世界。
②目に見えない神仏のはたらき。
③奥深い。
という3通りの意味がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/2b/4989848e2f53fabcc1a315e010b4b08f.jpg)
ほうれん草? 雑草?(笑)
マンガを読んでいて 「冥加」という言葉の意味を
これまで知らずに居た、と気付いた。
そうしたら、今回 『にぎやかな天地』上下巻を読み返していて
(記事にする時って、もう、どうしようもないくらい、効率悪いけど、
信じられないくらい、読み返す)
「冥利」について掛かれた部分にぶつかった。
「あいつは冥利が悪い、っちゅう言い方をするやろ?
ぼくは若いころ、修行に行った料亭のご主人に、
しょっちゅうそない言うて怒られた。
よう使うことばやねんけど、
冥利って、どういういみやと訊かれて、
性格に説明できる人は そないおらんのや。」(上巻p265)
「冥利(みょうり)」、新選国語辞典によると、
「①それとわからぬうちに神仏があたえるめぐみ。
②善行の報いとして受けた幸運。
③ある立場にあることによって受ける恩恵。
冥利に尽っきる:ありがたくて、もったいない。」
と書かれている。
「冥加」とおんなじじゃん?
「そやけど、どうもそれだけでは説明しきれん意味合いが
含まれてるような気がしてなァ。
しかし、あいつは冥利が悪いっちゅうと、
なんとなく わかるような気がするんや。
常日頃、胸に持ってる考え方が歪んでるとか、
やってることが どこか邪(よこしま)や、とか、
どこかにずるさや なまけ心を隠してる、とか・・・・・・。」
「そやけど、どこか冥利が悪かったなァ、
と いまになって わかるんや。」
「つまり、どれもこれも、ふりをしてたんや。
料理の修業に懸命なふり。
ご主人を尊敬するふり。
兄弟子に従順なふり。
いやな仕事も骨身を惜しまずにするふり。
ぼくは 他人にではなく、自分自身に向けてやっとったんや。
ご主人はそれを見抜いてたんやなァ。」(同)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/11/2d84c68f6d1b068b034ab734847e29c9.jpg)
小松菜!(笑)
心に刻んでおきたい言葉は「冥加」や「冥利」ではなく、
「冥利が悪い」の方かと思う。
「身の分限をはかり 慈悲を専らとし
善悪につきて 心を動かさず
天明に安んじてはたらくべし」
というおみくじの私だから、
心して過ごさなくては、と思う。
警察だか特高だかに追われた龍が 中国に旅立つ前に
洛北・大原の尼寺にかくまってもらった時、
その菩薩さまのようなお顔の ちょっと不思議な尼さんが言う。
「風は見えないけれど、
なびく草や枝を見て、
私たちは
見えない風の存在に気づきます。
私たちの周囲(まわり)には、
あまりに多くの
見えないものがある
ということです・・・。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/a0/f43392aaa76260d5a964d89b633935fe.jpg)
「あなたが今ここにいるのも、
あなたを守ろうという人々の
目に見えない力が働いた結果ではありませんか?
目に見えぬもの(冥)に
守られている(加)ことを
知らねばなりません・・・。
これを“冥加の心”といいます。」
へ~。
そうなんだ。
「冥加(みょうが)」という言葉は知っていたけど、
意味なんか 考えたこともなかった。。
尼僧は
「自分の力ばかりを頼みにしないで
もっと素直に
まわりを見回してみたらどうですか?
そうすれば 道は開けてくるもんどす。」
と 龍を諭している。(第19巻 p183)
冥加(みょうが)の「冥(みょう)」は
暗いという意味だろうか。
冥途(めいど)の「冥(めい)」だ。
冥府(めいふ)、冥界(めいかい)の「冥」。
おそらく、漢音が「メイ」で、呉音が「ミョウ」。
呉音は日本語を面白く(つまり、面倒に)してくれるね(苦笑)。
いつもの新選国語辞典で調べると、
確かに、「冥加」は
「目に見えない神仏の助力。おかげ。おたすけ。」とある。
冥助(みょうじょ)は冥加と同じ意味。
(瞑目(めいもく)と瞑座(めいざ)は違う字。)
巻末の漢字解説によると、「冥」には
①よみじ。死後の世界。
②目に見えない神仏のはたらき。
③奥深い。
という3通りの意味がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/2b/4989848e2f53fabcc1a315e010b4b08f.jpg)
ほうれん草? 雑草?(笑)
マンガを読んでいて 「冥加」という言葉の意味を
これまで知らずに居た、と気付いた。
そうしたら、今回 『にぎやかな天地』上下巻を読み返していて
(記事にする時って、もう、どうしようもないくらい、効率悪いけど、
信じられないくらい、読み返す)
「冥利」について掛かれた部分にぶつかった。
「あいつは冥利が悪い、っちゅう言い方をするやろ?
