きふブロ!KIF・熊本市国際交流振興事業団のブログ

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入管行政の仕組みと在住外国人

2009-09-11 14:01:08 | インポート
日本語ボランティアコーディネーター養成講座の第2回目...  入管行政の仕組みと在住外国人というテーマでした。

このテーマと聞くと講師は、入国管理局の方を想像されると思うが、外国人の人権問題に長く携わられてこられたNPOの方でした。

コムスタカ - 外国人と共に生きる会 の代表 中島真一郎さん

在住外国人のおかれている立場、課題など、ひと味違った、入管行政に関するお話しをお聞きすることが出来ました。

人権に関する相談、日本語教室、移住労働者に関する問題の講演会・学習会、多文化共生の映画祭、フィリピンへの訪問・ワークショップなど多彩な活動をされています。在住外国人の課題・問題については、訴訟支援活動や国、行政との交渉など、大変緊迫感、大きな責任が発生するところで活動をされている。

在留外国人:外国人とは日本国籍ではない人たち...

現在、日本の外国人登録者数は、220万人を越えている... 日本各地で、日本人が就労したがらない仕事や人手不足となっている分野を中心に、日本の社会を支えている。(移住労働者問題は、農村から都市部への国内の労働移動だけでなく、経済的に貧しい国から豊かな国への労働力移動問題ととらえることが出来る。

日本政府の在住外国人政策は、基本的には、「管理と排除」とのこと..

労働力政策は、「専門的技術的分野」の職種に限定して認められている。一方、研修生、実習生、日系人など、実質的な移住労働者を受け入れている...その制度は、実態と乖離したものである.... 

2009年 外国人登録制度の廃止・入管難民認定法・入管特例法。住民基本台帳法の改定 .... 新在留管理制度  点の管理から線の管理へ... (施行は2012年ぐらいからか...)

1.外国人を、短期滞在者、中長期在留者、特別永住者の3つに分類

2.外国人登録制度の廃止、外国人を住民基本台帳へ登録
外国人登録証が廃止され、中長期在留者へは在留カード、特別永住者へは特別永住証明書が発行される。

3.所属機関からの情報提供、入管の調査権限の拡充

4.在留資格取消制度の拡充

5.来日1年目の研修生に労働法制の適用

6.留学、就学を留学へ一本化、などなど...

入国管理局、入国前手続、外国人の入国審査、在留資格制度、在留資格の更新や変更、外国人の退去強制手続、退去強制手段、出国命令制度、在留特別許可制度等々が丁寧に説明されました。

そして、実践編として、在留資格について訴訟となったケースが話されました。

在留孤児の男性と中国人妻で、この中国人妻の連れ子が、日本に呼び寄せられた... ところが在留孤児の方との血統がない... このため、不法滞在とされた.. 実質上は、家族として暮らしている... 1審は、中国人側の敗訴... 上告... 争点は、中国では、本子、連れ子、区別なく書類に記載される。 在留孤児の方と結婚する前に連れ子たちが誕生していたという書類を入管は受け取った上で入国を認めている。 この点で、逆転勝訴...

時代と流れとともに人道的な配慮もされるようになった...

フィリピン人の方、ナイジェリア人の方、パキスタン人の方の事例がお話しされました。それも人道的な配慮で認められるべき内容であるが、入管(国)としては制度を順守するということになるのであろう。ただ、グローバル化、国境を越えた人の動きの増加。..などなど、状況が多い変わってきた。そんな中で柔軟な判断も出来るようになってきたようだ。

日本語コーディネーターとしての知識としては、短時間でかなりのボリュームであったと思うが、日本の在住外国人対策を知る上で、頭の何処かにいれておくべきことであると思う。

そして、中島さんが最後の方でお話しされたこと...

1.色々な在住外国人の方々の課題、具体的な解決方法を考えることが大事。
2.その方が一番望むことを実現するために出来ることは...
3.動くことの必要性

大事なことであると思う。