ぼくは若いころ、修行に行った料亭のご主人に、
しょっちゅうそない言うて怒られた。
よう使うことばやねんけど、
冥利って、どういういみやと訊かれて、
性格に説明できる人は そないおらんのや。」(上巻p265)
「冥利(みょうり)」、新選国語辞典によると、
「①それとわからぬうちに神仏があたえるめぐみ。
②善行の報いとして受けた幸運。
③ある立場にあることによって受ける恩恵。
冥利に尽っきる:ありがたくて、もったいない。」
と書かれている。
「冥加」とおんなじじゃん?
「そやけど、どうもそれだけでは説明しきれん意味合いが
含まれてるような気がしてなァ。
しかし、あいつは冥利が悪いっちゅうと、
なんとなく わかるような気がするんや。
常日頃、胸に持ってる考え方が歪んでるとか、
やってることが どこか邪(よこしま)や、とか、
どこかにずるさや なまけ心を隠してる、とか・・・・・・。」
「そやけど、どこか冥利が悪かったなァ、
と いまになって わかるんや。」
「つまり、どれもこれも、ふりをしてたんや。
料理の修業に懸命なふり。
ご主人を尊敬するふり。
兄弟子に従順なふり。
いやな仕事も骨身を惜しまずにするふり。
ぼくは 他人にではなく、自分自身に向けてやっとったんや。
ご主人はそれを見抜いてたんやなァ。」(同)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/11/2d84c68f6d1b068b034ab734847e29c9.jpg)
小松菜!(笑)
心に刻んでおきたい言葉は「冥加」や「冥利」ではなく、
「冥利が悪い」の方かと思う。
「身の分限をはかり 慈悲を専らとし
善悪につきて 心を動かさず
天明に安んじてはたらくべし」
というおみくじの私だから、
心して過ごさなくては、と思う。
ずっと心にかけてもらっていた母方の親戚の所に、挨拶に行きたくて。。。
その時に、泊まった宿の名前が「冥加屋」だったと思い出しました。
今日まで冥加の意味を知らなかったから、何も感じていなかったのだけど・・・
鰹節の話から、このごろ、祖母の白い割烹着姿が時々脳裏に浮かびます。
守られていたんだなぁ~って、改めて思うのです。
そこに、今日の冥加の話です。。。
もう「グァ~ン!」という感じですよ
まだ一月で、心も入れ替えたばっかりのような気もしないではないけど
尚一層心を入れ替えて、謙虚に、感謝して生活しないと・・と思いました。
私がジョルジュさんに出会えたのって、やっぱり偶然なんかじゃないんだわ
そして、必要な美徳だと思います。
できたら、私の家族に備えていてもらいたい美徳です(笑)。
お宿の名前とは。変わってますよね。
それを覚えていらした(忘れていても思い出すことができた)結さんは
「冥加」を得ることのできるお方なのでは?
白い割烹着姿、いいものです。
それもお婆さまのお姿なら、いっそう懐かしいですね。
私の母も エプロンではなくて割烹着を使っていた頃は 何事にもマメだったような気がします。
物を最後まできちんと使わなかったり食べ残したりすると「冥加が悪い」って、両親や祖父母によく言われました。
何のことかよく考えもせずに「もったいないことをしたらあかん」ということだと理解していたのですが、こういことだったのですね。ありがとうございました。
この食べ物や道具を作ってくれた人に失礼じゃないかという、戒めだったのですね。
昔の人は謙虚に真摯に生きていたんだなあと感心します。
私は母から言われた記憶はありません。
父や 一緒に住んでいた住職には そういう小言を言われたことはありませんし。
(小言にも男女の住み分け?があったらしい。。)
謙虚に、真摯に。
今年は大変な年になりそう・・(汗)。
「もったいない」という言葉にも ふたつくらいは意味があると思いますが
もっともっと大事にしていきたい言葉ですね。
「冥利」も「冥加」も「言葉の玉手箱」に入ってしまっているようです。
>つまり、どれもこれも、ふりをしてたんや。
もう、自分のすべてが、ふりをしてるだけの気がしてきました。
わかったふり、聞いてるふり、納得したふり、怒ったふり、感動したふり、
あ、でも歳とともに涙もろくなってきてるので
感動はふりではないかも。
ミョウガは、食べるものしか知りませんでした。
冥利は、男冥利につきる、とかいいますけど
この字とは知りませんでした。それに意味も。
この場合は、立場とか地位なんですねぇ。
そして冥利が悪い・・・・初めて知りました。
1つ覚えて、10コ忘れる・・・・って感じです、最近。
わかったふり、聞いてるふり、納得したふり、>怒ったふり、感動したふり
私もいっぱい、フリをして生きています。
>1つ覚えて、10コ忘れる・・・・って感じです、最近。
私もです(爆)
冥加の意味も きっとまた忘れるでしょう。
ミョウガの食べすぎが原因ではないと思いますが。
冥利に≪つっきる≫と言うらしいです。
今回、初めて知りました。